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ビジネス ■第2630号《2011年10月22日(土)発行》  
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JTB旅連事業、「トコジラミ駆除保険」発売

 近年、旅館・ホテルで宿泊客がトコジラミに刺される事故が相次いで発生している。駆除しようにも効果的な方法がなく、その費用は安くはない。JTB協定旅館ホテル連盟会員向けの保険を扱うJTB旅連事業は、こうした事態と会員からの要望を受け、12月1日始期契約の「トコジラミ駆除費用保険」を発売した。トコジラミに関する保険は初めて。

 トコジラミの発生で施設が損害を受けた場合の駆除費用や宿泊者への代替宿泊費用を対象とする。保健所に届け出るのが要件。保険加入には旅館賠償責任保険「旅館ホテルワイド保険」などの基本保険を補完する「災害費用保険」と「施設消毒費用担保特約」の加入が条件となっている。

 保険期間は12月1日から1年間。支払い限度は1事故300万円。保険料は年間70円×営業坪数。トコジラミ駆除の保険はかつてないため暫定的な保険料率で、来年12月以降に変更される可能性がある。

 南京虫とも呼ばれる体長5〜7ミリほどのトコジラミ。刺されるとかゆみが生じる。日本では普段目にすることが少なくなっていたが、「宿泊施設での発生がここ3、4年で多くなってきた」とJTB旅連事業。

 東京都でのトコジラミの相談件数を見ても、01〜05年は50件未満だったものが06年以降は60件超え。トコジラミ報道が増えてきた影響もあるというが、09年には165件へと急増、10年は245件に達した(都福祉保健局健康安全部環境衛生課の調べ)。

 どうやら近年、増加している外国人観光客がトコジラミを持ち込んできたようだ。オーストラリアやアメリカでも大発生し、観光業界に大きな影響が出ているとの報告もある。同時期にトコジラミが発生した複数の宿泊施設を調べたところ、いずれの部屋も同一人物が寝泊まりしていたと判明したケースもあった。

 その駆除についてJTB旅連事業は「専門業者に依頼するほかない。一度では完全に駆除できず、数回にわたることがあり、範囲や回数によっては費用が膨大になる」と話す。

 宿泊者の治療代に関しては、旅館・ホテル側に賠償責任が認められる場合に旅館ホテルワイド保険で対象となる。

 人が運んでくるトコジラミ。宿泊客の身体検査をするわけにもいかず、防ぎようがないだけにやっかいな問題だ。



リョケン「大学セミナー」、12月に稲取温泉で開催
 コンサルタントのリョケンは12月13、14日、静岡県稲取温泉の「食べるお宿 浜の湯」で今年2回目、通算147回目の「旅館大学セミナー」を開く。年末恒例の来年の「旅館の経営指針」を発表するほか、会場となる浜の湯の経営戦略を講演と視察で学ぶ。旅館経営者、幹部社員などを対象に受講者を募集している。

 来年の経営指針は、リョケン研究員が「来年の重要課題と進むべき方向」を提言するもの。来年のキーワードとともに発表する。

 浜の湯の事例は、「高単価販売を支える経営〜マンパワー戦略のすべて」と題して、高いサービスレベルの維持や、部屋出し料理にこだわる同館の戦略を鈴木良成社長と若手社員らがディスカッション形式で語る。

 今年リョケンが商品整備を手掛けた他館の事例も紹介する。

 受講料は2万6千円(ほかに宿泊料など)。申し込みは12月9日までにリョケン(TEL0557・83・2120)。




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