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トラベル ■第2587号《2010年11月27日(土)発行》  

トップツアー、熱気球で地域振興
トップツアー所有の熱気球

 トップツアーは熱気球を使った地域振興事業を本格化させる。自社のロゴの入ったオリジナルの熱気球を新たに用意して、「鳥の目線」から景観を楽しめる熱気球の搭乗体験イベントなどを全国各地に提案。一味違った集客イベントとしてだけでなく、宿泊利用の拡大のきっかけづくりにも活用してもらいたい考えだ。

 熱気球を使った事業「バーズアイ ビュー プロジェクト」は、来年1月に創立55周年、社名変更5周年を迎える同社の記念プロジェクトの1つ。全国的に知られる「佐賀インターナショナルバルーンフェスタ」などの熱気球イベントをプロデュースしてきた町田耕造氏が会長を務めるNPO法人熱気球運営機構などの協力を受け、今年3月以降、山梨・石和温泉や滋賀・草津などで熱気球の搭乗体験イベントを開催してきた。

 「地元や観光地を普段とは違った『鳥の目線』で眺めることで、地球の大きさ、美しさを感じられるのが熱気球の良さ。子どもの情操教育にもつながる」と米田稔・旅行業務本部商品開発部長。これまでに行った熱気球イベントが家族連れを中心に好評だったことから、自社で熱気球を保有し、事業を本格化させることにした。熱気球の運航は比較的風のない早朝が適しているため、早朝に運航されることが一般的。「熱気球に乗るには近隣に前泊することが必要になるので、観光地の宿泊利用の後押しにもなる」(米田部長)。

 21日には、栃木県宇都宮市で開催された熱気球の国際大会「2010とちぎ熱気球インターナショナルチャンピオンシップ」の会場で、同社オリジナルの熱気球「トップツアー・バーズアイビュー号」のお披露目と有料搭乗体験を実施。搭乗者からは「揺れもなく気持ちがいい」「思っていた以上に高く感じるし、眺めもいい」などの感想が聞かれた。人気キャラクター「ドラえもん」の形の熱気球などと共に係留された同社の熱気球は、大会の観客だけでなく、併催された栃木経済同友会の秋祭りの来場者の人気も集めていた。

 トップツアー・バーズアイビュー号は、同社のコーポレートカラーである青色を基調に、社名、ロゴをあしらったデザイン。社名、ロゴ部分は取り外すことが可能。乗員、乗客用のかごはドア付きで、車イス利用者でも乗ることができる。50メートル四方のスペースがあれば係留できるという。

 同社では熱気球運営機構と協力し、地球の衛星写真をプリントした熱気球を使った環境教育事業の展開も予定する。

 今後2年以内に全都道府県で熱気球関連イベントの開催を目指す。



JRグループ、1月から京都DC
パンフレット

 JRグループは来年1月1日から3月21日までの約3カ月、京都市や市観光協会などと共同で、京都デスティネーションキャンペーン「京の冬の旅キャンペーン」を開催する。期間中には、非公開文化財の特別公開やそれらを巡る「定期観光バス特別コース」の運行のほか、京都の奥深い上質な魅力に出会う観光プラン「京都『千年の心得』」を販売する。

 非公開文化財の特別公開は、NHK大河ドラマ「江〜姫たちの戦国〜」の放映を記念し、「戦国・姫君と武将たち」をテーマに実施。江姫の遺髪を納める供養塔のある金戒光明寺をはじめ、徳川秀忠と江の娘である東福門院和子の菩提寺である光雲寺など計12カ所の文化財を公開する。

 JRや私鉄の駅から徒歩で行けるので、環境にやさしい京都のまちを「歩く旅」も提案。各公開箇所ではガイドによる案内も行う。

 期間中運行する定期観光バスには、天下人と戦国武将ゆかりの地を訪ねる「うるわし」、戦国を生きた姫たちのゆかりの地を訪ねる「みやび」、京の世界遺産と体にやさしい味を楽しむ「あじわい」、京の仏像に出会う「やすらぎ」の4コースを設定。このほか、期間限定で能や七福神、梅の名所をめぐる特別コースも運行する。

 京都の文化などを体験できる「京都『千年の心得』」では、聖護院門跡の特別拝観、旧嵯峨御所大覚寺門跡での聞香体験、京都を代表する老舗旅館の柊家の女将の西村明美さんによる京のおもてなしについての説明など、さまざまなプランが用意されている。



KNT、卒業旅行に新しい切り口
パンフレット

 近畿日本ツーリスト(KNT)はこのほど、同社国内企画旅行商品ブランド「メイト」から、学生を対象とした旅行商品「卒業旅行」を発売した。安さにこだわるだけでなく、人気のパワースポット周辺の宿泊プランやスイートルームに泊まれるプランなど、さまざまな切り口の新しいプランを用意し、学生の卒業旅行需要の取り込みを図る。

 スイートルームに泊まれるプランでは、例えば大阪のリーガロイヤルのスイートコネクティングルームを、6人利用の場合1人6500円から利用できる。このほか新プランとして、人気の水族館「海遊館」(大阪府大阪市)の入館券をセットにしたプランや限定列車を使った草津方面への宿泊プランも用意した。

 グループでの旅行ニーズに対応するプランとしては、10人以上での申し込みの場合1人500円割引になるグループ割引を30施設で設定した。

 また昨年販売し好評だった、客室定員までなら何人泊まっても1部屋1万円で宿泊できるプランも販売する。

 宿泊は全プラン合計で128施設から選べる。

 設定期間は来年1月5日〜4月10日。

 取り扱い目標人数は前年比7%増。



主要63社9月実績

 観光庁が16日発表した今年9月の主要旅行業63社の旅行取扱状況は、総取扱額が前年同月比5.0%減の5453億5169万円。7カ月ぶりに前年実績を下回った。内訳は、国内旅行が同7.9%減の3174億2524万円、海外旅行が同1.7%減の2218億2993万円、外国人旅行が同45.5%増の60億9652万円。国内、海外ともに、昨年のシルバーウイーク(SW)の反動などから前年実績を割り込んだ。

 国内旅行は、取り扱い58社中17社が前年超え。「個人旅行では新型インフルエンザの反動増が見られるが、団体、企画旅行などでSWの反動減があった」と観光産業課。

 海外旅行は7カ月ぶりに前年割れ。前年の取り扱いを上回ったのは61社中32社だった。

 外国人旅行は、アジア圏からの需要取り込みなどから、取り扱い37社中28社が前年実績を超えた。

 旅行商品ブランドの取り扱い状況は、総取扱額が前年同月比8.8%減の1505億1705万円。このうち国内旅行は同12.1%減の785億5189万円、海外旅行は同5.1%減の715億7764万円、外国人旅行は同39.8%増の3億8752万円。取扱人数は、国内旅行が同9.2%減の306万4034人、海外旅行が同12.8%減の54万3590人、外国人旅行が同20.9%増の1万8218人で、合計では同9.7%減の362万5842人。


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