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インバウンド ■第2589号《2010年12月11日(土)発行》
12地域で中国セミナー、受け入れ策学ぶ
東京で行われたセミナー(2日)
訪日中国人客の受け入れに向けて市場動向や中国語会話を学ぶセミナーが今年6月から12月にかけて全国12カ所で開かれた。国の補助金を活用し、日本観光協会が主催、日本観光旅館連盟が共催している観光関係人材育成事業として実施。中国人の受け入れに意欲を示して開講を希望した地域が会場で、旅館・ホテルの経営者らを中心に毎回、定員いっぱいの50人前後が参加した。
セミナーの会場は、札幌(北海道)、松山(愛媛県)、那須(栃木県)、高山(岐阜県)、大阪(大阪府)、長野(長野県)、松本(同)、金沢(石川県)、日光(栃木県)、富士河口湖(山梨県)、東京(東京都)、別府(大分県)。
今年7月の中国人向け個人観光査証(ビザ)の要件緩和などで、中国人観光客の受け入れに注目が集まっている。9月7日には尖閣諸島沖の漁船衝突事件が起きたが、今後の市場拡大を見据え、9月29日の高山会場のセミナーには74人が受講している。
セミナーは、マーケティングと中国語の2講座で実践的な内容。中国向けの各種PR事業を支援する風樹代表の李琳氏が、中国人の海外旅行事情や受け入れのためのブランド戦略を指南。LEC東京リーガルマインド大学教授で心弦社代表の田中則明氏が、独自に考案した発声学習法で観光客への対応に役立つ中国語の基礎を教えてきた。
今月2日に東京・市ヶ谷で開かれたセミナーには、旅館・ホテルの経営者や担当者を中心に約40人が参加した。
講義で李琳氏は訪日観光の動向について、査証の制約などはあるが、「ゴールデンルートから滞在型へ、買い物も免税店から百貨店やブランド店へと移る。大型団体から個人、グループの観光が増えていく。中国人もできればインターネットで直予約し、自由に旅行したいと考えている」と説明した。
また、李琳氏は宿泊施設や地域が誘致を目指す上で、「日本で有名かどうかは問題ではない。中国で認知度が高いかどうか。旅行会社と提携するにしても、ネットを活用するにしても、受け身ではなく、ターゲットを明確にしてアプローチすべきだ」とアドバイスしていた。
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