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地域観光 ■第2638号《2012年1月1日(日)発行》
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ナショナルトラスト、東京駅で募金活動
東日本大震災で被災した自然・文化遺産の復旧に取り組んでいる日本ナショナルトラストは12月14日、JR東京駅構内で支援を呼びかける募金活動を行った。観光庁の溝畑宏長官や俳優の辰巳琢郎さんらが駆け付け、駅利用者に協力を求めた=写真。
呼びかけ人の1人、作家の森まゆみさんは「被災地の文化財がどんどん壊されつつある。重要文化財などの修復には補助金も出るが、所有者も負担しなければならず、その費用は決して小さくない」と述べ、募金を呼びかけた。
ふくしま観光交流大使を務める辰巳さんは募金とともに、「ぜひ足を運んでほしい」と東北への旅行を促した。また、福島県いわき市と関係の深い俳優の松方弘樹さんがサプライズゲストとして招かれ、応援メッセージを寄せる一方、募金活動を行った。
この日は福島県やいわき市の関係者も参加し、県内の観光パンフレットなどを配布した。
青森県観光連盟、新幹線全線開業1周年でキャンペーン
津軽三味線の演奏に多くの人が集まった
青森県観光連盟は12月16〜18日、埼玉県のJR大宮駅で東北新幹線全線開業1周年を記念したキャンペーン「行くたび、あたらしい。青森 観光PRキャンペーン」を行った。JR東日本の協力を得た。津軽三味線などの郷土芸能の披露や旅館女将らの観光PRのほか、特産のリンゴの配布などを行い、冬の青森への来訪を訴えた。
16日には小笠原裕・県観光連盟常務理事ら青森の観光関係者とJR東日本関係者らによるオープニングセレモニーを実施。セレモニーであいさつした馬場良夫・県観光国際戦略局長は東日本大震災の発生や4~7月に実施した青森デスティネーションキャンペーンを振り返った上で、「新幹線のダイヤ正常化などで、東北の元気をたくさん味わってもらえるような状況になった。冬の青森は寒いが、その分、人の心は温かい。『十和田湖冬物語』『八戸えんぶり』などの祭りも楽しめる。キャンペーンで冬の青森の魅力を一部でも感じてもらい、ぜひ青森まで足を運んでほしい」と来訪を訴えた。
イベントでは県内の観光キャンペーンスタッフや旅館女将が見どころなどをPRしたほか、県内の観光地や自慢の食などをパネル展示で紹介。また全国的に知られる同県の「不老ふ死温泉」「酸ケ湯温泉」の湯に直接触れる手湯コーナーなども設置し、魅力をアピールした。特産品の販売や観光クイズなども行い、多くの通行客がシジミやニンニクなどを使った商品を購入していた。
観光PRを行った石澤照代さん(花禅の庄女将)は「冬の青森は雪が多いが、2次交通もしっかり整備しているので、安心してたくさんの人に来てほしい」と笑顔で語った。
群馬県・観光国際、物産振興の2協会が合併、2月に新組織
調印式後握手する(右から)田村理事長、茂原璋男副知事、末村会長
群馬県の観光国際協会(理事長、田村亮一・中之条町観光協会会長)と物産振興協会(会長、末村重雄・高崎弁当会長)が合併し、2012年2月に「群馬県観光物産振興協会」として発足することが明らかになった。公益法人改革に伴う組織再編で、県は「観光と物産が一体となり、群馬の魅力をより効果的に発信できる」(観光物産課)としている。
12月12日、県庁で事業継承協定書の調印式が行われた。県によると、物産振興協会は解散し、観光国際協会が物産事業を継承した上で、名称を変更、新法人に移行する。1月に新役員による臨時会を開き、2月1日付で発足する。会長には田村氏が就く。
観光国際協会は07年、観光協会、観光開発公社、温泉旅館協同組合が国際交流協会に編入する形で発足。会員数は82団体。一方、物産振興協会は1961年設立。会員数69団体で、物産展の開催や県産品の紹介・宣伝、販路拡大などの事業を行っている。
奈良、和歌山県、復興をアピール
11年8月下旬から9月上旬にかけて紀伊半島を襲った台風12号豪雨。各地に大きな被害をもたらし、観光客も激減した。3カ月が過ぎ、「現状を知ってほしい」と奈良と和歌山両県の観光担当者が12月16日、東京・池之端の観光経済新聞社を訪れた。
訪れたのは、奈良県東京事務所主査の中野律也さん、同県十津川村役場観光振興課の松實崇さん、和歌山県田辺市観光振興課主査の赤嶋崇さん。
松實さんは、11月11日から十津川温泉郷が営業を再開したことや、観光客の入り込みを活性化させるため、旅行業者に「団体旅行誘致促進事業補助金」を交付することなどを説明し、送客をアピールした。
「11月30日に真砂充敏市長が大阪で会見し、観光安全宣言をした」というのは赤嶋さん。総額1千万円の被災復興観光キャンペーンを実施していることを挙げ「和歌山の元気な姿を見てほしい」と強調。
中野さんは1月29日に東京都内で開く、古事記完成1300年記念シンポジウムをPRした。荒井正吾・奈良県知事のほか、鳥取県の平井伸次、島根県の溝口善兵衛、宮崎県の河野俊嗣の各知事らによる「古事記ゆかりの地サミット」などが実施される。
下関市、スマホ活用し観光情報提供
「ふらっと案内」の画面
山口県下関市はこのほど、スマートフォンを活用した観光情報の発信を開始した。また、NHK大河ドラマ「平清盛」の放送に合わせ、2012年度の観光ポスターを制作した。
スマートフォンを活用した情報発信では、しものせき観光キャンペーン実行委員会が、ソフトバンク、NTTドコモ、auの携帯電話会社3社のアンドロイド端末とアイフォーンに対応したアプリ「ふらっと案内」を配信する。
ふらっと案内は、スマートフォンを利用して観光スポットの情報を配信するサービス。事前に調べていなかった観光スポットの情報を現地で取得できる。また、GPS位置情報を利用し、現在地からの距離、アクセス経路などが表示され、観光スポット周辺に不慣れな観光客に便利だ。
観光ポスターとのぼりは、「平家を愛した下関」をキャッチフレーズにしものせき観光キャンペーン実行委員会が制作した。ポスターは、関西圏を中心に集客能力の高い西日本のJR主要駅約350カ所に順次掲出する。のぼりは、平清盛の孫である安徳天皇を祀っている赤間神宮など市内各地に設置する。
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