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トラベル ■第2599号《2011年3月5日(土)発行》  

JTB、4〜6月に「日本の旬 東北」
各県ごとに地域魅力をアピール

 JTBは今年4〜6月に東北6県の地域活性化と国内旅行需要の喚起を目的としたキャンペーン「日本の旬 東北」を展開する。テーマは「『開花〜新緑』東北まるごと満喫」「自然・温泉・食」。JTBオリジナルイベント「杜の賑い青森」を開催するほか、個人商品すべてに特典付きパスポートを付けるなどして商品の魅力を高め、販売拡大を図る。

 日本の旬キャンペーンは98年から開催。東北では08年10月〜09年3月以来の実施となる。東北は昨年12月に東北新幹線が全線開業したほか、5日には新型新幹線「はやぶさ」の運行開始や青森デスティネーションキャンペーンの開催などで注目度が高いうえ、地元の観光関係者らの要望もあり、短いスパンで再開催することになった。

 日本の旬東北では、従来、同社企画旅行商品ブランド「エース」の商品を中心に出していた専用特典パスポートを手配旅行、ウェブ商品、るるぶトラベルでの申込者にも配布し、宿泊券の増売を図る。またテーマ性の高い、2次交通を絡めたオプショナルツアーの設定や岩手・中尊寺や山形・山寺など4カ所で無料ガイドプランも設定する。

 6月4日には地域の郷土芸能を一堂に集めた杜の賑い青森を青森県青森市の青森市文化会館で開催。イベントに合わせ、東北新幹線の団体臨時列車も東京〜新青森で運行する。

 期間中の東北への宿泊者目標は対前年7.3%増の48万人、販売額目標は5.8%増の52億円。

 キャンペーンに先立ちJTB東北(宮城県仙台市、小林滋男社長)は2月25日東京都内で、首都圏のJTBグループ販売店の担当者らを対象にしたキックオフミーティングを開いた。従来キックオフミーティングはキャンペーン対象地域内で行っていたが、今回は大商圏でJTBグループ社員に東北の魅力を訴えようと、初めて対象地域外の首都圏で開催。JTB協定旅館ホテル連盟の東北支部連合会のメンバーや自治体関係者らが一緒になって県ごとにPRのパフォーマンスを行ったほか、太田稔JR東日本鉄道事業本部営業次長が講演した。

 参加したグループ社員ら約400人を前にあいさつしたJTB旅ホ連の久保田浩基・東北支部連合会会長は、「08年に東北で実施した日本の旬が岩手・宮城内陸地震の影響などで残念な結果だったこともあり、今年はぜひ東北で開催してほしいと要請し実現した。今年は岩手・平泉の世界遺産登録も確実視されるなど明るい話題が多い。今年こそ東北に春が来るように皆さんの力を貸してほしい」と訴えた。

 高橋威男JTB常務取締役は「短時間触れただけでも『心がまあるく』させられる東北の魅力はすばらしい。日本の旬は10年度上、下期とも好調だったので、この流れを断ち切らぬよう、グループ社員が協力し合って取り組んでいこう」と呼びかけた。

 26日には、JTB協定旅館ホテル連盟の東北支部連合会会員約100人がJR上野駅で東北旅行のパンフレットを配布するなどしてPR。「伊達武将隊」のパフォーマンスや「男鹿なまはげ太鼓」の演舞などを行い、東北への旅行を呼び掛けた。



JRグループの「青森DC」、美・温・味を焦点に

 JRグループは2月24日、4月23日〜7月22日開催の地域活性化策「青森デスティネーションキャンペーン(青森DC)」の概要を発表した。県内の魅力を美しさ、温かさ、おいしさの3点に焦点を当てて県内外にアピール。2次交通の充実も図り、全線開業した東北新幹線や5日に運行開始の新型新幹線「はやぶさ」効果を最大限に活用し、送客拡大につなげる。

 県内6地域それぞれの「美」「温」「味」のコンテンツの魅力を掲載した同県観光連盟作成のガイドブックを配布。奥入瀬渓流、不老ふ死温泉など、同県の魅力を伝える5連ポスターも全国のJR主要駅に掲出し、キャンペーンを周知する。

 2次交通では、リゾートトレイン「リゾートうみねこ」をデビューさせるほか、観光周遊バス「びゅうばす」を8コース運行したり、定額観光タクシーを41コース設定したりする。「SL津軽号」などのイベント列車の運行も予定する。

 このほかハイキングイベントやスタンプラリー、フォトコンテストなども展開する。

 同県単独でのDC開催は初めて。大型キャンペーンとしても07年の北東北DC以来であり、観光力強化の契機としたい同県の期待は高い。24日会見した三村申吾青森県知事(写真中央右)は、「DCを契機に多くの人に来県してもらいたい。五感で魅力を感じ、青森ファンになってもらえれば」と期待感を語った。

 キャッチフレーズ、ロゴマークの「行くたびあたらしい、青森」は09年11月に、マスコットキャラクターのいくべぇは昨年2月に決定している。



日本旅行決算、3年ぶりに営業黒字
 日本旅行は2月25日、2010年度(1〜12月)決算を発表した。子会社を含めた連結では、営業収益が前年を1.7%上回る501億700万円になり、営業損益で6億600万円の黒字(前年は21億7400万円の赤字)を計上した。増収は4年ぶり、営業黒字は3年ぶりとなる。営業外収益を含めた経常損益は15億800万円の黒字(同12億4500万円の赤字)、法人税などを控除した後の最終損益は9億1800万円の黒字(同18億8100万円の赤字)で、営業、経常、最終のすべてが黒字に転換した。

 営業収益を前年から8億1600万円(1.7%)増やしたほか、営業費用を19億6400万円(3.8%)圧縮した。

 日本旅行単体の業績は、営業損益が3億100万円の黒字(同16億200万円の赤字)、経常損益が9億7500万円の黒字(同6億5700万円の赤字)、最終損益が6億5700万円の黒字(同10億6200万円の赤字)。

 単体の営業収益は前年比3.1%増の428億8400万円。このうち国内旅行は同3.7%減の267億2700万円。都市部での近郊宿泊や一般団体の取り扱い減少が響き、国内全体では前年に届かなかった。

 このほか海外旅行は同16.7%増の142億300万円、国際旅行は同14.7%増の12億2300万円、付帯事業は同19.6%増の7億2900万円と、国内を除く分野ですべて増加した。

 2011年度の連結の業績予想は、営業4億8千万円、経常11億5千万円、最終4億4千万円の各黒字。営業収益515億円。単体は営業3億円、経常8億7千万円、最終3億9千万円の各黒字。営業収益439億円。



ウィラートラベル、船旅サイトを開設
 ウィラー・トラベルは2月28日、全国のフェリーや船舶をオンライン予約できるポータルサイト(http://travel.willer.co.jp/ship)を開設した。フェリーなどの予約を手軽にできるサイトを開くことで新たな利用者層の開拓を進めるとともに、高速バスと船を組み合わせた旅行商品なども販売し、新しいスタイルの移動市場として育成していきたい考えだ。

 今年から3カ年計画で進めるフェリー・船舶による移動市場創造事業の一環。同社と提携する全国の旅客船事業者22社運航の33航路について予約、決済ができる。検索メニューでは、乗下船する都道府県や港のほか、エリア別の運航航路一覧からの検索が可能。航路や料金のほか、運航スケジュールや船の設備なども調べられる。

 バスとフェリー・船舶を組み合わせた商品は、東京〜北海道など長距離船舶を使った商品のほか、名古屋〜壱岐などの商品もラインアップした。

 4月には携帯端末からの予約サービスを始める予定。ウェブ乗船券やスマートチェックインの導入や離島航路などの短距離航路の拡充も進める。



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