加水、加温、循環を行わない「源泉かけ流し温泉」を地域全体で提供している9温泉地は1日、「日本源泉かけ流し温泉協会」を設立した。日本独自の温泉文化、湯治文化の魅力PRと源泉かけ流しの普及を進めるほか、増加する外国人観光客に対し、安心、安全な生の温泉を提供する温泉地としてアピールしたい考えだ。
加盟したのは、源泉かけ流し温泉の魅力PRに取り組んでいる、川湯・摩周温泉(北海道)、ぬかびら源泉郷(同)、高湯温泉(福島県)、奥塩原温泉(栃木県)、関温泉(新潟県)、野沢温泉(長野県)、十津川温泉郷(奈良県)、宝泉寺温泉郷(大分県)、長湯温泉(同)。温泉宿としては122軒。
同協会は源泉かけ流し温泉地が主体となって全国各地で開催しているイベント「源泉かけ流し全国温泉サミット」の主催団体として各温泉地を支援するなどして源泉かけ流し温泉の魅力発信と普及を進める。公式ホームページ(
http://www.gensen-kakenagashi.jp/)には、源泉かけ流し温泉や加盟温泉地の各宿泊施設を紹介するコンテンツのほか、各宿のサイトへのリンクも用意した。
6日に東京タワー展望台(東京都港区)で行った設立記者会見には、9温泉地の代表と松田忠徳名誉会長(札幌国際大学教授)らが出席。田花敏郎同協会会長(奈良県十津川村観光協会会長)は、「日本人の宝である『温泉力』で、日本を元気にしていきたい」と意欲を語ったほか、松田名誉会長は、「日本の温泉は『温泉気分』を楽しむだけのものだったが、健康増進など科学的な効果を求めるようになってきている。国際的に通用する安心、安全な温泉として源泉かけ流し温泉の魅力をPRしてほしい」と応援メッセージを述べた。
同協会では13年度をめどに会員温泉地を15カ所程度に拡大したい考え。1温泉地に1軒しか温泉宿がない温泉地の加盟も進める方針。かけ流しに取り組んでいない温泉地にある源泉かけ流し温泉の提供宿については、今後「準会員」などの形での参加を検討する。
入会等の問い合わせは、同協会事務局(TEL03・5295・2033)。