旅館3団体(日本観光旅館連盟、国際観光旅館連盟、全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会)は15日、東京の全国旅館会館で震災対策の緊急会合を開き、被災者への客室提供や被災地の旅館・ホテルへの金融面などの支援、旅館・ホテル従業員の緊急雇用などの対策を決めた。
会合には全旅連から大木正治会長代行、小原健史顧問、井上善博青年部長、日観連、国観連の両専務理事らが出席した。
対策の柱は、被災者の支援と、被災地の旅館・ホテルとその従業員の支援。
被災者対策として、被災地に近い旅館・ホテルの客室を被災者向けに確保する。青森、岩手両県の被災者は秋田県、宮城県の被災者は山形県、福島県の被災者は新潟、群馬両県が受け入れるよう、各県旅館組合などに協力を要請する。全旅連の佐藤信幸会長は10万人分を確保したい意向を示しており、すでに新潟県は500室を確保している。
被災地の旅館・ホテルの救済策では、金融機関への借入の返済猶予や税金の免除、軽減を関係個所に要請する。15日には全旅連の大木会長代行らが厚生労働省、観光振興議員連盟の川内博史会長らを訪れ、陳情した。
被災地の旅館・ホテルには義援金を送る。旅館3団体の会長名で被災地を除くすべての都道府県旅館組合を介して、旅館・ホテルに募金を依頼。全旅連青年部でも部員を対象に義援金を募る。協力の要請文書は15日に発送。これら義援金は全旅連青年部が中心となり、1つの口座で一括管理する。義援金の振込先は、みずほ銀行町村会館出張所、普通預金2573786、口座名「全旅連義援金口」。
このほか全旅連女性経営者の会は、毛布、乾電池などの生活物資を被災地に送る。
被災した旅館・ホテルの従業員に対しては、被災地以外の旅館・ホテルが緊急雇用を行う。受け入れは任意だが、すでに国観連近畿支部と全旅連九州ブロックが受け入れを表明している。
会合は震災の対策本部との位置付けで、当面毎週実施。3団体の事務局で被災地の情報を収集し、情報を共有した上で業界挙げて対策に当たる。