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インバウンド ■第2596号《2011年2月12日(土)発行》
韓国の九州訪問率が回復
日本政府観光局(JNTO)はこのほど、外国人旅行者の訪問先を把握する「訪日外客訪問地調査2010」の結果をまとめた。外国人旅行者に聴き取り調査を実施し、全回答者のうちどれくらいの割合が個々の地域を訪れているかを示す訪問率を算出。韓国人旅行者の訪問率は、09年に客数減少の影響を大きく受けた九州各県の回復が目立つ。中国人旅行者では、定番旅行コースのゴールデンルート上の地域や北海道の訪問率が伸びた。
2010年2〜10月の期間を冬、春、夏、秋の4回に分け、全国9カ所の空港や港から出国する計2万1342人から回答を得た。旅行目的は観光、ビジネスなど問わない。回答者に占める観光客は57.8%と過去5回の調査で最高だった。
外客全体の都道府県別の訪問率の上位5位までは09年から変動はなかった。トップの東京が60.3%で約3人に2人が訪れた。続いて大阪が26.1%、京都が24.0%、神奈川が17.8%、千葉が15.0%、愛知が10.9%、福岡が9.1%の順だった。
市場別にみると、韓国人旅行者では、3位までは東京、大阪、福岡で前年順位と変わらないが、大分が前年比5.9ポイント増の14.2%で6位から4位に、長崎が1.7ポイント増の6.2%で13位から11位に上昇した。奈良も2.1ポイント増の7.5%で12位から10位に上がった。
中国人旅行者では、大阪〜東京間を東海道沿いに移動するゴールデンルート上の地域の訪問率が大幅にアップ。中国は10年の訪日客数が過去最高で、初訪日の旅行者の割合が高かったのが要因とみられる。東京、大阪、京都、千葉、山梨、愛知は9ポイント以上伸びた。また、人気が持続している北海道が2.7ポイント増の11.6%で前年に続き8位に入った。
台湾、香港では訪問地の傾向に大きな変動はないが、台湾では立山・黒部の人気が高く、富山が初めて15位以内の14位に入った。
このほか、米国では観光客比率が高まったことなどから、訪問率2位の京都が4.8ポイント増の25.2%に上昇。シンガポールでは北海道の訪問率が主要17市場の中で唯一20%を超える24.1%を示し、東京、千葉に次ぐ3位で大阪を上回った。
都市別では新宿が1位
都市・観光地別の訪問率は外国人旅行者全体で、1位が新宿・大久保の34.8%だった。04年度調査以来、連続のトップとなっている。
2位は銀座・有楽町・日比谷28.4%、3位は浅草27.4%、4位は大阪市25.4%、5位は京都市23.6%だった。
都市部以外では、箱根が18位9.2%、富士山・富士五湖・富士急ハイランドが21位7.8%、札幌・定山渓が22位7.6%など。
百貨店協会、外客の言語対応で店頭実験
日本百貨店協会は3日、外国人観光客に対する接客サービスを強化しようと、タブレット型多機能端末を活用した実証実験を始めた。音声付きの指さし会話ソフトを使用し、来店客とのコミュニケーションをスムーズにする試み。37店舗でスタートさせ、順次50店舗まで参加を増やす。期間は5月15日まで。
NTTドコモの協力を得て、会話ソフトをインストールしたタブレット型多機能端末「ギャラクシー・タブ」を1店舗に付き2台ずつ配布。中国語、台湾語、韓国語、英語の接客に対応できる。
各店舗では外国人客の利用が多い総合案内やブランドショップなどの売り場に配置するほか、持ち運びに便利な端末であることから移動しながら積極的に接客に活用する。地図情報ソフトなどを活用した周辺案内にも利用したい考え。
期間終了後に利用状況を分析し、本格的な導入やソフトの改良などについて検討する。
実証実験のスタートは、中国などが旅行シーズンに入る春節(今年は2月3日)の大型休暇に合わせた。インバウンドのモデル地区に位置づけている北海道地区に関しては、2月1日に先行スタートさせたほか、2月末まではアップルの端末「アイ・パッド」も併せて配布して利用状況を確かめる。
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