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インバウンド ■第2612号《2011年6月11日(土)発行》
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京都市など、アジア7紙に誘客広告
香港の新聞に掲載した広告
東日本大震災や福島第1原発事故などの影響で減少するアジアからの観光客を取り戻そうと、京都、大阪、神戸、堺各市と大阪観光コンベンション協会は6日から順次、中国と台湾、香港、韓国の現地新聞に関西の安全をアピールする広告掲載を始めた。
中国の新民晩報、香港の東方日報、台湾の自由時報、韓国の東亜日報など7紙に掲載する。文面は現地語(中国語簡体字・繁体字、韓国語)で、タイトルは「心と手を繋いで、希望の満ちた復興の道へ」とした。
広告は復興支援に感謝するとともに、「関西各都市は被害は全くなく、すべて安全に通常通り機能している」と強調。その上で「今後も観光推進に努め『観光で日本を元気にする』ための中心として関西が一丸となり、日本の復興に貢献していきたい」とし、関西への観光を呼びかけている。
JATAとANTA、東北の食材で中国訪日団を歓迎
都内で開かれた夕食会
日本旅行業協会(JATA)と全国旅行業協会(ANTA)は1日、東京都内のホテルで、東日本大震災の復興支援を目的に来日した中国からの訪問団を歓迎する夕食会を開いた。邵●偉(●=王へんに其)・国家旅遊局長をはじめとする観光行政幹部や旅行会社の幹部ら約100人を招き、友好を深めた。
JATAの金井耿会長は、中国からの震災に対するさまざまな支援に感謝するとともに、「皆さまの訪日が復興に取り組む私たちの力になる。一部の地域を除けば、日本が元気であることを中国で広く発信してほしい」と訪日観光の回復に期待を込めた。
ANTAの二階俊博会長も「日本の観光は必ず立ち直る。日中の観光交流は双方向であり、来年の日中国交正常化40周年などでは中国に観光団を送り出したい」と述べたほか、夕食会の料理に東北の食材を選りすぐったことを説明し、風評の払しょくに理解を求めた。
夕食会のメニューには、東北産の野菜を使ったバーニャカウダをはじめ、岩手県の豚、宮城県のコメ、福島県の鶏などを使った料理が並んだ。
訪問団トップの中国の邵局長は「中国と日本は手を携えて東アジアの観光交流を推し進めなければならない。韓国を含めた3カ国の連携が世界の観光交流のモデルになるようにしたい」とあいさつ。中国旅遊協会の劉志江秘書長も「日中が協力すれば観光交流はすぐに回復する。日中関係は揺るがない」と強調した。
旅行者にカード配布 JATAとJNTOがキャンペーン
宮城・松島の写真を使ったカード
「ありがとう」「日本で再会を」。日本旅行業協会(JATA)と日本政府観光局(JNTO)は6日、東日本大震災を受け、「日本からの“ありがとう”キャンペーン」をスタートさせた。海外旅行に出発する日本人に、各国からの復興支援に対する感謝の言葉が入った絵はがきを配布し、旅先で外国人に手渡してもらう。合わせて訪日旅行を呼びかけるメッセージも記してもらい、インバウンドの回復にもつなげる。
絵はがきは1部3枚セットで20万部を作成。支援への感謝の言葉として8言語で「ありがとう」の言葉を入れた。日本での再会を願う文章も英文で記されている。
絵はがきには日本の代表的な観光地の写真を使った。写真の組み合わせは2種類あり、富士山を共通の1枚として、松島(宮城県)と仙台七夕(同)のセットと、天橋立(京都府)と清水寺(同)のセットがある。
旅行会社、国際空港、航空会社、JNTO海外事務所などを通じて旅行者に配布。例えば、旅行会社はパックツアーの参加者に配布し、旅先で交流した外国人に手渡す場面をつくる。経済団体などにも配布することを検討し、海外出張の際に商談相手に渡してもらえるよう呼びかける。
JATAの金井耿会長は「海外旅行に出かけていただくとともに、外国人に訪日旅行を呼びかけてもらう。旅行者1人ひとりに親善大使をお願いしたい」と述べた。JNTOの間宮忠敏理事長も「日本人1人ひとりが感謝と歓迎の気持ちを持つということが重要。双方向で観光需要を喚起する試みでもあり、日本観光を早期に回復させたい」と述べた。
絵はがきは6日から約2週間をかけて集中配布する。キャンペーンの実施には、成田、関西、中部、羽田の空港ビル会社が協賛している。
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