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観光行政 ■第2650号《2012年3月31日(土)発行》    
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環境省、条件付きで垂直掘り容認、地熱発電開発加速か?
 環境省は21日、国立・国定公園内での地熱開発の取り扱いについて、地域での合意形成などの条件付きで第2種、第3種特別地域での垂直掘削や設備の設置などを認める方針を固めた。開発が予想されている周辺地域の温泉事業者などからは大規模開発推進への懸念が高まりそうだ。

 第2種、第3種特別地域については、原則として地熱開発を認めないとしたものの、(1)掘削や地熱開発事業者と地方自治体、地域住民、自然保護団体、温泉事業者などの関係者との地域における合意の形成(2)自然環境、景観および公園利用への影響を最小限にとどめるための技術や手法の投入、造園や植生等の専門家の活用(3)地熱開発の実施に際しての、周辺の荒廃地の緑化や廃屋の撤去などのミティゲーション、温泉事業者への熱水供給など、地域への貢献(4)長期にわたるモニタリングと、地域に対する情報の開示、共有──について取り組みが行われている事例については、特別地域内からの垂直掘削や地域内への設備設置を個別に検討する。また自然環境への保全などに影響がないとされる場合の傾斜掘削による開発については、個別に判断して認める方針とした。

 普通地域については風景の保護上支障がないものについては認める。

 このほか小規模な開発で風致景観への影響が少ないものや既存温泉水を使うバイナリー発電などで、開発エリア周辺のエネルギーの地産地消を目的とした開発については、自然環境の保全や公園利用への支障がないとされるものは普通地域、第2、第3特別地域でも認める方針だ。

 最も保護レベルの高い特別保護地域、それに準ずる第1種特別地域では傾斜掘削による地下利用も認めないとしたものの、地熱資源の状況把握のための調査については個別に判断することとした。

 これに伴い、1974年、1994年に発出した、国立・国定公園内での地熱発電事業の許可に関する通知は廃止する。

 環境省では2月まで、国立・国定公園内での地熱開発についての検討会を開き、第2種、第3種、普通地域への傾斜掘削を認める方向としてきたが、傾斜掘削の場合の掘削費用の増大などへの懸念から、垂直掘削も認める形となった。

 今回の方針決定について、地熱資源の有望地域とされる福島、山形両県にまたがるエリアの、地熱開発と温泉保護についての対策の検討などを行っている「磐梯・吾妻・安達太良地熱開発対策委員会」の遠藤淳一委員長(福島・高湯温泉、吾妻屋社長)は、「国のガイドラインや通知というものは、『交通整理』が目的のはず。しかし国が開発側の立場に立ち、一方通行のまま話が進んでしまっている」と指摘。第2種、第3種地域での地熱開発の条件については、開発事業者と地域自治体や住民の間での合意形成や、長期モニタリングと情報開示が盛り込まれたことに一定の評価をする一方で、「長期モニタリングを行っても、事業者側の一方的なデータでは全く意味がない。さまざまな立場の第3者機関などによるモニタリングの必要性、正しい情報の開示をこれからも訴えて行く必要がある」と語った。



厚労省、ホテル業向け「キャリアマップ」を公開
 厚生労働省職業能力開発局は30日、ホテル業向けの「キャリアマップ、職業能力評価シート導入・活用マニュアル」の公開をウェブサイト上(http://www.mhlw.go.jp/bunya/nouryoku/syokunou/)で始めた。

 同マニュアルの中で、ホテルニューグランド、パールホテル茅場町、三井ガーデンホテル銀座プレミア、大阪新阪急ホテル、芝パークホテルの5ホテルについて、具体的な取り組み事例を紹介している。

 厚労省は企業が人材育成に取り組むにあたり職業能力を客観的に評価するための「職業能力評価基準」を策定。この基準をより簡単に利用できるように「キャリアマップ」と「職業能力評価シート」を作成、公開している。今回の「導入・活用マニュアル」では、これらのマップ、評価シートの解説や、実際に導入して人材育成制度を整備する際のポイントと注意点を、課題別に5ホテルの実例を織り込みながらまとめた。



修学旅行HPコンクール、文科相奨励賞に新渡戸文化高
受賞校の教諭(前列)、中西理事長(後列中央)らが記念撮影

 全国修学旅行研究協会(全修協、中西朗理事長)は16日、東京のアルカディア市ヶ谷で第11回修学旅行ホームページコンクールの表彰式を開いた。最高賞の文部科学大臣奨励賞(大賞)は東京の新渡戸文化高等学校が受賞。このほか小、中、高等学校の各部門別優秀賞が決まり、表彰状、副賞が贈られた。

 コンクールは、全国の小、中、高等学校で2011年度に実施された修学旅行の中から、旅行内容や事前・事後学習、旅行を紹介するホームページの出来などで優れた事例を選び、表彰するもの。今回は全国から325校(小学校91校、中学校124校、高等学校110校)がエントリー。文科省、教育関係者ほか、近畿日本ツーリストの吉川勝久社長、観光経済新聞社の江口恒明社長らによる審査委員会が審査し、各賞を決めた。

 大賞の新渡戸文化高等学校は2011年度に沖縄へ4泊5日の修学旅行を実施。戦跡を巡る平和学習や離島での現地住民との交流を行った。「情報がていねいにまとめられ、全体として卓越した構想力が感じられ、印象に残るホームページ」「平和学習、現地での交流など目的、内容および事前事後学習がしっかりしている」など、旅行、ホームページの内容ともに高い評価を受けた。

 前年の表彰式は東日本大震災で会場(九段会館)が大きな被害を受け、開催できなかった。

 中西理事長はあいさつで受賞校を激励するとともに、昨年の震災にふれ、「協会では毎年『海外修学旅行安全セミナー』を開催し、『自分の身は自分で守る』ことを提案しているが、今回の震災で一層その必要性を感じている。自分の命を守り抜くための判断力と行動力の育成が欠かせない。その点からも、修学旅行は大切な学習の機会だ」と、改めて修学旅行の意義を強調した。

 受賞校は次の通り。

 文部科学大臣奨励賞(大賞)=新渡戸文化高等学校(東京都)▽小学校部門優秀賞=早島町立早島小学校(岡山県)▽中学校部門優秀賞=奈良市立興東中学校(奈良県)▽高等学校部門優秀賞=奈良県立十津川高等学校(奈良県)▽入選=小平市立小平第六小学校(東京都)、益田市立吉田小学校(島根県)、高山市立日枝中学校(岐阜県)、京都府立西舞鶴高等学校(京都府)



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