帝国データバンクによると、今年1月の全国企業倒産(集計対象=負債額1千万円以上、法的整理による倒産)は976件、負債総額は2496億8400万円だった。件数は前月比、前年同月比とも2.8%増加し、前年同月比では1年5カ月ぶりの増加となった。負債総額は前月比15.1%増加したが、前年同月比では90.4%減少。3カ月連続で前年同月比減少した。
件数が増加した要因・背景として同社では(1)小売業が前年同月比23.0%の大幅増加。このうち飲食店、飲食料品小売などの食品関連で増加目立つ(2)負債規模別では5千万円未満が6カ月連続の増加など──を挙げている。
件数を業種別にみると、7業種中、4業種で前年同月を上回った。このうち小売が187件で、同23.0%増。7カ月ぶりに前年同月を上回った。不動産業も40件、同37.9%増と増加が目立った。建設業(221件、同1.8%減)、サービス業(179件、同10.5%減)などは減少した。
倒産の主因別では、販売不振、売掛金回収難などの「不況型倒産」が808件で、前月の799件、前年同月の777件を上回った。倒産全体に占める割合は82.8%で、前月比1.4ポイント減少したが、前年同月比0.9ポイント増加した。これで09年6月の81.2%以降、20カ月連続で80%台の高水準となった。
地域別では、9地域中、5地域で前年同月を上回った。中でも北海道(29件、同31.8%増)、東北(51件、同27.5%増)の増加が目立った。関東(409件、同6.0%増)は1年5カ月ぶりに前年同月を上回った。
負債総額は前年、日本航空など3社が負債2兆3221億8100万円を抱えて会社更生法の適用を申請したため、前年同月比で大きく減少した。
負債5千万円未満の倒産が487件で、6カ月連続の前年同月比増加。構成比は49.9%を占めた。半面、負債100億円以上の大型倒産は2件にとどまった。景気の緩やかな回復で大型倒産が沈静化しているが、小規模倒産が高水準で推移している。