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旅館・ホテル ■第2586号《2010年11月20日(土)発行》  

箱根温泉旅組、じゃらん手数料問題で説明会提案
 宿泊予約サイト「じゃらんnet」が来年4月から適用する実質的な手数料率引き上げに対し、協議を申し入れていた神奈川県の箱根温泉旅館協同組合(榎本孝弘理事長、加盟施設数108軒)は12日、同サイトを運営するリクルート旅行カンパニー(冨塚優カンパニー長)から郵送で回答書を受け取った。組合員向けの説明会開催に前向きな回答があったことから、今月末の実現を改めて文書で要望した。

 同組合は、手数料率引き上げなどに関する再考や、組合員に対する説明と協議を公開の場で開催することなどを求める「協議申し入れ書」をリクルートの柏木斉社長と冨塚旅行カンパニー長に5日付で郵送していた。

 リクルートからの回答書面の内容について同組合は、「これまで同様の一方的な説明に終始」し、「受け取った文書をもって納得することはいささか難しい」とコメント。ただ、説明会の開催については前向きな回答が得られたという。

 このため同組合は16日、「説明会開催の申し入れ」と題する書面を柏木社長、冨塚カンパニー長あてに送付。11月26、29、30日のいずれかの日程で、組合員に対する説明会を箱根町で開催することを求めた。

「『じゃらんnet』の手数料引き上げに関する説明会開催の申し入れ」箱根温泉旅館協同組合pdf



10月の旅館・ホテル倒産は6件、負債約20億円

 帝国データバンクによると、今年10月のホテル・旅館経営業者の倒産は6件、負債総額は19億6800万円だった。件数は前月と同数、前年同月比で8件減少。負債総額は前月比16億8900万円(46.2%)、前年同月比82億6400万円(80.8%)、それぞれ減少した。

 件数は3カ月連続の同数で、6カ月連続の1ケタ台。今年に入り7月の5件に次ぐ低い数字となった。今年、10件以上の2ケタを記録したのは3、4月の2回で、前年同期の5回を下回っている。

 負債総額は今年に入り最も低い数字となった。10億円台にとどまるのは08年9月(17億4300万円)以来、25カ月ぶり。前年同期に5回あった100億円の大台を超えた月は、今年はいまだみられない。

 1月からの累計は、件数が前年同期比22件(23.2%)減の73件。負債総額が同581億8900万円(59.4%)減の397億400万円。


5件、負債4.7億円 10月の旅行業者倒産
 帝国データバンクによると、今年10月の旅行業者の倒産は5件、負債総額は4億7400万円だった。

 件数は前月比3件、前年同月比2件、それぞれ増加。負債総額は前月比4億2200万円、前年同月比2億7500万円、それぞれ増加した。

 1月からの累計は、件数が前年同期比12件減の27件。負債総額が同38億7600万円減の33億9500万円。



ホテル鐘山苑、新露天風呂をオープン
富士を一望する露天風呂

 ホテル鐘山苑(山梨県富士吉田市)はこのほど、館内屋上に「露天風呂 富士山」をオープンした。富士山を裾野まで見渡す絶景が自慢で、「今までにないロケーションで新たな感動を提供する」と同館。同時に、ホテルの名称を「富士山温泉 鐘山苑」に変更した。「美しい富士山にこだわった宿作りを目指す」(同館)。

 細流亭3号館10階屋上に開設。湯船は富士山に向かって3段に連なっている。前方の湯船に入浴者がいても、眺望の邪魔にならない仕様になっている。高所にあるため、寒い時でも温かく入ってもらおうと立ち膝で入浴する水深90センチの深湯にした。最上段は寝湯で、湯船に横になった状態で富士山を眺められる。

 湯はpH9.8の高アルカリ泉。泉質はカルシウム・ナトリウム・硫酸塩泉。93年、同館敷地内で湧出した。

 宿泊者のみの利用で、男女入れ替え制。利用は女性が午後2時半から同6時半。男性が午前6時から同10時半。



湯西川温泉旅館組合、大学学園祭でPRイベント
着付け舞を学生に披露

 栃木県の湯西川温泉旅館組合(組合長=伴久一・伴久ホテル会長)は10月31日、11月1日の2日間、東洋大学(東京都文京区白山)の学園祭「第46回白山祭」で、集まった学生らに湯西川温泉をPRするイベントを開いた。同大で観光を学ぶ学生らの協力を得て実施した企画。同旅館組合では、今後の温泉地づくりにも大学生ら若者の意見を取り入れていきたい考えだ。

 同大学国際地域学部国際観光学科の梁春香教授のゼミ・研究室に所属する大学生・大学院生らと連携。同旅館組合と同大が共同で行ってきた産学連携プロジェクトの報告会や、音楽に合わせて帯をしめていく湯西川温泉の伝統芸能「着付け舞」の披露、栃木県名産のとちの実を使った「とちもち」の調理販売、山菜類の販売などを行った。調理、販売、宣伝はすべて学生たちが行った。

 湯西川温泉地域の観光振興について、大学・大学院で観光を学ぶ20代の学生の視点から研究、アドバイスをしてもらおうと、同組合は東洋大学と提携。09年8月に第1回湯西川観光振興産学連携会議を開いたのを皮切りに、これまでに同連携会議を3回、現地調査会を2回開催した。

 白山祭の報告会では、これまでの現地調査を踏まえた現状分析、東洋大学生に対して行った湯西川温泉の認知度・イメージ調査の結果、湯西川温泉の活性化と観光客誘致に関する提案を梁教授のゼミ生・研究室院生が発表した。

 東洋大学との産学連携プロジェクトについて伴組合長は「これまで行政やさまざまなコンサルタントから地域活性化についての提案を受けてきたが、若者の視点が反映されているかどうか疑問だった。大学との連携により、若い20代の感性をこれからの地域づくりに生かすことができるはず」と語り、今後の展開に期待を込めた。



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