観光庁の観光圏整備事業の対象エリアである青森県十和田地域で、広域観光の取り組みが本格化している。官民が連携して新たに着地型旅行商品を紹介したパンフレットを制作したのに続き、圏内での着地型旅行を手がける3事業者が連携してネットワークを立ち上げ、旅行についての問い合わせなどを受け付ける窓口を設けた。これから迎える青森デスティネーションキャンペーンや東北新幹線全線開業後の本格的な観光シーズンに向け、幅広い層の観光客に訴求していきたい考えだ。
十和田湖周辺では、十和田市、八戸市、七戸町など4市4町が「新たな青森の旅・十和田湖広域観光圏協議会」を構成し、観光庁の観光圏整備計画の下、「新たな青森の旅・十和田湖広域観光圏」の整備を進めてきた。
一連の取り組みの中で、同圏内で着地型旅行商品の企画、販売を行う事業者に共通の課題が出てきたことから、1月28日、旅行主催事業者である十和田電鉄観光社、八戸観光コンベンション協会、十和田湖国立公園協会が「新たな青森の旅着地型旅行事業ネットワーク」を設立。商品化や商品の流通についての情報交換や協力を進めることを決めた。さらに同ネットワークの共通窓口も設置。首都圏の旅行会社から着地型旅行商品の手数料や契約について問い合わせがあった場合にも1つの窓口で対応できるようにした。
同観光圏協議会の事務局では、「自治体中心の協議会では商品の流通、販売などの取り組みにも限界がある。着地型に取り組む民間事業者が自らネットワークを組織したことは、当観光圏の着地型旅行商品の流通拡大につながる」と期待する。
これに先立ち1月半ばに同観光圏協議会では新パンフレット「感動ノオト 青森 十和田 八戸」を完成、県内外の観光案内所などで配布を始めた。同パンフレットは、周辺地域のスポットや体験プランの紹介と併せ、ネットワークに参画する3社による着地型旅行商品や旅行申し込み先の情報を掲載する。「見る体験」「入る体験」など5つのテーマごとに体験プランの検索もできる。併せて体験プランやエリア情報を提供するホームページ(
http://www.aomoritabi.jp)も立ち上げ、随時新しい商品を紹介できるようにした。
着地型旅行商品を掲載したパンフレットと掲載商品の流通、販売の窓口を整い、「実際に着地型旅行商品を買ってもらえるかが今後の課題」と同事務局。ネットワークには、第3種旅行業の資格を持つ宿泊事業者なども参画を予定しており、魅力的な商品の充実や流通方法の確立により、販売拡大を実現したい考えだ。