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旅館・ホテル ■第2595号《2011年2月5日(土)発行》
国観連会員旅館、09年度の売上高は19%ダウン
国際観光旅館連盟(佐藤義正会長、会員1182軒)はこのほど、会員旅館に経営実態を聞いた「営業状況等統計調査」の結果をまとめた。決算が確定している2009年度の状況を集計。回答軒数は230軒。リーマン・ショック以降の景気低迷や新型インフルエンザの流行などを受け、旅館1軒当たりの総売上高は、平均すると前年度に比べて18.7%落ち込んだ。大旅館の総売上高は16年前のピーク時に比べ約4割減少している。
規模別の1軒当たりの総売上高は、大旅館(100室以上)が19.0%減の17億7327万円となり、20億台円を割り込んだ。小旅館(30室以下)も23.5%減の2億3671万円と大幅なダウン。中旅館(31〜99室)は1.1%減の7億1237万円だった。
大旅館の売上高の減少について調査報告書は、「85年に20億円台の大台に乗ってから24年間で再び10億円台となった。最大売上高は93年度の28億6443万円で、ピーク時の62%になってしまった。4割減は経営的にはあまりに大きな数字」と指摘した。
1軒当たりの年間宿泊人員は、大旅館が10.0%減の9万1693人、中旅館が3.3%減の3万3986人、小旅館が16.5%減の1万502人だった。
1泊2食付きの料金を前提とした客1人当たりの宿泊料売上高は、大旅館が2.5%(343円)減の1万3129円、中旅館が5.9%(776円)増の1万3899円、小旅館が7.9%(1246円)減の1万4586円だった。小旅館は06年度の1万8225円以降、3年連続で下落した。
1室当たりの年間売上高はすべての施設規模でダウンした。大旅館が17.3%(241万円)減の1150万円、中旅館が2.4%(29万円)減の1205万円、小旅館が19.2%(270万円)減の1134万円だった。
稼働率の低下も顕著だ。定員稼働率は大旅館が4.2ポイント減の37.2%、中旅館が1.7ポイント減の34.9%、小旅館が3.1ポイント減の34.2%。特に小旅館は定員稼働率を業績別にみた場合、経常黒字の施設で41.2%、経常赤字の施設で27.1%と格差が顕著だった。客室稼働率は大旅館が5.3ポイント減の60.0%、中旅館が5.5ポイント減の54.2%、小旅館が8.6ポイント減の45.9%だった。
回答旅館の半数が赤字
経常利益を基準とした回答旅館の黒字、赤字の割合は、黒字旅館が51.6%、赤字旅館が48.4%だった。
黒字旅館が半数を超えたものの、経常利益率の平均は赤字を示し、大旅館でマイナス0.7%、中旅館でマイナス1.8%、小旅館でマイナス1.8%だった。
旅館運営の指標となる売上高から運営経費を差し引いた利益の率を示すGOP(償却前営業利益率)は、大旅館が9.7%、中旅館が7.0%、小旅館が6.9%だった。
旅行業の送客 小旅館で増加
宿泊客の予約経路の割合は、全施設の平均で旅行業経由が5.2ポイント減の61.1%、インターネット経由が2.8ポイント増の14.2%(うち自社サイトが0.3ポイント増の6.2%)、その他の直販などが2.4ポイント増の24.7%となった。旅行業経由の予約は、大旅館で減り、小旅館で増えた。
旅行業経由の予約は、大旅館が7.6ポイント減の62.6%と大幅に低下した。小旅館は2000年度以降、30%台後半で推移してきたが、8.4ポイント増の46.7%と伸びが目立った。団体客の低迷や個人客化の影響を受けたとみられる。中旅館は1.0ポイント増の60.2%と微増だった。
自社サイトやネットエージェントを含めたインターネット経由の予約は年々増加している。大旅館が4.0ポイント増の12.8%、中旅館が0.6ポイント増の15.3%、小旅館が1.6ポイント増の27.0%。自社サイトだけをみると、大旅館が1.0ポイント増の5.3%、中旅館が1.4ポイント減の6.9%、小旅館が0.1ポイント減の11.4%だった。
日旅連関東、恒例のワークショップ開催
にぎわった「ワークショップ」
日本旅行協定旅館ホテル連盟(日旅連)の関東支部連合会は1月21日、神奈川県箱根湯本温泉のホテルおかだで第8回「ワークショップ」を開いた。日本旅行東日本営業本部のセールス担当者を招き、会員施設と地域の最新の情報を提供する恒例の事業。今回は日本旅行のビジネスモデル転換の事業方針を踏まえ、教育旅行やMICE向けの受け地情報も数多く提供するなど、活発に商談した。
事業は関東支部連合会の営業推進委員会(山本剛史委員長)が主催。日旅連新潟支部連合会と長野支部連合会、日本旅行協定クーポン店会(Nic)東日本本部が協賛した。参加者は関東支部連合会の11支部と、新潟、長野の両支部連合会、Nic東日本から64人。日本旅行からは127人が参加した。
商談会は支部ごとに説明テーブルを設け、日本旅行のセールス担当者と個別面談する方式。施設側は一般団体、教育旅行、MICEなど、担当者のセールスターゲットを踏まえ、「シルバー旅行用に椅子席宴会で好評」「スポーツ大会の各種競技場に近い」「インセンティブ旅行に毎年利用されている」など、自館の特長や受け入れ事例をアピールした。
事業は日本旅行東日本営業本部のセールス担当者会議に合わせて、昨年度から会議と同日、同会場で行っている。
鬼怒川温泉ホテルが「My鍋まつり」
自分好みの鍋が食べ放題
栃木県日光市の鬼怒川温泉ホテルは3月22日に創業80周年を迎えるのを記念して「My鍋まつり」を2月1日から3月22日まで開く。
鍋ブッフェコーナーで自分好みの鍋を作って食べ放題という宿泊プランが、1泊2食付き1人1万500円から。夕食のみの場合は大人5250円、小学生3675円。食べきりサイズの一人前鍋を用意。「女性でも3種類以上の鍋料理を楽しめるはず」と同ホテル。
選べるオリジナルスープは8種類。昆布だし、ピリ辛スープなどの他に、女性を意識して、ヒアルロン酸入り塩味スープ、コラーゲン入り味噌スープをそろえた。
野菜ソムリエが考案した20種類の“美容・健康鍋”のレシピを準備。鶏つみれ鍋、カニ鍋、鱈ちり鍋などの定番鍋のほか、トマト鍋、チーズカレー鍋、豆乳キムチ鍋などの珍しい味覚も提供する。鍋ブッフェ以外に50種類以上のブッフェ料理とデザートも楽しめる。
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