日本政府観光局(JNTO)は5日、外国人向け総合観光案内所(TIC=ツーリスト・インフォメーション・センター)の運営を来年1月から三菱地所(本社・東京都千代田区)に委託すると発表した。開設場所は現在の東京・有楽町の交通会館10階から、同・丸の内の新東京ビル1階に移る。TICの運営委託は、独立行政法人に対する政府・行政刷新会議の事業仕分けを経てJNTOの直営廃止が決まったことから、委託先の選定が進められていた。
新TICの名称は「JNTOツーリスト・インフォメーション・センター」。運営は三菱地所に委託するが、JNTOの監督下にあり、中立的な観光案内所であるという位置づけは変わらない。現行の運営と同様に、英語、韓国語、中国語による観光案内を基本に、元旦を除き年中無休で営業する。
立地はブランドショップなどが建ち並ぶ丸の内仲通りに面した一画。三菱地所が運営する新東京ビルの「丸の内カフェ」の1階を改装して開設。2階のカフェもTICと連動させ、全国の観光情報を発信する拠点にする。JR東京駅や有楽町駅、地下鉄5路線の駅から徒歩でアクセスが可能。来年1月2日に開業する。
三菱地所は、丸の内地区で都市の国際競争力強化の一環として、都市観光拠点の整備を進めており、「日本の玄関口である丸の内にTICを設けることが、来訪者の利便性向上や日本の魅力発信の強化などに寄与する」としている。
TICの運営委託にあたってJNTOは企画競争入札を実施し、三菱地所を選定した。「利用者の利便性が大きくアップする。全国の外国人向け観光案内所ネットワークのナショナルセンターとしてふさわしい立地」と評価した。年間の委託費は約2千万円。当面の委託期間は2017年3月までの約5年間。
JNTOは、TICを訪れる旅行者を対象とした旅行動向のアンケート調査なども引き続き三菱地所と連携して実施していく予定。また、JNTOが指定している全国311カ所の外国人向け案内所「ビジット・ジャパン案内所」のネットワークを生かし、新TICから各地の情報発信も強化していく。