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旅館・ホテル ■第2626号《2011年9月24日(土)発行》    
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全旅連青年部、来年の全国大会は沖縄で開催
プレゼンを行う沖縄県の金城部長(左端)ら

 全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会(全旅連)青年部(横山公大部長=高知県・土佐御苑)は15日、山梨県石和温泉の銘石の宿かげつで臨時総会を開き、来年の青年部第21回全国大会の開催地を沖縄県に決めた。同県での開催は初めて。地元沖縄県と九州・沖縄ブロックの青年部員は「来年は沖縄の日本復帰40周年。(東日本大震災の)被災地から遠く離れた沖縄だからこそ届けられる元気がある」と、初の大会受け入れに意欲を示した。

 青年部の全国大会は隔年の実施。全国から約1千人の部員が毎回参加している。

 開催地決定にあたり、今年6月11日から7月6日まで、担当する委員会から全国都道府県部長に候補地を募ったところ、届け出たのは沖縄県だけだった。臨時総会で沖縄県部長らのプレゼンテーションを経て、出席した全国都道府県部長の全会一致で同県での開催を決めた。

 プレゼンテーションで永田祐介・九州・沖縄ブロック長(熊本県・蘇山郷)は「被災地から遠く離れた沖縄だからこそ届けられる勇気・元気があるのでは」、金城仁・沖縄県部長(ホテルサンパレス球陽館)は「来年は日本復帰40周年の節目の年。『ゆいまーる(助け合い)』『いちゃりばちょーでー(一度出会った人は皆兄弟)』の心で迎え、皆さまにとって実りある大会にしたい」と語った。

 大会は来年10月中旬から11月下旬の火曜または水曜日、那覇市内のホテルで開催する。

 臨時総会ではこのほか、利光伸彦・青年部特別対策顧問(和歌山県・大阪屋ひいなの湯)の副部長就任を決めた。利光氏は青年部緊急特別対策委員会専任の相談役を務めていたが、東日本大震災の発生や「フェイスブック問題」で同委員会の重要性が増したとして、対外的な活動ができない顧問から、副部長に立場を変えて対外折衝などに臨ませることにした。

 横山青年部長は、任期2年間の横山部長体制の集大成となる沖縄での全国大会について、「来年は沖縄にとっても日本にとっても大事な1年だ。全国の皆さんが集い、一丸となる大会になれば」と述べた。来賓から全旅連の大木正治会長代行、山梨県観光部の後藤雅夫部長、全旅連青年部の井上善博前部長があいさつした。



新潟県の旅館、「朝ごはんプロジェクト」開始
プロジェクトの趣旨を述べる新潟県旅組青年部の高橋部長
(左。中央は松之山温泉の柳氏、右はプロジェクトリーダーの井口氏)

 新潟県旅館組合青年部は13日、東京の表参道・新潟館ネスパスで、9月から11月までの3カ月間実施する「にいがた朝ごはんプロジェクト」の報道陣向け発表会を開いた。

 プロジェクトは、「新潟ならではの“最高の朝ごはん”を宿泊客に食べてもらいたい」との趣旨で、青年部が中心となり企画。新潟県産コシヒカリと、同県産の食材を使ったご飯に合う惣菜を県内13の温泉・観光地、115軒の旅館・ホテルで提供する。惣菜は地域にもともとあったものや、プロジェクトのため新たに開発したものなど様々で、それぞれの温泉・観光地が地域の統一メニューとして提供する。

 発表会で県青年部の高橋五輪夫部長(越後湯沢温泉・雪国の宿高半)は「日本には古くから育まれてきた地域の食がある。しかし、すべての宿が地域の食とともにあったわけではない。これからは地域色豊かなおかずでお客さまをおもてなししたい」と述べた。

 プロジェクトリーダーの井口智裕氏(越後湯沢温泉・HATAGO井仙)は「県内ではコシヒカリをおいしく食べてもらう工夫をあまりしてこなかった。産地で炊いた米を産地の食材と食べるのは理にかなった取り組み。プロジェクトを一過性のものとせず、継続実施していきたい」と述べた。

 13地域の中から、いち早く朝ごはんプロジェクトに取り組んできた松之山温泉の事例を紹介。同温泉の柳一成氏(ひなの宿千歳)が、4つの発酵食品を配合したオリジナルみそなど、四季折々のメニューを紹介した。

 プロジェクトの一環で、朝ごはんメニューを「ご飯の素」として商品化。宿の売店などで販売している。

 プロジェクトは今後、季節ごとに新メニューを開発するなどして、通年事業とする方針だ。



8月の旅館倒産、件数、負債額とも最少

 帝国データバンクによると、今年8月のホテル・旅館経営業者の倒産は5件、負債総額は13億2千万円だった。件数、負債額とも前月、前年同月を下回り、今年最少を記録した。

 倒産件数は3カ月連続の減少。前月を4件、前年同月を1件、それぞれ下回った。倒産件数の1ケタ台は2カ月連続で、今年2回目。2000年以降最悪だった5月(20件)をピークに2ケタ台が8カ月続いていたが、8月も1ケタ台にとどまった。

 負債総額は前月比88億3800万円、前年同月比26億7900万円の各減少。100億円未満となるのは今年4回目で、2006年8月の1億200万円以来の低い数字となった。

 1月からの累計は、件数が前年同期比33件増(54.1%増)の94件。負債総額が同475億1千万円増(139.4%増)の815億8900万円。



トップツアー旅ホ連、小冊子「学美宿」発行
小冊子の表紙

 トップツアー協定旅館ホテル連盟はこのほど、旅館の良さや魅力、楽しみ方などを紹介する小冊子「学美宿(まなびじゅく)」をまとめた。旅館や旅館でのもてなしの中に息づく日本の伝統文化などの情報を紹介することで旅館滞在の魅力を幅広い層にアピールし、旅館利用の拡大につなげたい考えだ。

 冊子では、旅館館内の装飾や部屋で出される茶菓子、館内で行われる餅つきなどのイベントなどに隠された旅館の女将の気遣いなどを紹介。日本旅館の部屋の間取りに込められた意味や温泉の正しい入浴方法、「宴会旅行」や「女子会」などスタイル別の旅館の楽しみ方、男女別の浴衣の着方などもまとめた。

 百瀬和磨常務理事は「近年は市場が変化し、伝統的な日本の旅館を知らない人が増えている。学美宿を読んで日本の旅館に隠されたもてなしの心や日本の伝統文化に興味を持ち、実際に足を運んでもらえるようになれば」と期待する。

 また小冊子を通して旅館独特の文化や雰囲気を伝えることで、今までにない利用者層の発掘にもつなげたい考え。年内には、英語、フランス語、韓国語、中国語などの外国語版も発行し、外国人旅行者の旅館利用も後押しする。

 学美宿は初版5万部作成。JATA旅博で配布するほか、トップツアー社員を通して全国に広く配布する。



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