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トラベル ■第2645号《2012年2月25日(土)発行》
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KNTが中計見直し、14年度に経常37億円へ
近畿日本ツーリスト(KNT)はこのほど中期経営計画を見直し、17日にその内容を発表した。東日本大震災の発生による外部環境の変化と、昨年8月に発表の「事業構造改革の基本方針」に基づく今年1月の同社グループと本社の各体制の再構築を踏まえてのもの。箇所ごとの「自立経営」と「連携強化」の両立により安定した収益基盤を確立し、2014年度の連結業績で、営業収益665億円、営業利益38億円、経常利益37億円、純利益30億円の達成を目指す。
同社は10年8月に発表した「中期経営計画の見直し」で、13年度までの財務目標を設定=別表参照。13年度の営業収益を643億円、営業利益を54億円、経常利益を55億円、純利益を53億円、個別業績の売上高を3800億円としており、今回の見直しでは営業収益は7億円上方修正する一方で、営業利益その他については縮小する計画とした。
同社は1月から、東京、名古屋、大阪地区の旅行事業への集中化と、団体旅行、個人旅行部門の2大部門への再編、北海道、東北、中国四国、九州での各地域会社による地域密着営業体制の構築などにより、地域や事業の特性に応じた営業の展開と、営業力強化、効率化などを進めている。
発表の中期経営計画では、重点施策を「団体旅行」「個人旅行」「中国・アジアでの事業拡大」の3事業ごとに示した。
団体旅行分野では、組織再編での情報やノウハウの共有による営業力の強化のほか、主に大都市での法人・団体への提案型営業の拡大、教育旅行分野でのスポーツ・文化イベント関連旅行の需要開拓、スポーツを切り口とした地域振興・コンサルティング業務の取り組み強化を進める。
個人旅行分野では組織再編により「商品造成と販売」「店舗販売とウェブ販売」の一体運営を強化。新たな会員組織による新規顧客の獲得とリピート率の向上、ウェブ専用商品の充実によるウェブ販売の拡大、強化、収益性の低い店舗の撤退とコンサル機能充実による高収益商品の販売などに力を入れる。
中国・アジア事業については、現地提携先との商品開発で現地発海外個人旅行の需要獲得や、既存・新規拠点の強化、設置によるネットワークの充実を図っていく考えだ。
JTBパブ、ロッテ商品に桜情報、菓子から旅行需要喚起
旅行情報誌「るるぶ」などを発行するJTBパブリッシングは、菓子メーカーのロッテと組んで、桜の時期の旅行需要を喚起する。ロッテの菓子のパッケージに桜の名所の情報を掲載し、るるぶの公式サイトにも誘導する。ロッテも花見などで食べる菓子の需要を喚起できる。「春紀行」キャンペーンの名称で、3月6日から対象商品が発売される。
新製品を含む菓子6品のパッケージでは、JTBパブリッシングが監修した桜の名所の情報として、秋田県の角館武家屋敷、奈良県の吉野山、熊本県の熊本城など全国20カ所を紹介。全国の開花状況を発信しているるるぶの公式サイト「るるぶ.com」の情報も記載し、検索につながるようにする。
同時に、ロッテの菓子の購入者、JTBパブリッシングが発行する出版物の購入者それぞれに菓子のセットや旅行券などを抽選で贈るキャンペーンを行う。
20日、東京都内で開かれた発表会=写真=には、JTBパブリッシング出版事業本部国内情報部第二編集部の石川泰宏編集長(写真左)、ロッテ商品開発部の荒生均部長(同右)が出席。桜の名所となっている地域などのマスコットキャラクターもPRに加わった。
主要旅行業58社12月実績
観光庁が10日に発表した今年12月の主要旅行業58社の旅行取扱状況(速報)は、総取扱額が前年同月比5.5%増の5081億7536万円だった。5カ月連続で前年実績を超えた。このうち国内旅行は同3.4%増の3148億4138万円、海外旅行は同8.4%増の1871億1161万円。外国人旅行は10カ月ぶりに前年比増に転じ、同34.3%増の62億2237万円。
国内旅行は5カ月連続で前年実績を超えた。「全国ベースで回復基調」と観光産業課。前年実績を上回ったのは、取り扱い54社中29社で、11月よりも1社増えた。
海外旅行は取り扱い57社中前月より8社多い41社が前年を超えた。
外国人旅行は依然、一部で福島の原発事故の影響が残っているものの、「FIFAクラブワールドカップジャパン2011」などの開催が需要を喚起し、取り扱い37社中21社が前年を上回った。
募集型企画旅行は総取扱額が前年同月比7.6%増の1343億1803万円だった。内訳は国内旅行が同4.2%増の688億1947万円、海外旅行が同11.5%増の652億8999万円、外国人旅行が同16.5%減の2億857万円。
募集型企画旅行の総取扱人数は、国内旅行が同0.3%増の285万1091人、海外旅行が同12.0%増の38万5479人、外国人旅行が同23.2%減の1万68人で、総計は同1.4%増の324万6638人。
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