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地域観光 ■第2617号《2011年7月16日(土)発行》
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東北6県が都内の駅で物産市、味覚と観光PR
(青森会場)
(岩手会場)
(秋田会場)
(宮城会場)
(山形会場)
(福島会場)
各県が趣向を凝らした演出を行った
東北6県の物産市が東京都内の主要6駅で8〜10日に開催された。東日本大震災からの復興に向け、東北の味覚とその安全性を訴求するとともに、観光情報を発信して誘客を図るのが目的。各駅の特設会場では、夏祭りを実演したり観光キャラクターを登場させたりして人目を引き、「東北の元気」をアピールした。
東京駅での福島の物産市では8日、JTB協定旅館ホテル連盟福島支部の女将2人も応援にかけつけた。いわき湯本温泉・新つた女将の若松佐代子さんは「風評被害を払拭するため、福島は元気でやっていることを知らせたい」と話した。
福島県では、「来る人も、迎える人もハッピーに」を合い言葉に観光PR活動の「ふくしまハッピーデザイン」プロジェクトを7日に始動。その観光PR部隊「ふくしまHAPPY隊」の14人も、そろいの赤いはっぴを着て、チラシなどを熱心に配布した。
「福島の『福』は幸福の『福』とアピールして、福島の新しい魅力を伝えたい」と福島県観光交流局観光交流課副主査の大波秀和氏。
岩手県では、品川駅構内で「いわておかみ会」の大澤幸子会長(岩手湯本温泉・ホテル対滝閣)ら旅館女将4人が、県の職員やJR東日本の担当者とともにパンフレットなどを配布した。世界遺産への登録が決まった平泉もアピール。南部せんべいなどの特産品の販売も行った。
「みちのく観光物産市」は、東北観光推進機構が主催し、各県などが実施。このほか宮城県が池袋駅、山形県が新宿駅、秋田県が上野駅、青森県が秋葉原駅で物産市を開催。3カ所以上を回ると抽選で東北の特産品が当たるスタンプラリーも行った。
静岡県、震災対策で大型商談会を開催
かぐや姫クイーンの堀内理世さん(写真中央)らがPRした富士地区のプレゼンテーション
静岡県は7日、東日本大震災に伴う緊急誘客対策事業の一環で、首都圏の旅行会社などを対象とした観光商談会を東京都内のホテルで開いた。県内の自治体や観光協会、事業者など90団体158人が出展。旅行会社やメディアは91社162人が来場した。観光資源をアピールするともに、旅行会社への支援策や消費者向けのキャンペーンを紹介。震災で打撃を受けた観光の早期回復につなげたい考えだ。
首都圏で大規模な商談会を開くのは初めて。個別商談に先立つ説明会で岩瀬洋一郎副知事は「震災の影響でゴールデンウイーク前には約40万人の宿泊キャンセルが出るなど県内の観光業は厳しいが、誘客促進事業などを実施し、心からのおもてなしに努めている。この商談会を契機に本県の観光関係者とのネットワークをさらに強めてもらいたい」と訴えた。
観光資源は県内を4エリアに分け、地域のマスコットキャラクターや観光大使らを交えてアピールした。伊豆地区は修善寺温泉などの温泉地やみしまコロッケなどのB級グルメ、西部地区は浜松城の魅力や坊さん体験プログラム、富士地区は富士山にまつわるパワースポット、中部地区は静岡茶に触れる体験プランなどを紹介した。
注目の新施設も紹介。6月11日にJR静岡駅近くにオープンした「静岡ホビースクエア」は、プラモデルなどの模型産業が盛んな静岡の情報発信基地で、最新モデルなどを展示している。また、10月7日には大井川鉄道の新金谷駅(島田市)で蒸気機関車の進行方向を変える転車台が稼動を始める。
バスツアーに助成 宿泊者には特典も
静岡県観光協会は、震災の影響を受ける観光業の回復を目指す誘客促進事業として、旅行会社に助成金を交付する施策や宿泊者に特典を付与するキャンペーンを実施している。
県内バス事業者のバスを借り切ってツアーを実施する旅行会社には助成金を出している。県内に1泊以上宿泊する旅行者が15人以上参加することなどの要件を満たすと、バス1台当たり3万円(県内2泊以上は6万円)を交付する。交付期限は年内だが、事業予算の760台分2280万円に達し次第終了する。
旅行者に対するキャンペーンでは、県内に宿泊する個人、団体の旅行者が一部の交通機関を利用する際、料金が半額になるようにしている。伊豆半島を周遊できるフリーパス「伊豆ドリームパス」をはじめ、駿河湾フェリー、大井川鉄道の2日間有効フリーきっぷの各料金が対象。6月25日に開始し、9月30日まで。
ほんもの体験ネットワーク、沖縄で総会
沖縄県恩納村で開かれた総会
体験型観光の振興に取り組んでいる全国組織、全国ほんもの体験ネットワーク(代表世話人=新井徳二・南信州観光公社会長)の第11回総会が8日、沖縄県恩納村で開かれ、全国から39団体、80人が参加した。今年度の全国ほんもの体験フォーラムを12月に滋賀県で開催することなどが正式発表された。
フォーラムは、公開パネルディスカッションや分科会、体験ツアーなどを通じて体験型観光を考えるイベントで毎年開かれている。今年度は12月2〜4日の3日間、滋賀県で開催。近江屋ツアーセンター、滋賀県湖北観光連盟、三方よし!近江日野田舎体験の3団体が受け入れにあたる。
近江屋ツアーセンターの田渕正人所長は、「滋賀県は、まだまだ体験型観光に目が向いていない」と指摘した上で、「フォーラム開催を新たなスタートとし、地域住民に熱意を波及させたい」などと決意を述べた。
来年度のフォーラム開催地は徳島県とする方向でまとまり、次回の総会で正式決定する見込み。徳島県でのフォーラム開催は今年3月に予定されていたが、東日本大震災の影響で延期された経緯がある。
このほか、ネットワークの総合パンフレットを制作することを承認。12月1日には民泊を担う体験インストラクターの指導者講習会をフォーラムに合わせて滋賀で開くことを決めた。構成団体からは現状報告があり、教育旅行の課題などについての情報交換を深めた。
今回の総会会場の恩納村は、ネットワーク会員である沖縄体験ニライカナイの主な活動拠点。同団体は、サトウキビ収穫体験や伝統菓子作り体験などを商品化。教育旅行では年間約600校、8万人を受け入れている。総会開催に併せて、提供している体験プログラムの体験会も開かれた。
高知市に龍馬の生家セット登場、ふるさと博の新パビリオン
高知県で開かれている「志国高知 龍馬ふるさと博」のメーン会場、JR高知駅前のこうち旅広場に、新パビリオン「幕末志士社中」が9日にオープンした。「幕末三志士像」の除幕式も行われた。
オープニングセレモニー=写真=には、尾崎正直・龍馬ふるさと博推進協議会長(高知県知事)、松田清宏・四国ツーリズム創造機構会長(JR四国会長)、ゲストとしてNHK大河ドラマ「龍馬伝」に出演していた島崎和歌子さん、川岡大次郎さん、龍馬伝の題字を担当した紫舟さんが出席した。
幕末志士社中の目玉は、龍馬伝の撮影で使われた坂本龍馬の生家セット。初日の入場者数は約1600人に上った。
こうち旅広場に設置された幕末三志士像は、坂本龍馬、武市半平太、中岡慎太郎の3志士のレプリカ像で、高さは台座と合わせて約8メートルになる。
杉良太郎さんら、津軽・三陸鉄道を応援
乗客に手を振る杉さん(右)や伍代さん(右から2人目)ら
東日本大震災により観光客が減少している東北の鉄道を応援するイベントが6月28、29日に開かれた。俳優の杉良太郎さんや歌手の伍代夏子さんらが津軽鉄道と三陸鉄道の1日駅長を務め、鉄道職員や集まった数多くの沿線住民を元気づけた。
28日は津軽鉄道の津軽五所川原駅で、杉さんらと城之内早苗さん、大石まどかさんが1日駅長として活躍。鉄道職員に訓示した後、津軽中里駅までストーブ列車に乗り込み、ヒマワリの種を手渡しながら120人の乗客と触れあった。
翌日の三陸鉄道・宮古駅では、杉さんと伍代さんに加え、瀬川瑛子さん、山本譲二さん、元スピードスケート選手の清水宏保さんの5人が1日駅長を務めた。両日はコンサートも開催され、中泊町総合文化センターには700の座席数を超える1千人が、宮古駅前の会場では三陸鉄道開業以来という3千人が集まった。
イベントを主催した東北鉄道協会の三澤真一専務理事は「2日とも天候にも恵まれて盛況だった。今後もたくさんのお客さまが東北に来てくれるような仕掛けをしていきたい」と話している。
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