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トラベル ■第2598号《2011年2月26日(土)発行》  

KNT、4期ぶりに黒字転換
 近畿日本ツーリスト(KNT)の2010年12月期(10年1〜12月)の連結決算は、経常損益が15億7100万円の黒字(前期は28億9100万円の赤字)だった。経常損益から税金や特別損益を差し引いた純損益も3億1400万円の黒字(前期は84億3300万円の赤字)で、4期ぶりの黒字に転換した。営業収益は予想値を下回ったものの、経常、純利益とも予想値を上回った。海外旅行を中心とした旅行売り上げの回復と併せ、年金制度改革の実施や諸経費の削減などが奏功した。

 本業のもうけを示す営業収益は前期比1.2%増の635億4400万円(前期は627億8500万円)、営業損益は同16億3600万円の黒字(同33億3900万円の赤字)。昨年8月発表の業績予想値に比べ、営業収益は5.2%、34億5600万円下ぶれしたものの、営業利益は16.9%、2億3600万円、経常利益は4.8%、7100万円、純利益は57.3%、1億1400万円上回った。

 平年度約20億円の費用削減効果が見込める年金制度改革や、個人旅行事業分野での不採算店舗71店舗の閉鎖などの各施策の実施のほか、営業費用を前期比6.4%、42億1600万円圧縮したことなども黒字化につながった。店頭販売部門であるKNTツーリストが8億円の増益、黒字化したのも奏功した。

 個別業績は経常損益が12億1100万円の黒字(前期は12億800万円の赤字)、純損益が3億5700万円の黒字(同78億5500万円の赤字)、営業収益が前期比0.9%減の511億3300万円、営業損益が12億9700万円の黒字(同18億6700万円の赤字)。

 個別業績のうち旅行分野の売上高は、3734億8200万円。内訳は、国内旅行が売上高2163億2500万円(前期比8.5%減)、営業収益325億4900万円(同7.4%減)、海外旅行が売上高1430億3400万円(同14.7%増)、営業収益154億3400万円(同13.0%増)、国際旅行が売上高83億3700万円(同36.5%増)、営業収益11億8900万円(同11.0%増)、その他が売上高57億8500万円(同12.2%増)、営業収益19億6千万円(同12.6%増)。

 11年は遠忌法要などの参拝旅行の取り扱いやスポーツを通じた地域振興事業に取り組むほか、個人旅行事業でのマーケティング機能の強化とインターネット販売の拡大を推進。併せて、固定費用の圧縮を進める。12月期の連結業績は、経常損益が前期比65.5%増、26億円の黒字、純損益が同599.4%増、22億円の黒字、営業収益が同2.8%増の653億円、営業損益が同46.7%増、24億円の黒字を見込む。

 個別業績予想は、経常損益が同89.9%増の23億円の黒字、純損益が同459.8%増の20億円の黒字、営業収益が同6.2%増の543億円、営業損益が同54.2%増の20億円。

 個別業績のうち旅行分野の売上高の予想値は、3860億円。内訳は、国内旅行が同2.3%増の2213億円、海外旅行が同3.5%増の1481億円、国際旅行が同22.3%増の102億円、その他が同10.6%増の64億円。



楽天トラベルの10年決算、売上高が21%増
発表する三木谷会長

 楽天が15日に発表した2010年度(1〜12月)通期決算で、楽天トラベルを中核とするトラベル事業は、売上高が前年同期比20.8%増の237億7900万円、営業利益は同16.9%増の102億850万円だった。楽天の三木谷浩史会長兼社長は決算発表の記者会見で「(トラベル事業は)成長の勢いが加速している」と述べた。

 楽天グループ全体の連結実績では、売上高が同16.1%増の3461億円、営業利益が同12.6%増の637億円、経常利益が同13.5%増の623億円となった。売上高と経常利益で過去最高を記録した。

 トラベル事業の予約実績は、総取扱額にあたる流通総額が同20%増の3660億円、予約泊数が同11.8%増の3400万泊。

 三木谷会長は楽天トラベルの今後の展開について「国内ホテル宿泊サイトから世界の総合トラベルサイトへと進化させる。じゃらんnetとの競争は強めていく」と強調した。



JATA、観光フォーラム・旅博のロゴデザイン決定
一般消費者向け

 日本旅行業協会(JATA)は、「JATA国際観光フォーラム・旅博2011」のロゴデザインを決め、16日に発表した。海外・業界向けと一般消費者向けの2種類がある。

 海外・業界向けロゴマークは、これまで国際会議のマークとして使用していたデザインに英文名の「JATA Tourism Forum & Travel Showcase」の略である「JTS」を組み合わせた。一般消費者向けは、「世界体感」のキャッチコピーを加えた。



主要旅行業61社12月実績

 観光庁が16日発表した主要旅行業61社の昨年12月の旅行取扱状況は、総取扱額が前年同月比3.5%増の4681億8964万円だった。3カ月連続で前年比増。内訳は、国内旅行が同2.6%増の2906億6267万円、海外旅行が同5.1%増の1729億1487万円、外国人旅行が同4.7%増の46億1210万円。国内旅行は3カ月連続で前年を上回った。

 国内旅行は、「北海道方面での落ち込みがあったものの、団体旅行、個人手配旅行が好調に推移」(観光産業課)。取り扱い56社中31社が前年超えした。

 海外旅行は取り扱い59社中33社が前年実績超え。

 外国人旅行は、12カ月連続で前年を上回ったが、尖閣諸島問題などの影響で伸び率が鈍化。前年実績を超えたのは、取り扱い38社中19社と半数にとどまった。

 旅行商品ブランドの取扱状況は、総取扱額が同4.5%増の1247億2871万円。このうち国内旅行は、同5.2%増の661億5769万円、海外旅行が同3.8%増の583億3526万円、外国人旅行が同14.2%増の2億3577万円。取扱人数は、国内旅行が同2.6%増の283万544人、海外旅行が同11.1%減の34万4066人、外国人旅行が同8.5%増の1万3049人。合計は同1.0%増の318万7659人。



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