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観光行政 ■WEB増刊号《2012年1月21日(土)発行》
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エコツーリズム大賞にNPO法人信越トレイルクラブ
環境省はこのほど、2011年度(第7回)のエコツーリズム大賞にNPO法人の信越トレイルクラブ(長野県飯山市)を選んだ。同クラブは第2回で特別賞、第4回で優秀賞を受賞しており、同省は「その後の3年間の発展的な取り組みが評価された」(自然ふれあい推進室)としている。
全国から63件の応募があり、審査委員(委員長・下村彰男東大大学院教授)による審査の結果、大賞1件、優秀賞3件、特別賞4件を決めた。
同クラブは、長野、新潟両県にまたがる関田山脈に埋もれつつあった旧道・古道を、多くのボランティアの手作業によって80キロのトレッキングコースに仕上げた。自然環境を保全しながらトレイルを整備し、自然と人とのかかわりを後世に伝えることを目的に活動している。
自主ルールの作成、案内板の設置による安全の確保、登録ガイドの人材育成などに取り組むとともに、トレイル全線においてモニタリングを継続実施している。年間ガイド派遣回数は200回、年間案内者は2300人人に上る。
「全国各地で設置の動きが高まるロングトレイルにとって、環境保全の体制、地域振興、協働型管理のモデル事例として高く評価される」(同)と言う。
優秀賞にはてしかがこまち推進協議会(北海道弟子屈町)、二戸市宝を生かした事業実行委員会(岩手県二戸市)、針江生水の郷委員会(滋賀県高島市)が受賞。
てしかがこまち推進協議会は組織内にエコツーリズム推進や人材育成などの部会を設け、エコウオークといった常設のプログラムの実施や人材育成に取り組んでいる。プログラムは改良を重ね、会員で着地柄型商品として販売することで、地域内での収益還元のシステムを構築している。
また、2つの委員会は第3回で特別賞を受賞しており、取り組みに対する評価が高く、今回、ランクが上の優秀賞に輝いた。
なお、特別賞の受賞団体は次の通り。
小岩井農牧(岩手県雫石町)▽エコロの森(富山市)▽飛騨里山サイクリング(岐阜県飛騨市)▽NPO法人桜島ミュージアム(鹿児島市)
観光庁の1万人招待事業見送り、財政当局が難色
観光庁の12年度予算案では、インバウンド回復の目玉事業として要求した「フライ・トゥ・ジャパン」事業(要求額11億8600万円)の予算計上が認められなかった。世界から外国人1万人を日本に招待しクチコミで情報を発信してもらう事業だったが、財政当局からは個人の旅費を負担することに難色が示され、実施が見送りとなった。
同事業は日本観光に対する安心、安全のイメージを回復させるのが目的だった。外国人は訪日旅行者の発信する情報を信頼する傾向が強いことから、旅行計画を審査した上で往復航空券を提供し、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)などによる情報発信を期待していた。
予算計上の見送りについて、観光庁は「事業の重要性は財政当局にも認められたが、予算の編成上、国の予算を個人の旅費に充てるのは難しいと指摘された」と説明。同事業は実施できないが、需要回復に向けた情報発信にはビジット・ジャパン事業のほか、新規に認められた東北・北関東インバウンド再生緊急対策事業を活用していく。
フライ・トゥ・ジャパン事業は、観光庁が概算要求に盛り込んで以降、海外のメディアに取り上げられるなど注目を集めていた事業だった。観光庁では、事業が実施されないことを日本政府観光局(JNTO)の海外向けウェブサイトなどを通じて告知している。
昨年7〜9月の国内観光宿泊旅行は14%増
観光庁はこのほど、旅行・観光消費動向調査の2011年7〜9月期の結果(速報値)をまとめた。観光を目的とした国内宿泊旅行の延べ旅行者数は前年同期比13.5%増の6246万人だった。東日本大震災の影響などによる需要の落ち込みから回復し、月別では7、9月は前年同月比で2割増だった。
国内宿泊観光旅行の延べ旅行者数は、7月が22.7%増の1720万人、8月が1.6%増の2661万人、9月が25.8%増の1865万人。7月以前の前年同月に対する増減は3月が21.6%減、4月が21.2%減、5月が6.4%減と前年を下回って推移し、6月が1.3%増だった。
国内日帰り観光旅行は、7〜9月が9.0%増の6516万人。7月が0.6%増の1742万人、8月が10.2%増の2577万人、9月が15.1%増の2197万人だった。
観光目的に加えて、帰省や出張を含めて旅行消費額を算出すると、国内宿泊旅行は単価が4万7454円で全体が5兆1400億円、国内日帰り旅行は単価が1万5632円で全体が1兆5300億円と推計された。
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