帝国データバンクによると、今年上半期(1〜6月)の全国企業倒産(負債額1千万円以上、法的整理による倒産)は5846件で、前年同期比2.4%(43件)減少した。ただ、前期(昨年7〜12月)比では3.1%(177件)の増加で、09年上半期以来、4期ぶりに前期を上回った。東日本大震災の影響や各種金融支援効果の一巡などで、第2四半期に前年同期比で増加に転じている。
負債総額は1兆6248億5800万円で、前年同期比60.9%減少。前期比も41.6%の大幅減だった。半期ベースで初の2億円割れとなり、過去10年で最少を記録した。大型倒産の減少で、負債の縮小傾向が続いていることが要因。ただ、負債5千万円未満の零細企業の倒産は高水準で推移している。
倒産件数を7業種別にみると、小売業を除く6業種で前年同期比減少した。ただ、前期比では建設業と運輸・通信業のみが減少で、ほかは増加している。
小売業は1040件で、前年同期比0.1%増。前期比では12.2%増加した。
サービス業は1085件で、前年同期比2.0%減少、前期比7.4%増加した。このうち「旅館、その他宿泊所」は82件で、前年同期比57.7%、前期比78.3%の大幅増だった。
建設業は1535件で、前年同期比1.0%、前期比3.2%の各減少。ただ、7業種のうち最も件数が多かった。
地域別では、9地域中、5地域で前年同期比減少した。前期比では4地域が減少した。
中部は885件で、前年同期比17.5%、前期比23.9%の各増加。半期ベースで、過去10年で最多となった。愛知県の建設業と製造業、静岡、三重両県の製造業などで増加が目立っている。
このほか北海道、中国の2地域で前年同期比、前期比とも増加した。
前年同期比、前期比とも減少したのは東北、近畿、九州の3地域。このうち東北は246件で、前年同期比7.5%、前期比17.4%、それぞれ減少した。
態様別では、破産が5423件で、構成比92.8%。会社更生法、民事再生法はそれぞれ4件、250件にとどまる。再建型手続きが困難な中小・零細企業による破産申請が高水準で推移している。