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地域観光 ■第2611号《2011年6月4日(土)発行》    

「新しい箱根をつくる」町長らが意欲
山口昇士町長はじめ観光団体のトップら

 神奈川・箱根町の山口昇士町長はじめ観光関係のトップが5月25日、東京都台東区の観光経済新聞社を訪れ、江口恒明社長、内井高弘編集長らと意見交換を行った。山口町長は東日本震災による旅行自粛の影響などに触れ、「震災で箱根全体が危機感を持った。皆で結束して、新しい箱根を作っていかなければならない」と意欲を語ったほか、湯河原、熱海ら有力温泉地と共につくる観光圏の取り組みや、ジオパーク認定への活動など、新たな魅力づくりへの取り組みなどを紹介した。

 本社を訪れたのは、山口町長のほか、数馬勝箱根町観光協会理事長(副町長)、榎本孝弘箱根温泉旅館協同組合理事長、勝俣正志同町企画観光部長、長田茂同町観光課長、村上政司同町観光協会専務理事。

 東日本大震災や、震災に伴う小田急ロマンスカーの運休により、首都圏を代表する観光地である箱根でも3、4月の観光客が激減。「皆が箱根の観光のためにどうすべきかを考える契機となった」(山口町長)。実際に、被災者受け入れなどの被災者支援や美術館による心の癒し活動などを通し箱根から日本を元気にしようという「箱根AIDプロジェクト」を、同町主導の下旅館組合など幅広い業種の事業者が参加して始めるなど、今までにない町一体の取り組みが出ているという。

 同町では今年、「箱根・湯河原・熱海・あしがら観光圏(ぐるっと箱根観光圏)」で入場施設の共通クーポンを商品化したり、来年度の世界ジオパーク認定のための整備施策を進めたりするなど、新しい魅力づくりを積極的に進める考え。

 数馬理事長は、「今まで箱根は常に『横綱』としてあぐらをかいていた。町がひとつにとは言い切れる状況ではないが、一体感を持って情報発信を行うなど協会がまとめ役になっていきたい」と力強く語った。



仙台市で7月に東北6大祭が競演
 宮城県仙台市は5月24日、東北6県の6つの夏祭りが競演するイベントを7月16、17日に仙台市内で開くと発表した。東日本大震災による風評被害や、自粛ムードによる観光客の減少に歯止めをかけ、夏の観光シーズンの誘客拡大を図るのが目的。6つの祭りが一堂に会するのは初めて。祭りを通し、「東北の元気」をアピールする。

 各県県庁所在市と各祭の実行委員会が同イベントの実行委員会を組織し、仙台市が展開する観光誘客キャンペーン「おいでよ 仙台・宮城、東北へ」の一環として実施する。

 イベントに参加するのは、青森ねぶた祭(青森県青森市)、秋田竿灯まつり(秋田県秋田市)、盛岡さんさ踊り(岩手県盛岡市)、山形花笠まつり(山形県山形市)、仙台七夕まつり、福島わらじまつり(福島県福島市)の6つ。各祭りが8月初めから始まることから、夏休みが始まる前の週に実施することとした。規模やイベント形態、費用負担などは今後つめる。

 同日記者会見した奥山恵美子仙台市長は、「ぜひ多くの方に来ていただき復興のために走り出した東北を応援してほしい」と語った。



秋田県、旅行業の送客に助成
 秋田県と秋田県観光連盟はこのほど、同県への旅行拡大を図るため、旅行事業者を対象とした送客助成制度を始めた。県内への宿泊旅行者1人あたり500〜2千円の助成金を出す。貸切バスを使ったツアーへの助成も別途設定した。同県は、東日本大震災の影響で旅行者が減少しており、旅館・ホテルなどの観光関連事業者の経営状況が悪化している。助成制度により旅行者数の回復を図り、県内観光を活気づけたい考えだ。

 同県では、ゴールデン・ウイークを含む5月中の送客拡大を図ろうと貸切バスを使った宿泊ツアーへの助成を行っており、今回の制度はそれに続くものだが、「バスツアー以外の送客を対象とした助成制度は初めて」と同県。

 同県は13年10〜12月のJRデスティネーションキャンペーンの実施地域に決定。今年も10〜12月のJRの重点販売地域であるのに伴い、10月から大型観光キャンペーンの展開を予定しており、助成制度でキャンペーン開始までに観光利用を回復したいとの考えもある。

 パンフレット作成やホームページのトップページへの掲載などの営業活動により宿泊客を送客した事業者を対象に、宿泊手配のみの場合は送客1人あたり500円、宿泊以外の手配も行った場合には、東北圏域(東北6県、新潟県)からの送客の場合1人あたり1千円、域外からの送客の場合1人あたり2千円を助成する。

 送客に貸切バスを使った宿泊ツアーに対しては、東北圏域発着の旅行商品の場合、バス1台につき2万円、域内発着で秋田県のバス事業者を利用する場合には3万円、域外発着の場合は5万円を助成する。

 対象となるのは、いずれも6月1日〜9月30日宿泊分だが、8月3〜6、27日は除外日となる。

 申し込み、問い合わせは、秋田県観光連盟(TEL018・860・2267、ファクス018・860・3916)。詳細は、同県観光ポータルサイト「あきたファンドットコム」内専用サイト(http://www.akitafan.com/agent/)。




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