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地域観光 ■第2649号《2012年3月24日(土)発行》
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奈良県、「自慢の宿」認定へ
「お宿自慢」のプレゼンテーション
奈良らしい独自性のある宿泊施設にスポットを当てた奈良県の事業「奈良のお宿自慢」の公開プレゼンテーションが17日、奈良市の春日野荘で開催された。条件を満たす宿を認定し、良質な運営を行う宿は表彰する。
対象は県内の宿泊施設(旅館・ホテル・民宿など)で、「食・グルメ自慢の宿」「歴史・お宝自慢の宿」「お風呂自慢の宿」「風景自慢の宿」「建物・お部屋自慢の宿」「もてなし自慢の宿」「学生に人気の宿」「国際交流の盛んな宿」「ナンバーワンのある宿」「夏と冬に強い宿」「健康志向の宿」の11部門がある。
これら部門に101軒が応募。応募のあった施設は条件を満たしていれば、すべてお宿自慢の宿泊施設として認定される。今回のプレゼンテーションで部門ごとに優秀施設が選考され、6月に表彰式が行われる。
公開プレゼンテーションには、33軒がノミネートされた。旅館・ホテルの経営者や女将のほか、宿坊やゲストハウスなどの奈良らしい施設の担当者が自らの施設の自慢をPRした。
立教大名誉教授の前田勇氏、ジャーナリストでNHKアナウンサーの桐谷エリザベスさん、カメラマンでモデルの本堂亜紀さんらが、各自の視点と立場から審査を行った。
審査員の1人、中山悟・県観光局長は「各施設のプレゼンテーションから、奈良にある宿泊施設の潜在的なレベルの高さがうかがえた。奈良のお宿自慢に認定された宿泊施設はガイドブックに掲載し、奈良県版の“ミシュランガイド”となるように育てたい」としている。
東北観光観光回復へ、なまはげ立ち上げる
秋田県男鹿市の「なまはげ」が、東日本大震災の影響で需要が落ち込んでいる秋田の観光、東北の観光を回復させようと立ち上がった。東京都内各地に現れた21匹のなまはげは、恐ろしい形相で「東北に旅行に行かない者はいねがー」とすごみをきかせた。
男鹿市の観光関係者が14、15日に実施した観光キャラバンの企画。渡部幸男市長をはじめ、加藤義康・男鹿市観光協会長、大渕英悦・男鹿温泉郷協同組合理事長らも参加した。観光庁や旅行会社、台東区の浅草などで観光PRを繰り広げた。
なまはげは男鹿市に伝わる大晦日の伝統行事で、災禍を払い、訓戒を与え、福を祈念する「歳神」とされる。人々の祈り、自然への畏敬と感謝が込められ、震災復興の観光キャラバンにふさわしいとして起用された。
観光キャラバン実行委員会の山本貴紀委員長(元湯雄山閣専務)は「21匹ものなまはげが1度に見られる機会は本来なく、特別な企画だ。キャラバンを通じて東北観光博をPRし、来年秋の秋田デスティネーションキャンペーンに弾みをつけたい」と語った。
観光庁を訪れた際には、なまはげから溝畑宏長官に要望書を手渡した=写真。要望書では「東北に根ざす者として凄惨かつ激動の1年だった。男鹿市の観光産業も風評被害で壊滅的な打撃を受け、依然苦境にある。東北復興、観光振興に一層の施策を」と訴えた。
USJに家族向け新エリアオープン
大阪市のユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)は16日、新エリア「ユニバーサル・ワンダーランド」をオープンした。新エリアは小さな子供を中心に、家族で楽しめる。
約3万平方メートルの敷地はスヌーピースタジオ、ハローキティ・ファッション・アベニュー、セサミストリート・ファン・ワールドの3つのゾーンからなる。スヌーピーの形をしたアトラクション「フライングスヌーピー」やキティと写真撮影ができる「ハロー・キティのリボン・コレクション」など28施設がある。
14日に開催されたプレスプレビューには女優の江角マキコさん、子役の小林星蘭ちゃんが駆け付け、記念セレモニー=写真=を開催。江角さんは「1日では足りないくらい。小さな子どもたちでも安心して楽しめるエリア」、星蘭ちゃんは「フライングスヌーピーは本当に空を飛んでいるみたいで楽しかった。もっと遊びたい」と笑顔で話した。
神奈川県と4大学、観光立県の道探るシンポ開催
神奈川県内にキャンパスを構える松陰大学、東海大学、文教大学、横浜商科大学の4校と神奈川県で組織する「かながわ観光大学推進協議会」と国土交通省関東運輸局は16日、「かながわ観光大学シンポジウム 観光立県かながわの戦略を考える」を横浜中華街に位置するローズホテル横浜で開いた。
基調講演「かながわの魅力を考える」で黒岩祐治神奈川県知事=写真=は「神奈川をわざわざいってみたくなる“マグネット力”を持ったところにしたい」と話し、持論の「マグネット神奈川」を展開。また「黒川温泉は、このままでは地域がつぶれてしまうという危機感から、再生に成功した。横浜、鎌倉、箱根といった観光資源に恵まれている神奈川には、危機感が足りない」と警鐘を鳴らした。
須田寛JR東海相談役は特別講演「わが国の今後の観光と観光かながわ」の中で、「長い間、観光は物見遊山の遊びと一般認識されていたが、観光は文化経済事業であり、片手間ではできない」と観光の意義を強調。その上で、京浜工業地帯の工場夜景見学クルーズが大成功している例を挙げて、産業観光、街道観光、都市観光などのテーマ別観光や、体験型観光、学習型観光などの行動型ニューツーリズムといった「新しい観光」の開発の必要性を訴えた。
パネルディスカッション「観光立県かながわの戦略」には、須田会長、橋本亮二関東運輸局企画観光部長、鈴木真由美神奈川県観光課副課長、高井典子文教大学准教授が登壇。羽田耕治横浜商科大学教授がコーディネーターを務めた。このほか「かながわ移動観光大学」「観光分野に就業する若手・中堅人材交流」の今年度事業について各大学が実施報告を行った。
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