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インバウンド ■第2641号《2012年1月28日(土)発行》
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11年の訪日外客数は前年比28%減の622万人
2011年の訪日外客数は、東日本大震災や原発事故の影響を受けて、前年比27.8%減の621万9千人となった。日本政府観光局(JNTO)が20日、推計値として発表した。前年比の減少率としては過去最大の下げ幅だった。月別では4月に6割減に落ち込んだが、10月以降は1割台の下げ幅に縮小。全体としては震災の影響から順調に回復が進み、市場別では中国が11、12月にそれぞれ単月で過去最高を記録した。
前年比の減少率は、大阪万博開催による増加の反動を受けた1971年の22.7%減を上回った。震災発生以降の月別の減少率は3月が50.3%減、4月62.5%減、5月が50.4%減、6月と7月が36.1%減、8月が31.9%減、9月が24.9%減、10月が15.3%減、11月が13.1%減、12月が11.7%減。
市場別にみると、東アジアでは韓国が32・0%減の165万8千人、中国が26.1%減の104万4千人、台湾が21.6%減の99万4千人、香港が28.3%減の36万5千人。欧米などでは米国が22.2%減の56万6千人、豪州が27.9%減の16万3千人、英国が23.9%減の14万人。
訪日客数全体に占める構成比が最も多い韓国は、東アジアの中で最も回復が遅れている。9月以降も前年同月比で3割台の減少が続いた。原発事故に伴う放射能への不安に加え、大幅な円高ウォン安が影響した。
構成比2位の中国は、個人観光査証の要件緩和や低価格ツアーの販売が需要を喚起した。前年には尖閣諸島沖で中国漁船衝突事件があり、訪日客数が落ち込んでいたが、それを考慮しても急速な回復で、11月に35.0%増、12月には31.9%増を記録した。
JNTOの松山良一理事長は20日の記者発表会で、「訪日外客数は予想を上回るスピードで回復してきた。放射能に対する懸念が薄れるとともに、国を挙げて情報発信や招請事業などに取り組んだ成果が出た」と指摘した。
北海道、上海に事務所開設
北海道はこのほど、道産品の販路拡大や観光客誘致など、中国との経済交流の拠点にしようと現地事務所を上海に開設した。道の海外事務所の設置は、ロシアのユジノサハリンスク、韓国のソウルに次いで3カ所目となる。
事務所は、日本企業が多く進出している上海中心部にある上海国際貿易ビルの日中経済協会内に設置され、道職員1人と現地採用職員1人を配置。道国際経済室では「企業進出の支援、観光や物産の売り込みを積極的に進めたい。修学旅行など若い世代の交流にも力を入れていきたい」としている。
昨年12月15日に行われた開所式には、北海道から高橋はるみ知事や喜多龍二議会議長をはじめ経済団体幹部らが訪れ、現地関係者の出席のもとでテープカットを行った=写真。同日には、現地の流通関係者らを対象とした道産品試食会、旅行会社を招いた観光ビジネスミーティングを開催した。
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