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ビジネス ■第2614号《2011年6月25日(土)発行》  

旅館・ホテル 節電に関心

 東日本大震災に端を発した今夏の電力不足問題。旅館・ホテルへの影響も避けられないが、リョケンが約60軒の旅館に節電対策を聞いたところ、「エアコン・空調の設定温度を上げる」「照明を間引きする」ことなどを考えていることが明らかになった。群馬県の温泉旅館の女将は「客商売だけに、過度な節電でお客様に不快な思いをさせては元も子もない」と述べ、対応には細心の注意を払いたいと気を引き締める。旅館・ホテルには例年にも増して、暑い夏となりそうだ。

 リョケンが実施したのは「今夏の節電対策に関する調査」。調査期間は5月21〜26日で、61軒が回答。内訳は小規模(30室以下)15.4%、中規模(31〜99室)46.2%、大規模(100室以上)38.5%。昨年夏の最大需要電力については、61.5%の施設が500キロワット以上と答えている。

 エアコン・空調設備については「設定温度を上げる」とした施設が44.8%でもっとも多く、設定温度の平均は27度だった。次いで「宿泊客に空調使用の抑制を依頼する」(33.9%)、「エアコン・空調機以外のものを利用する」(28.3%)の順。

 エアコンや空調機器の清掃、カーテンなどで日射を遮るといった対策はすでに行っている施設が多くある。

 「照明を間引きする」という回答は67.8%に上り、多くの施設がすでに実施している。「実施範囲の割合は平均17%、中には50%という高い割合で間引きする施設もある」とリョケン。実施予定で高かったのが「宿泊客への照明使用抑制の依頼」で、18.3%の施設が考えている。

 「LEDの導入など照明の入れ替えをする」は13.6%、自動的に最大電力量を調整する「デマンドコントロール装置を使用(導入)する」は13.6%だった。

 ピーク時の電力量を落とすため、自家発電の利用は有効な手段されるが「今夏に実施予定」「すでに実施中」と合わせて2割程度の回答にとどまっている。

 運営については、「入り込みに合わせて使用エリアを限定している」と答えた施設が61%あり、「実施予定」は6.8%だった。実施予定で多いのが「従業員ユニホームの変更」(22.4%)、「自販機の台数、照明、運転の抑制」(19%)など。

 リョケンは「節電への取り組み姿勢や考えをどのように表現し伝えていくのか、お客様との細やかなコミュニケーションがより重要になる」と話している。



5月のホテル旅館倒産、過去最悪を更新

 帝国データバンクによると、今年5月のホテル・旅館経営業者の倒産は20件、負債総額は129億4300万円だった。件数は前月比4件、前年同月比13件の増加で、前月に続き、2カ月連続で過去最悪(2000年以降)を更新した。「東日本大震災による自粛ムードなど、間接的被災が経営を圧迫した」(同社)。

 負債総額は前月比26億6100万円減少、前年同月比98億6500万円増加した。

 倒産件数は今年に入り、すべての月で10件以上の2ケタを記録。昨年11月から、7カ月連続で2ケタ台の高水準となっている。

 1月からの累計は、件数が前年同期比27件増(65.9%増)の68件。負債総額が同371億7900万円増(161.4%増)の602億1200万円。

5件、負債1.8億円 旅行業者の倒産
 帝国データバンクによると、今年5月の旅行業者の倒産は5件、負債総額は1億8400万円だった。

 件数は前月比2件、前年同月比3件のそれぞれ増加。

 負債総額は前月比1億4300万円減少、前年同月比1億6400万円増加した。

 1月からの累計は、件数が前年同期比2件増の18件。負債総額が同5700万円減の11億5100万円。




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