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インバウンド ■第2657号《2012年5月26日(土)発行》
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韓国の行政、団体、日本旅館に熱い視線
韓国の訪問団に応対する国観連近畿支部(左奥が西村支部長)
韓国文化体育観光部と韓国観光公社、韓国吉邸文化財所有者協議会が9日、国際観光連盟(国観連)近畿支部を表敬訪問した。韓国の伝統家屋「ハノク」(古宅)を多くの外国人観光客に利用してもらおうと、外客の受け入れに実績がある近畿の旅館経営者から経営やインバウンドの取り組みについてアドバイスを受けた。一行は3泊4日の日程で、大和屋本店(大阪市中央区)など、大阪と京都の旅館や民泊の施設を視察した。
訪問団は「韓国にはハノクを使った小さな宿泊施設がある。日本の旅館のように多くの外国人観光客に利用してもらえるように、今回、日本の旅館を学びに来た。近畿を選んだのは京都や奈良など歴史伝統文化で観光客を惹きつけている地域であるからだ」と話した。
国観連からは西村肇支部長、国際事業部の成世邦俊部長、増田友宏副部長、大和屋本店の石橋利栄女将が対応した。
ハノクは文化財で、施設の近代化ができないという話を受け、大和屋本店の石橋女将は「京都では同じような理由で古い旅館を料亭として営業しているところもある。飲食店としての展開はどうか。また宿泊客への魅力としてハノクで韓国の伝統料理を出してみてはどうか」と提案した。
インバウンドについては成世部長が「韓国にハノクという施設があることを知らなかった。日本など外国人観光客を増やすにはもっと情報発信を強化しないといけない」とアドバイスした。
ハノクが文化財として国から保護を受けていると聞き、増田副部長は「京都や奈良では建物すべてが文化財指定されていない。我々は国の補助を受けて営業していないので、保護された中での営業とは基本的な姿勢が異なる」と、ハノクと日本旅館の業態が異なることを指摘。
西村支部長は「ハノクが文化財として素晴らしいことは分かる。ただ高齢化が進むなか、多くの外国人観光客に泊まってもらうためには洋式トイレや空調の整備は必要だ」とアドバイスした。
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