東京・東北電力管内の大口需要家に対する今月1日からの電力の使用制限で、緩和措置の適用を国に申請した旅館・ホテルは、6月末現在、宿泊団体に加盟する施設分で61軒であることが分かった。申請によって本来の削減率15%が10%に緩和される。
契約電力500キロワット以上の大口需要家には今夏、夜間〜早朝を除く平日を対象に電気事業法に基づく使用制限がかかるが、旅館・ホテルは、「人流等への影響が大きく、電力の使用時間帯が変えられない」として配慮され、申請すれば、削減率が10%に緩和される。
緩和を申請した旅館・ホテルのうち、宿泊団体に加盟する施設分は、観光庁で軒数を把握している。日本観光旅館連盟、国際観光旅館連盟、全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会、全日本シティホテル連盟、日本ホテル協会の5団体では61軒だった。団体非加盟分は経済産業省で把握しているが、25軒ほどという。
緩和を受けるには、適用開始日の14日前までに申請する必要があるが、7月1日以降でも認められることから、夏の旅行需要のピーク期に向け、これから手続きを行う旅館・ホテルもありそうだ。また、災害救助法の避難所に指定されている場合は適用が除外され、緩和の申請は不要となっている。