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トラベル ■第2619号《2011年8月6日(土)発行》  

エア系2社の下期商品、欠航時補償など充実
 エア系2社の下期国内旅行商品がこのほど発表された。震災による旅行需要の低迷が徐々に落ち着きつつある中、両社とも独自の取り組みで差別化を図り、需要獲得を狙った。このうちANAセールスでは帰着便が天候不良で欠航した場合の宿泊費補償サービスなどを開始。ジャルパックは10周年を迎えた東京ディズニーリゾート(TDR)関連商品に加え、注力の北海道方面でワンランク上の商品を投入した。

 ANAセールスが始めた宿泊費補償は個人型フリーチョイスプランなどが対象。1人1万円を上限に宿泊実費を補償する。このほか日程変更に伴う取消料の免除や、12歳未満の旅行参加者の急なケガなどによる旅行中止の場合の同行3人までの取消料免除なども始める。また従来は翌年3月までの設定だった下期商品の出発日を、全方面で5月まで延ばした。

 ANAセールスの国内旅行商品(ANAスカイホリデー、旅作)の販売目標人数は、対前年4%増の126万4千人。内訳は、北海道が20万8千人、本州が61万人、九州が14万6千人、沖縄が19万6千人。あなたび(宿泊券)が10万4千人。

 ジャルパックは上期同様に「記念日旅行」とTDR商品を核にするほか、スキーシーズンを迎える北海道への集客に注力する。北海道商品では新たに「ホワイトプレミアムコース」を設定。「小樽蔵群」などプレミアム感ある3宿泊施設を設定し、優雅な旅を提供する。25人まで乗れる貸切バスプランも新たに用意した。

 ジャルパックの国内旅行商品の販売目標人数は113万人で、「前年比100%超」(同社広報担当)。方面別の内訳は、北海道が22万7千人、東北、北陸、中部が5万3千人、関東が32万8千人、関西、南紀、山陰、山陽、四国が13万1千人、九州、奄美群島、屋久島、種子島が19万6千人、沖縄が19万5千人。



ANA、エアアジアとLCC設立へ
 全日本空輸(ANA)と、アジア最大の格安航空会社(LCC)であるエアアジアは7月21日、成田空港を拠点とするLCCを運営する共同出資会社「エアアジア・ジャパン」を設立すると発表した。成田空港を拠点とするLCCは初めて。成田空港の発着枠の拡大が計画されていることを受け、新規需要獲得などを図る目的。来年8月の国内線、国際線の就航を目指す。

 エアアジア・ジャパンの本社は日本を予定。資本金は50億円の予定で、出資比率はANAが67%、エアアジアが33%。エアアジアのブランドとサービスで運航する。

 8月中に会社を設立し、9、10月に事業許可を申請する予定。

 伊東信一郎・ANA社長は、「エアアジアのブランドやビジネスモデルとANAのノウハウを結集し、新しい旅のスタイルを作り出し、新規航空需要を創出したい」とコメントした。

 ANAがLCCの運営を手がけるのは、関空を拠点に来年3月の就航を目指している「ピーチ・アビエーション」に続き2社目となる。



はとバス、9月4日に「愛の告白ツアー」
 はとバスは9月4日、日本愛妻家協会(本部・群馬県吾妻村役場)と連携し、「もう一度、妻にプロポーズ大作戦。愛の告白バスツアー」を運行する。夫婦10組(20人)を無料招待、募集も開始した。

 当日朝、新宿を出発。嬬恋村の「愛妻の丘」にあるお叫び台で、「日ごろ言えない妻への感謝の気持ちや愛の告白をしてもらう」(同社)。その後、キャベツ畑に移動しキャベツ狩りを楽しんでもらう。夕刻、新宿着。「車中もサプライズ企画を用意する」と言う。

 無料招待の応募資格は当日に「愛妻弁当」を持参できることで、女性の応募も受け付ける。書類選考の上、決める。応募締め切りは8月8日。

 同社は「妻という、もっとも身近な赤の他人を大事にする人が増えると世の中はもっと豊かになる。世の中が元気で優しくなるようにという思いを込めた」と話している。



全旅、福島で復興支援会議
「営業所長の知恵を借りたい」と池田社長

 全国旅行業協会(ANTA)の事務受託会社である全旅(池田孝昭社長)は7月26日、原発問題の風評被害に見舞われている福島県の土湯温泉・山水荘を会場に、全国営業所長会議を「福島県復興支援会議」として開催した。北海道から沖縄までの営業所長をはじめ、来賓の衆院議員でANTA会長の二階俊博氏や福島県副知事の内堀雅雄氏らも含め約80人が出席。福島県の観光関係者から現況についての生の声を聞き、具体的な支援策を検討した。

 冒頭、池田社長は「旅行業を通じて地域を活性化しようと着地型旅行を進めている。どのようにしたら東北の力になれるのか。全国の営業所長の知恵を借り、今後の対策を練っていきたい」と開催趣旨を説明。続いて登壇した二階ANTA会長も「助け合いの精神で、旅行業は風光明媚な福島の地に1人でも多くの人を送ることが天命だ」と福島支援を訴えた。

 福島県からは佐藤雄平知事がメッセージで「実際に原子力災害のために立ち入りできないエリアは福島県のわずか5%ほどに過ぎない。福島が安全、安心であることを皆さん自身が確認し、1人でも多くの観光客を送客してほしい」と全旅、ANTAの協力を求めた。

 さらに東日本大震災による福島県の被害状況を福島県観光物産交流協会の黒澤文雄・観光部統括部長が報告。地域の復興活動の情報を掲載したサイト「応援ありがとう、がんばる福島。」も参照してほしいと要請した。

 このほか、福島支部の小林次郎支部長、土湯温泉まちづくり協議会の渡邉和裕会長、猪苗代観光協会の佐藤正会長らがそれぞれの立場で現況を述べ、支援を訴えた。



主要旅行業12社6月実績

 鉄道旅客協会によると、主要旅行業12社の今年6月の旅行取扱状況は、総取扱額が前年同月比14.9%減の2237億8483万円だった。内訳は、国内旅行が同14.0%減の1326億4309万円、海外旅行が同15.3%減の867億943万円、外国人旅行が同43.6%減の27億1605万円だった。3分野とも依然低調だが、特に外国人旅行の不振が目立つ。総取扱額で前年実績を上回ったのは、同5.0%増の京王観光のみだった。

 国内旅行は12社中11社が前年実績を割り込んだ。京王観光のみ同3.7%増と前年を上回った。

 海外旅行は全社が前年割れした。

 外国人旅行は取り扱い11社中、日本旅行、京王観光、西鉄旅行の3社が前年を超えた。

 今年4月からの累計は、総取扱額が前年同期比19.3%減の5939億3313万円だった。総取扱額が前年同期を上回る会社はなく、全社が前年比2ケタの減少。同43.9%減の読売旅行の低調が目立つ。

 内訳では、国内旅行が同20.3%減の3566億7292万円、海外旅行が同15.3%減の2265億9740万円、外国人旅行が同61.1%減の61億5314万円。国内、海外とも、全社が前年割れ。外国人旅行は、京王観光が同47.9%増で前年超え。



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