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インバウンド ■第2656号《2012年5月19日(土)発行》    
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被災3県訪れる中国人観光客に数次ビザ発給へ
 北京で開かれた日中韓サミットに際し、野田佳彦首相は13日、中国の温家宝首相と会談した。野田首相は、震災以降の日本への渡航制限の見直しを要請した上で、被災3県(岩手、宮城、福島)を訪れる中国人個人観光客に対し7月1日から数次査証(ビザ)を発給することを表明した。

 数次ビザは有効期限内であれば、何度でも日本を訪問できる。中国人旅行者の誘致を通じた東北のインバウンド観光の復興が期待される。数次ビザは昨年7月に沖縄への訪問を条件に導入されている。十分な経済力を有する者を対象として有効期間は3年。導入後、半年間で発給件数は約9千件に上っている。

 このほか被災地と中国を結ぶ航空便の再開についても要請。震災の影響で運休となっている福島〜上海便などの再開を求めた。

ビザの要件緩和 交流拡大に奨励
日中韓共同宣言

 日中韓3カ国は14日、北京で13日に開いた首脳会議の共同宣言を発表した。観光については、観光交流の重要性を確認し、人的交流の拡大に向けビザの要件緩和を奨励することを盛り込んだ。

 2015年までに3国間の人的交流規模を2600万人に拡大する目標の達成に向けてビザの緩和に加えて、姉妹・友好都市交流を拡大することを奨励した。

 また、日中韓の大学間の交流を強化する「キャンパス・アジア」の取り組みの着実な進展を歓迎し、さらに連携を深めて取り組んでいくことでも一致した。



関運局の今年度VJ地方連携事業は17事業に
 国土交通省関東運輸局は、外国人旅行者の誘致に向けて今年度のビジット・ジャパン地方連携事業をスタートする。韓国や中国などを最重点市場として17事業を行う。海外のメディアや旅行会社を対象とした招請事業を中心に実施し、関東地域の観光の魅力を紹介するほか、原発事故に伴う風評被害の払しょくにつなげる。

 地方連携事業は、運輸局と地方自治体、観光団体などが役割や経費を分担して実施する。海外メディアの招請事業などでは、招請者の選定や渡航費の負担を運輸局が担い、商談会の開催や宿泊費の負担は地元自治体などが行う。今年度の国費部分の事業費は約5400万円。

 中国のメディアや旅行会社、人気ブログの執筆者を招請する事業は、茨城・千葉エリア、北関東磐越エリア、富士箱根エリアで行う。観光やショッピングの魅力を紹介しながら、安心に旅行ができる環境をPRする。

 韓国のメディアや旅行会社を招請する事業では、主に20、30歳代の女性の誘致を目的として北関東(栃木、群馬、茨城)の旅館、温泉、グルメ、ショッピングなどを楽しむモデルコースを提案する。

 香港向けには、22日に開業する東京スカイツリーを目玉にした誘客事業も行う。訪日経験を持つリピーターをターゲットとして、メディアや旅行会社を招請。東京スカイツリーや周辺の下町の魅力を売り込む。栃木の温泉地なども紹介し、旅行商品化や認知度の向上を促進する。

 台湾を対象にした事業では、日光、草津、軽井沢などをつなぐ「日本ロマンチック街道」をPRするほか、群馬、埼玉に教育旅行を誘致するため、台湾の関係者の視察を受け入れる。



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