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トラベル ■第2649号《2012年3月24日(土)発行》
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山陽・九州新幹線が開業1周年、増発で利用拡大へ
山陽・九州新幹線が1周年を迎え、1日8往復増となる新ダイヤのスタートを記念し、17日、新大阪駅で式典が開催された。川上優・JR西日本常務執行役員近畿統括本部大阪支社長、福永剛・JR西日本新大阪駅長、辻治男・JR東海新大阪駅長のほか、南九州3県(熊本、鹿児島、宮崎)の観光関係者、観光レディが参加し、乗務員への花束贈呈やテープカットが行われた=写真。
川上優常務執行役員は「昨年は震災で大変厳しいスタートとなったが、予想を上回る数のお客さまに九州に旅行に行っていただいた。8本の増発を心から嬉しく思う。ますます新幹線を利用していただきたい」と強調。
3県を代表としてあいさつした伊喜功・鹿児島県大阪事務所長は「震災で一時はどうなるかと懸念されたが、地域差はあるものの、南九州は新幹線効果があり、デスティネーションキャンペーンでさらに効果が高まった」と述べた。
同日は新大阪駅在来線コンコースで3県の観光PRイベントも開催。各県の観光レディやゆるキャラが登場し、観光魅力を紹介。また、大阪駅の大阪ステーションシティでは「九州フェア」として17日に南九州観光PRイベント、17〜18日に産直市が開催された。
直通運転開始後1年間の利用状況は、JR西日本管内の指標となる小倉〜博多駅間で対前年同期19%増。九州方面へ向かう利用者の約4割程度が観光目的と見られる。同社管内から九州方面の個人型旅行商品の販売実績は、熊本方面は前年比5倍、鹿児島方面は15倍と大きく伸ばした。
直通運転開始による増収予想は年度当初で85億円を見込んでいたが、第3四半期決算時に165億円に上方修正した。
トップツアー、テーマ性の高い旅を提案
12人が参加した土井酒造場でのツアー
トップツアーがテーマ性の高い旅(SIT)に力を入れている。昨年積極的に展開したボランティアツアーを含め、SITシリーズをさらに充実させ、テーマについてこだわりや知識のある層の取り込みを図る。
同社では長年SITに力を入れてきたが、08年に石川邦大社長が就任して以降、高品質な商品づくりへのこだわりの1つとして、SITにさらに注力。ワインシャトーを走ってめぐる「メドックマラソン」に出場するなどのワイン関連ツアーや、全国や世界の自転車イベントや大会に参加するサイクリスト向けツアーなどを造成している。「SITのお客さまの知識は本当に深いので、旅行会社側も負けない知識と、その市場についての正確なマーケティング理解が必要。簡単に造成できるものではない」(橘田旦広報課長)が、ノウハウの蓄積や顧客層の要求に応えるこだわりのツアー内容や情報提供などにより、堅調に集客しているという。
日本酒コンサルタントの寺田好文氏とのコラボレーション企画として4年目を迎えたツアー「蔵元を訪れ美食を楽しむ日本酒の旅」も、一般には開放していない酒蔵を訪れたり、造りについて蔵元から直接話を聞いたりできることから、日本酒ファンのほか酒販店や料飲店の店主や料理人などのプロを中心に固定ファンを多く持つ。4日に催行した日本酒「開運」の蔵元・土井酒造場(静岡県掛川市)を訪れるツアーにもリピーターを中心に12人が参加。寺田氏から同蔵の酒造りの特徴などについて説明を受けた後、麹室の中などを見学した参加者からは、「大吟醸をしぼる時期に見学するなどの貴重な体験ができるのは、このツアーならでは。また来たい」などの声が聞かれた。
同ツアーは1〜3月の新酒の季節に毎年3回程度実施しているが、今年は造りの時期でない夏の時期にも夏ならでは蔵元見学ツアーなどを行い、日本酒に関心の高い層に訴求したい考えだ。
主要旅行業58社、1月実績
観光庁が12日に発表した今年1月の主要旅行業58社の旅行取扱状況(速報)は、総取扱額が前年同月比1.5%増の4026億1929万円だった。6カ月連続で前年実績を超えた。このうち国内旅行は2547億6226万円で同1.5%増、海外旅行は同1.4%増の1449億9521万円で、ともに6カ月連続の前年比増。外国人旅行は同9.4%増の28億6182万円で、2カ月連続で前年を上回った。
国内旅行は「全国ベースでは回復基調」(観光庁観光産業課)で、取り扱い54社中、27社が前年の取扱額を超えた。海外旅行は取り扱い57社のうち25社が前年超えした。外国人旅行は2ケタ増となった前月よりも増加幅は小さくなったが、依然回復基調。取り扱い35社中22社が前年を超えた。
募集型企画旅行は、総取扱額が前年同月比1.4%増の1070億4634万円だった。内訳は、国内旅行は同0.5%増の583億4213万円、海外旅行は同2.6%増の485億813万円、外国人旅行は同7.0%減の1億9608万円だった。
募集型企画旅行の総取扱人数は、前年同月並みの286万145人だった。内訳は、国内旅行が同0.4%減の251万8932人、海外旅行が同3.6%増の33万2795人、外国人旅行は同12.5%減の8418人だった。
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