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地域観光 ■第2642号《2012年2月4日(土)発行》
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栃木県の女将ら、国に風評払拭の対策を要望
観光庁の溝畑長官を訪問した栃木県の観光関係者
栃木県の観光関係3団体は1月25日、原発事故に伴う観光に対する風評被害の払しょくに国の支援策を要望した。旅館の女将を中心とする約30人が東京を訪れ、国土交通相、観光庁長官に要望書を提出。放射能に関する風評などの影響で宿泊客が落ち込んでいる地域の窮状を訴え、早期の需要回復に向けた対策を求めた。
要望書は、栃木県観光物産協会(小松正義会長)、栃木県旅館ホテル生活衛生同業組合(堀口眞利理事長)、観光栃木の魅力を創る女将の会(伴玉枝会長)の連名。
県内の宿泊客数は昨年のゴールデンウイーク以降、少しずつ回復しているが、年始などのトップシーズンを除くと、依然として例年の2割減。家族客の減少も目立つほか、県の北東部に位置する那須、塩原などはさらに状況が厳しいという。
要望書では、「栃木県の観光業界にとってまさに経営の危機と言うべき極めて深刻な事態が続いている。地域での対応には限界があり、国において国内外からの観光客の誘致促進を積極的に推進するなどの抜本的な対策が必要」と強調した。
国に求める具体策としては、風評被害の払しょくに向けた明確なメッセージなどの情報発信、イベントやキャンペーンなどの観光需要の喚起、外国人旅行者や国際会議の誘致などを挙げた。
小松会長、堀口理事長、伴会長、女将の会のメンバーらは、観光庁の溝畑宏長官を訪ねて要望書を手渡したほか、記者会見を開き、風評被害の現状などを訴えた。
鬼怒川温泉、花の宿松やの臼井静枝氏は「年始も3日を過ぎると静かになってしまい、苦しい経営が続いている。観光はすそ野の広い産業で、風評被害が県内経済全体に深刻な影響を及ぼしている」と指摘した。
塩原温泉、彩つむぎの君島理恵氏は「ホットスポットなどの放射能関係のニュースが流れるたびに栃木県全体に問題があるかのような印象を持たれてしまう。正確に情報が伝わるよう力を貸してほしい」と訴えた。
女将の会会長を務める本家伴久旅館の伴氏も「冬の栃木には冬祭りやかまくら祭りなどのたくさんのイベントがあり、それぞれに趣向をこらしている。お客さまに足を運んでもらえるよう支援をお願いしたい」と呼びかけた。
要望活動に参加した他の参加者は次の通り(敬称略、カッコ内は旅館・ホテル名)。
日光=赤澤峰子(奥の院ほてるとく川)、増田伸枝(梅屋敷旅館)、渡辺純子(湯乃家旅館)、成瀬亜希(奥日光ゆの森)、小林慶子(かつら荘)、増田秀美(ホテル高照)▽鬼怒川・川治=奥村恵子(静寂とまごころの宿七重八重)、小野夕里(鬼怒川パークホテルズ)、高橋真由美(ホテルサンシャイン鬼怒川)、高橋美智子(同)、船曳美恵子(宿屋伝七)、阿久津恵永子(鬼怒川国際ホテル)▽塩原=関スズエ(湯の花荘)、君島香(光雲荘)、田中志(湯守田中屋)▽那須=廣川登美子(松川屋那須高原ホテル)、広川美知子(中藤屋)、小貫トヨ(自在荘)▽黒磯=加藤のぶ子(源泉ほたるのゆ)、荻原里香(幸乃湯温泉)、室井節子(一井旅館)、室井美華子(心のやど江戸や)、白石多恵子(山本荘)▽宇都宮=福田泰子(ホテル丸治)
神戸に清盛関連の施設が相次ぎオープン
NHK大河ドラマ「平清盛」の放送に合わせ、清盛ゆかりの地である神戸に全国から観光客を誘致する目的で、神戸市などが展開している観光キャンペーン「KOBE de 清盛 2012」。その拠点施設、大輪田泊会場の「歴史館」(神戸市兵庫区)とハーバーランド会場の「ドラマ館」(同中央区)が1月21日にオープンした。開館は来年1月14日まで。
同日、歴史館でオープニング式典が開かれた。神戸観光をPRする「神戸・清盛隊」が演舞を披露。矢田立郎神戸市長、金澤和夫兵庫県副知事らがテープカットを行った。
矢田市長は「清盛は神戸の恩人。歴史館で清盛を知ってもらいたい。大河ドラマ放映に合わせて神戸に多くの皆さまを迎え、市民を挙げておもてなしの心を持ち、各地の取り組みを進めたい」と話した。
ドラマ館のオープニングセレモニーには、ドラマで清盛を演じる松山ケンイチさん、妻の時子役の深田恭子さん、ドラマのチーフプロデューサーの磯智明さんが駆け付けた。ドラマ館のオープンを記念し、松山さん、深田さんは矢田市長に来場記念パネルを贈った。
トークショーも行われ、松山さんは「清盛は日本の将来を見据えていた先進的な人間。前向きに生きている清盛を伝えたい」、深田さんは「清盛は破天荒で支える妻は大変だったと思う。強い女性を演じられれば」と話した。
入場料は歴史館が前売り200円、当日300円。ドラマ館はそれぞれ500円、600円。セット券は前売り600円、当日700円。
秋田県が都内で冬のキャンペーン、かまくらも登場
秋田県はこのほど、東京都千代田区の有楽町駅前広場で、秋田県の冬の誘客キャンペーン「こころもあったまる 冬の秋田路キャンペーン」の一環として、「かまくら点灯イベントin有楽町」を開いた=写真。同県横手市から運び込んだ雪で作った高さ3メートルのかまくらの点灯式も実施。本格的なかまくらがつくる幻想的な雰囲気に、多くの人が足を止め見入っていた。
こころもあったまる冬の秋田路キャンペーンは、首都圏でのPRイベントや特設サイトでの情報提供などを通し、小正月行事や雪祭りなど見どころが多い冬の秋田に足を運んでもらおうと実施している。かまくら点灯イベントin有楽町では、1基20トンの雪を使ったかまくらをステージ脇に2基設置したほか、バケツサイズのミニかまくらを周辺に並べた。
かまくら点灯式には、中野節秋田県副知事や小松田文夫横手市観光物産課長のほか、なまはげや頭巾と綿入れはんてん姿の東京都内の保育園児も参加。大きなかまくらとミニかまくらに明かりを付けると、都会的な街並みに新幹線が走る光景が広がる有楽町に雪国の幻想的な光景が広がった。
あいさつした中野副知事は、「かまくらは秋田の幻想的な小正月の行事で、水神さまを祀るもの。東北が津波や水害などの被害を受けた翌年ということもあり、今年は特に水人さまを大切にしなければならない年なので多くの人に来てほしい。かまくら以外にも秋田にはたくさんの冬の祭りがあるので、ここでその魅力の一部を知っていただき、実際に足を運んで、祭りを楽しみつつ東北の自然を味わってほしい」と呼びかけた。
「なまはげ太鼓」「西馬音内盆踊」などの郷土芸能の披露やB級グルメとして全国的に知られる「横手やきそば」の実演販売なども行い、秋田の食や冬の魅力をアピールした。
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