厚生労働省職業能力開発局は、ホテル業界で働く人々の職業能力評価の手法を体系化、解説したA4判の冊子「職業能力評価基準活用のために(ホテル業)」=写真=をこのほど作成し、日本ホテル協会などを通じて配布を始めた。
内容は「人材育成の必要性」「キャリアマップ」「職業能力評価シート」の3編から構成。キャリアマップでは、ホテル業における代表的な職種・部門である「宿泊」「レストラン」「宴会」の3つについて代表的なキャリアパスを示した。キャリアの道筋やスキル習熟の年数目安が一目で分かるツールとした。
職業能力評価シートはチェック形式の評価シート。宿泊、レストラン、宴会の各職種について、各人の担う職務に合わせてスキルの習熟度を把握することができるツールを目指した。
本冊子の全内容は、厚生労働省のホームページ(
http://www.mhlw.go.jp/bunya/nouryoku/syokunou/07.html)からダウンロードすることができる。特に職業能力評価シートはエクセル形式のファイルで取得できるため、各ホテルが個々の事情に合わせて自由にカスタマイズして活用することが可能だ。
中小企業が大部分を占めるホテル業界では、一部の大手ホテル会社を除くと、これまで従業員の育成評価制度が整っているとは言えなかった。厚労省では「これら無料で配布するツールを、各ホテルの人材育成に役立ててほしい」としている。