今年5月12日から韓国の麗水(ヨス)市で開かれる麗水万博(麗水国際博覧会)。経済産業省などは2日、「日本館」の出展概要を発表した。参加国として最大の約1千平方メートルのスペースに出展。麗水万博のテーマ「生きている海と沿岸」を踏まえ、東日本大震災の津波被害を経験した日本が、海の恵みと脅威に向き合いながら復興を目指す姿を展示物や映像で発信する。
麗水万博の会期は8月12日までの93日間。参加国は昨年11月現在で106カ国。展示面積の合計は25万平方メートル。会場の麗水市は、韓国南部の全羅南道にあり、人口は約30万人。麗水半島と300を超える島々で構成され、海上国立公園をはじめ豊富な観光資源も有している。
日本館の出展は、経済産業省が幹事となり、国土交通、文部科学、農林水産、環境の4省が副幹事、日本貿易振興機構が参加機関となる。出展テーマは「森・里・海、つながり紡ぐ 私たちの未来」とし、日本の文化や技術を生かした海との共生のあり方、震災からの復興を遂げる日本の力を発信する。
展示は、震災復興に対する世界の支援に感謝を表す入り口部分のほか、3つのゾーンで構成。「魚の木の『森』」ゾーンは三方の壁面全体に映像を映し出し、海と生きる日本人の暮らしや震災の状況を紹介。「『海(カイ)』の絵本シアター」ゾーンは、絵本をイメージした大型スクリーンを設置し、震災からの再生を描いたアニメを上映。「智恵と技の『里』」は、海を育む森の大事さに気づいた漁師の活動や日本の深海・海底調査の技術を趣向をこらして紹介する。
また、会期中には公式参加国ごとに特別行事を行うナショナルデーが設けられている。日本の「ジャパンデー」は6月2日で、文化公演やレセプションの中では東北地方の伝統芸能などを披露することも予定している。
2日、日本館の出展概要を記者発表した経産省の羽尾一郎・大臣官房審議官(商務流通・国際博覧会担当)は「関係省庁、民間を挙げたオールジャパンの態勢で日本の復興への姿を示す。震災後、最初に救助隊を派遣してくれた開催国の韓国をはじめ、震災復興に対する世界の支援に感謝を表し、今後の交流につなげていきたい」と述べた。
記者発表会には、麗水万博出展の日本政府代表の荒木由季子氏、日本館館長の町田克己氏らが出席。日本館を案内するアテンダントの制服も発表された。
日本館入場は整理券方式に 麗水万博
麗水万博の日本館は、入場に際して整理券方式を採用する。入場時間帯を記載した整理券を配布することで、待ち時間を解消する。
整理券は日本館前の指定エリアで当日の午前9時から配布。1人1枚、本人の受け取りで先着順となる。
整理券の詳細は、日本館公式ホームページ(
www.yeosu-expo-japan.jp)まで。