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旅館・ホテル ■第2610号《2011年5月28日(土)発行》
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ジャパニーズ・イン・グループ、復興へキャンペーン
ジャパニーズ・イン・グループ(福田金也会長)は11日、東京のホテルJALシティ田町で総会を開き、今年度事業で東日本大震災からの復興キャンペーンを行うことを決めた。訪日外国人を主な顧客とする同グループ旅館では、震災と原発事故で宿泊客数が激減している。キャンペーンで日本の安全性のアピールや、値打ち感のあるサービスを行うなどして、まず3カ月後に震災前の客数に戻すことを目指す。
名称は「東日本大震災復興『がんばろう日本』キャンペーン」。期間は5月から来年4月までで、観光庁、外務省、日本政府観光局(JNTO)が後援する。
事業では、日本への旅行の安全性を外国人にアピールする。全国に点在するグループ会員旅館に宿泊した外国人客の口コミで、日本の旅行環境の現状を発信してもらうとともに、会員旅館自らも地域の正確な情報を伝える。また宿泊客の多くがリピーターであることから、会員旅館からそれぞれのリピーター顧客にダイレクトメールやEメールを使い、訪日旅行を促す。
各施設では「2泊すれば3泊目無料」「宿泊料金○%割引」「郷土の土産品プレゼント」など、値打ち感のあるサービスを打ち出し、誘客に結び付ける。「今の時期に日本を訪問するとゆっくり観光ができる」などのアピールも行う。
これらの内容はグループのホームページで発信するほか、JNTOのサイトや海外事務所、国内のツーリスト・インフォメーション・センター、外務省を通して露出を図る。
さらに日本への渡航制限・自粛を行っている各国の政府に対し、自粛の軽減を促したり、日本政府に原発事故の2次被害を受けているとして、インバウンド業界に対して金融や税制面での支援を求める。
旅館の倒産件数、過去最悪
帝国データバンクによると、今年4月のホテル・旅館経営業者の倒産は16件、負債総額は156億400万円だった。件数は前月比6件、前年同月比5件の増加で、今年最悪を記録するとともに、同社が倒産の集計対象を法的整理のみに変更した05年4月以降で、07年3月と08年10月の15件を抜いて過去最悪となった。3月11日に発生した東日本大震災の影響が表れている。
負債総額は前月比64億2600万円減少、前年同月比119億200万円増加した。
倒産件数は今年に入り、すべての月で10件以上の2ケタを記録している。昨年2ケタを記録したのは3、4、11、12月の4回で、今年はすでに昨年の回数に並んだ。
負債総額は2カ月連続で100億円の大台を突破した。昨年、100億円を超えたのは11月の1回のみで、ここまで昨年のペースを上回る水準で推移している。
1月からの累計は、件数が前年同期比14件増の48件。負債総額が同273億1400万円増の472億6900万円。
日観連、特別プランで復興支援
日本観光旅館連盟(近兼孝休会長)は23日、東日本大震災からの復興につなげようと、「元気な日本宿泊プラン」キャンペーンをスタートさせた。会員の旅館・ホテルから集めた宿泊プランを日観連ホームページ(HP)「やど日本」に掲載。宿泊料金の一部を義援金とするプラン、被災者や復興ボランティアを対象としたプランなどを提供している。
会員から集めた宿泊プランの内容は、(1)復旧、復興に携わる企業の関係者やボランティアを支援するプラン(2)被災者を支援するプラン(3)宿泊料金の一部を義援金として寄付するプラン(4)観光を通じて被災地の復興や日本経済の活性化を応援するプラン──。スタート時は約100件のプランが掲載されている。
日観連では、「宿泊業界は、地震と原発事故による消費の自粛や風評により、国内外の旅行者が激減し、未曾有の厳しい状況にあるが、これからもホスピタリティあふれるサービスでお客さまをお待ちしていることをアピールしたい」としている。
日観連HP「やど日本」は、約3千軒の会員旅館・ホテルの情報を掲載し、直予約の機能を持つほか、各施設のHPにも誘導できるようになっている。2009年からは、ユニークな宿泊プランを集めたコーナーを設置している。
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