コンサルタントのリョケンはこのほど、全国の旅館・ホテルを対象に、震災以降の業績に関するアンケート調査を行った。昨年3〜12月の宿泊人員、日帰り人員、売上高の前年比について、7地域別に平均値を算出したところ、北海道・東北地域の宿泊人員が前年を大きく上回る一方、売上高は伸びが見られなかった。復興関連の受け入れで客数を伸ばしたものの、価格の下落で売上が伸びていないとの回答が目立った。
宿泊人員の前年比では、全国的に震災直後の3、4月は大きく落ち込んだが、5月のゴールデンウイークは比較的快調との回答が多く、6月以降は多くの地域で前年を上回った。
北海道・東北地域は復興支援団体の受け入れもあり、3月は前年同月比44.5%減とほぼ半減したが、4月に同24.1%増、5月に同48.8%増と大きく伸びた。6、7月も同40.5%増、同33.6%増に。8月は同1.8%減と低下したが、9月は同19.2%増と増加に転じ、以降12月まですべての月で前年を上回った。
半面、売上高は大きな伸びがみられなかった。全国をみると、5月の近畿・中国地域が同5.7%増と、西日本エリアから前年を上回る実績がみられたが、ほかの地域は6月まですべての月で前年を下回った。北海道・東北地域は客数が伸びた4月に同26.9%減、5月も同7.5%減と前年に届かず、7、9月の同1.5%増、同2.8%増を除けば12月まですべての月で前年を下回った。
日帰り人員は、宿泊人員に比べて若干早く回復基調に転じているが、多くの地域で8、12月などハイシーズンに前年を下回っている。北海道・東北地域は5月に同46.6%増など、5〜8月に前年を上回ったが、9月以降は減少に転じている。
調査は全国702軒の旅館・ホテルに行い、このうち102軒から回答を得た。