観光経済新聞社は、全国の旅行会社やネットエージェントが投票で選ぶ第24回「にっぽんの温泉100選」の最終結果を発表した。1位は草津温泉(群馬県)で、9月下旬の中間発表では2位だったが追い上げた。これで8年連続の栄冠。逆に登別温泉(北海道)は中間でトップに立ったものの、あと一歩及ばず2位に。3位は由布院温泉(大分県)。ベスト3の順位は前回と同じで、ベスト10内の大きな変動もなかった。また、同時に「人気温泉旅館ホテル250選」と「5つ星の宿」も発表した。
にっぽんの温泉100選は、旅行のプロである旅行会社やネットエージェントの投票によって人気の温泉地を選んでもらう温泉地ランキング。旅行者に支持されている温泉地を探るという目的と、全国の温泉地がランキングに刺激を受けて魅力の磨き上げをしてほしいとの狙いがある。
後援は日本観光旅館連盟、国際観光旅館連盟、全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会、日本温泉協会、日本旅行業協会、全国旅行業協会、日本観光協会、日本政府観光局、財団法人日本交通公社の9団体。にっぽんの温泉100選実行委員会は、9団体から選出されたメンバーによって構成されている。国内観光に携わるこれだけの業界団体がかかわる温泉地ランキングはほかにない。審査会は1日、主催する観光経済新聞社の本社(東京都台東区)で開かれた。
JTBやKNT、日本旅行をはじめとする大手、中堅の旅行会社と、じゃらんnetや楽天トラベルなどネットエージェントに7月1日から10月末までの間に投票を呼び掛けた。記載不備や組織票の疑いのある194枚を除外し、有効投票はがき枚数は1万685枚(同1万3216枚)を数えた。1枚のはがきに最大5カ所の温泉地を記入でき、総投票数は3万5166票(同3万7730票)となった。
1位の草津温泉は、年間約300万人の観光客が訪れる。「湯畑」を中心にした温泉情緒と豊富な湯量、「泉質主義」を打ち出すほど絶対の自信を持つ泉質が旅行会社から高く評価された。宿泊施設も充実し、ハイキングやスキーなど四季を通じて楽しめるのも魅力だ。
登別温泉は、多彩な泉質と豊富な湯量が特徴。シンボルの「地獄谷」が有名だが、近年は新しいイベント「鬼花火」「鬼火の路」でさらなる誘客に力を入れている。今回は終盤で追い抜かれたが、投票数を見ると、前回の93票差に対して、今回は草津791票、登別765票の26票差で、その差はかなり縮まっている。
由布院温泉は、小さな山あいの田舎町にある温泉地。由布院温泉観光協会では「観光名所など特別なものがあるわけではない。地域全体でおもてなしをするというこれまでの活動が評価されたのではないか」と話す。
プロが選んだ「第24回にっぽんの温泉100選」発表!