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地域観光 ■第2608号《2011年5月14日(土)発行》    

伊豆観光推進協議会、宿泊4サイトと共同企画
告知イベントを開催(東京・有楽町)

 静岡県の伊豆観光推進協議会は4月28日、東日本大震災の影響で宿泊客が減少した伊豆エリアへの旅行需要喚起と被災地の東北地方を応援する企画「伊豆から元気を、東北へ」を、宿泊予約サイトを運営する大手4社と共同で始めた。伊豆エリアの宿泊施設で東北の地酒や食材、土産品を提供するプランを4社のサイト上で販売する。4社が特定の地域の活性化に向けて協力し、企画を実施するのは今回が初という。

 参画するのは、るるぶトラベルを運営するi.JTB、宿ぷらざを運営する日本旅行と、楽天トラベル、じゃらんnetの4社。

 宿泊プランでは、東北地方の販売店や酒造組合から直接買い付けた商品を利用する。

 宿泊キャンペーンのため同協議会と伊東温泉旅館ホテル協同組合は4月28日、各宿泊施設から注文を取った地酒や銘菓の東北への買い出しを実施。事前に伊豆の各地から集めた支援物資をトラックで福島県会津若松市の支援物資センターに運び込んだ後、空いたトラックの荷台に買い付けた商品を載せ、伊東温泉に運び入れた。

 同日には同キャンペーンの告知イベントとしてチャリティー抽選会を東京交通会館(東京都千代田区)で開催。伊豆半島内各地の無料ペア宿泊券35本や8温泉地の名産品を景品に用意した抽選会は人気を集め、1時間ほどで景品を出し尽くすほどの盛況ぶりだった。

 キャンペーン期間は8月31日まで。

 4社では今後も旅行需要喚起や地域活性化に向けた取り組みを検討するという。



大阪駅にステーションシティがグランドオープン
にぎわう「時空(とき)の広場」の入口付近

 JR大阪駅と南北の駅ビルで構成する「大阪ステーションシティ(OSC)」が4日、グランドオープンした。関西を代表する新たな観光スポットとして注目を集めそうだ。

 OSCは西日本最大のターミナル駅、JR大阪駅が約30年ぶりに改修され誕生した。北側に新たな駅ビルの「ノースゲートビルディング」を建設、南側の既存の駅ビルのアクティ大阪はリニューアルして名称もサウスゲートビルに改めた。

 駅ビルは大阪駅を挟んで南北にガラス張りの巨大ドーム屋根と連絡通路、橋上駅舎、広場などを設けた。大阪駅の3階部分にも新たな改札口を設け、私鉄や市営地下鉄との乗り換えの利便性も向上させた。

 広場は8カ所あり、待ち合わせ場所や展望フロアとして、大阪市内の景色や夜景も楽しめる。大阪駅も近未来的なデザインとなり、海外メディアには「空港のようだ」と紹介された。5階の「時空(とき)の広場」からは、発着する列車が鉄道模型のように見え、観光客の人気も高い。

 ノースゲートビルディングには、JR大阪三越伊勢丹と専門店街「ルクア」がオープンし、初日には約50万人が来店した。JR大阪三越伊勢丹と、さらに関西で最大級となる大型シネコンの「大阪ステーションシティシネマ」もオープンした。

 南側の駅ビル「サウスゲートビルディング」に入居しているホテルグランヴィア大阪もリニューアルを進めているほか、大丸三越梅田店は売り場面積を1.6倍に増床。テナントに人気キャラクターショップ「ポケモンセンター」も新たに入居した。

 16日からはOSCのガイドツアーもスタートする。8つの広場にある個性的な時計を紹介する「時計ツアー」などが設定されている。



酒田青年会議所、祭りのPR兼ね復興山鉾制作
JR新潟駅新幹線コンコースに展示されているのは「復興山鉾・東北魂」

 山形県酒田市の酒田青年会議所は東日本大震災の早期復興を願う「復興山鉾・東北魂」を制作、19日から始まる酒田まつりのPRを兼ね、JR新潟駅の新幹線コンコースに展示している。

 高さ約3メートルの山鉾は東北6県の形をしている。前面は「東北魂」の力強い文字が描かれ、後面には東北復興へのメッセージを入れている。また、両脇には6県の元気を表現する「ねぶた」「竿灯」などのまつりの絵を色彩豊かに描いた。

 酒田まつりは酒田市役所周辺を会場に、19日の宵祭りを皮切りに21日まで行われる。山鉾は20日の本祭りでも披露されるという。新潟駅の展示は15日まで。



山形庄内地方、都内で観光魅力アピール

 山形県庄内地方などの6市町村(鶴岡市、酒田市、三川町、庄内町、遊佐町、戸沢村)と庄内観光コンベンション協会(会長=榎本政規・鶴岡市長)は9日、東京都千代田区のホテルグランドパレスで、「がんばろう東北 元気です出羽庄内 キックオフ・ミーティング」を開いた。東日本大震災による自粛ムードの打破と、庄内地方の魅力PRを目的としたもの。首都圏の旅行会社関係者やマスコミ関係者ら約200人に対し、各首長らが庄内地方の安全と活気をアピール、誘客宣伝への協力を求めた。

 「東日本大震災では庄内にはこれと言った被害はなかったが、いまだ観光客のキャンセルが続いており、このままでは経済が委縮してしまう。まず庄内から元気を出すことで復興を後押ししたい。ぜひ力を貸してほしい」との榎本会長のあいさつに続き、地元バスガイド2人が地元伝統の「おばこ着」姿で、出羽三山や庄内映画村などのスポットや、日本酒などの食の魅力を庄内弁を交えて紹介。「きてくれのー」と愛嬌たっぷりに呼び掛けた。

 また6市町村の首長や商工会議所の会頭らが登壇、各市町村の魅力を「元気宣言」との形で発表し、元気と安全を出席者に向けアピールした。

 キックオフ・ミーティングには、山形県出身の舩山龍二日本観光振興協会副会長のほか、浅川修ANAセールス社長、清水愼一JTB常務らも出席。「震災から2カ月が経ち、観光業界としても具体的に動き出すべき時だ。東北にとって観光は非常に大きな産業。1人でも多くお客さまを送り、そして自分も行ってその良さを自分で見て感じることが大事だ」(舩山副会長)、「われわれは東北の皆さんを勇気づけなければならない立場だ。食や歴史、人情など観光素材が豊富な庄内にお客さまを送ることで復興の一助となる決意を、ここで行いたい」(浅川社長)などと力強いメッセージを贈った。




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