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旅館・ホテル ■第2620号《2011年8月13日(土)発行》    

じゃらんのフェイスブック無断作成、国観連がページ削除
 リクルートが運営する宿泊予約サイト、じゃらんnetが契約宿泊施設の承諾なしに交流型サイトのフェイスブック(FB)に“公式FBページ”を作成、公開した問題で、国際観光旅館連盟は2日、契約がある会員旅館のページの一括削除を同社に要請した。5日に削除完了の連絡を受けた。FBを独自にビジネスに活用しようという施設は増えており、削除の動きは広がりそうだ。今回の問題について宿泊業界には、「施設個々の販売戦略を損ないかねない問題」との認識が拡大している。

 問題の発端はじゃらんnetによる7月1日のページ公開。契約宿泊施設への説明は前日に送られたファクスだけだった。旅館・ホテルの公式FBページを利用し、じゃらんネットでの予約を誘発する仕組みではないのかなどの疑問の声が契約施設の間から上がった。

 契約施設の反発が高まる中、じゃらんnetは、管理画面で設定を行った施設のページだけを公開し、設定を行わない施設は非公開にする方式への変更を発表。7月14日にいったん全ページを非公開にした。非公開は閲覧表示されない状態だが、ページ自体は残ってしまう。削除は施設側が設定を行わないと実行されない。

 国観連では、近畿支部が先行して7月13日に契約がある会員施設のページの一括削除を要請。本部も他の会員施設の意向を確認した上で一括削除を要請した。じゃらんnetと契約がある会員のほぼ全施設が削除に賛同した。

 急速に普及したFBに精通する旅館・ホテルも多くはなく、当初は宿泊業界全般の反応は鈍かったが、全国旅館生活衛生同業組合連合会青年部が7月8日から全国3カ所で緊急セミナーを開くなどして問題点を提起した。国観連近畿支部も7月25日、リクルートの担当者を委員会に招いて事情を聞いた。

 宿泊業界には、宿泊施設の経営方針や販売戦略に沿って自ら運用すべき公式FBページのようなサービスを特定業者の主導で利用されてしまうことへの問題意識が広がっている。じゃらんネットの施設情報の利用に関する約款の見直し、関係法規の研究などが必要だとする声も高まっている。



ホテルニューアワジグループ、淡路島に新旅館オープン
1日にオープンした「渚の荘 花季」(露天風呂付き和洋室)

 兵庫県淡路島のホテルニューアワジグループ(木下紘一社長)は8月1日、新しい旅館「渚の荘 花季(なぎさのしょう はなごよみ)」(兵庫県洲本市小路谷)をオープンした。今年春に廃業した「四州園なぎさ」を買い取り、6月からリニューアル工事を進めていた。同グループで運営する旅館は、これで8施設となる。グループの高級タイプより価格を安く設定し、若い家族連れなど、若年層を取り込みたい考え。

 5階建てと6階建ての2棟(約4千平方メートル)からなる。6階建ての棟には露天風呂付き客室が16室。5階建ての棟には和室が12室。全室オーシャンビューで、インテリアは和モダン。寛ぎを意識したデザインで統一した。客室露天風呂には檜を使用している。

 2階はロビー階で、ロビーテラス、カフェ「はまあざみ」、色浴衣を貸し出す「浴衣ブティック」、1階にダイニング「安坐(あくら)」、展望浴室「風の音・波の音」を設けた。

 ロビーテラスは、海を一望できるオープンテラスが自慢。ダイニング「安坐」は居酒屋風で、肩の凝らない雰囲気を演出。淡路島の旬の食材を「新鮮・あつあつ・作りたて」をキーワードに提供する。

 隣のホテルニューアワジと連絡通路で結ばれており、グループホテルの大浴場の湯めぐりが無料で楽しめる。

 木下社長は「淡路島の季節の花を飾り、花でいっぱいの旅館にしたい。新旅館のオープンで(淡路島・洲本の)賑わいを維持し、魅力的な温泉地として盛り上げていきたい」と話している。



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