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地域観光 ■第2659号《2012年6月9日(土)発行》
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福島県、旅行26社と誘客事業展開
福島県は今年度、旅行会社延べ26社と連携し、総合観光誘客事業「ふくしま応援観光誘客事業」を展開する。昨年来、団体客を中心に観光客の落ち込みが続いていることから実施するもの。観光イメージアップの取り組みや特定市場への誘客策の展開などに旅行会社と共に取り組むことで、前年のほぼ倍となる約120万人以上を県内に誘客し、同県の観光復興につなげたい考えだ。
同事業として「総合タイアップ誘客」「特定マーケット誘客」「風評払しょく調査」の3事業を展開する。予算額1億2600万円の単年度事業。内訳は3事業それぞれ4200万円。
総合タイアップ誘客は、不特定多数の一般観光客をターゲットに、旅行会社の商品造成やマスメディアを使った福島観光のイメージアップ、旅行会社の各店舗での観光キャラバンなどを通して同県への大量誘客を目指すもの。
特定マーケット誘客では、福島県への大量誘客が見込める、企業CSRなどの福島を応援するための観光旅行やMICE、震災関連の教育旅行などを想定。目的に応じた旅行の誘致のために、県職員が同行セールスなども行う。
風評払しょく調査は、首都圏を中心とする旅行会社に団体旅行などを多数実施してもらい、ツアー参加者に対しアンケート調査を行うことで、今後の風評払しょくのための取り組みにつなげる。
福島県では昨年から、市町村などが宿泊旅行者に対し、宿泊補助金などの直接のインセンティブ策を展開して誘客拡大に努めてきたが、宿泊補助金の場合、効果が予算内に限定され、波及効果が望みにくいとの課題があった。そのため特に落ち込みが続く団体旅行需要にピンポイントで働きかけられる上、予算以上の誘客効果が期待できるとして旅行会社と組むことにした。
同県観光交流課によると、福島県の2010年度の宿泊人数は、約1千万人泊。同事業は受託26社計で、宿泊が94万3千人泊、日帰りは32万9千人、合計で127万2千人の観光誘客を予定することから、宿泊客だけでも例年の1割弱程度の増加が見込めるという。
同県観光交流課の石本仁主幹は、「不特定多数だけでなく特定マーケットにも働き掛けることで、誘客効果がより期待できる。旅行会社とがっちり組んで、福島の観光のネガティブなイメージを払しょくすると共に、誘客拡大を実現していきたい」と意欲を語った。
総合タイアップ誘客はJTB東北、東武トラベルの2社が、特定マーケット誘客は日本旅行、トップツアー、クラブツーリズム、リクルートじゃらんの4社がそれぞれ受託。風評払しょく調査については、びゅうトラベルサービス、JTB関東、日本旅行、近畿日本ツーリスト(KNT)、KNT東北、トップツアー、名鉄観光サービス、リクルートじゃらん、阪急交通社、クラブツーリズム、農協観光、タビックスジャパン、東武トラベル、トラベルトーク、シダーリンクトラベル、日本之窓国際旅行、スタービジョン、太平観光、銀座プラネットサービス、ラッキートラベルの20社が請け負う。
北海道観光振興機構の観光モニター募集、8割の地域が受け入れ終了
パンフレット
北海道観光推進機構は1日から、道内に長期滞在する観光モニターの募集を開始したが、5日現在、対象32地域のうち、24地域で募集人員に達していることが分かった。「予想を上回る反響」(事業部)で、予定人数の1千人に達するのも時間の問題のようだ。観光地としての人気ぶりが改めて明らかになった。
道外からの観光宿泊客は団体旅行の低迷などから年々減少傾向にある。「しかし、最近は涼しい気候の中でゆったりと暮らせるように過ごせる、避暑滞在地として注目を集めている」という。
こうした背景もあり、北海道各地で長期滞在型観光地としての体制づくりを進めるため、実際に長期宿泊者をモニターとして呼び込み、受け入れ地の課題やニーズを分析、検証することにした。
受け入れ期間は7〜9月。道以外の日本国内に居住し、同機構が指定した宿泊施設(約160軒)に5連泊以上する観光客が対象で、モニターに選ばれると1人当たり3万円(中学生以上、3歳以上小学生以下は1万5千円)がキャッシュバックされる。
また、旅費(運賃、宿泊費)が5万円以上になることが要件で、宿泊時に渡されるアンケートに回答することも必要になる。応募の際は、モニター募集サイトから希望する地域と宿泊施設を選び、フォームに必要事項を入力して申し込む。
5日間どうして過ごすか悩む人のために、期間中のイベントや温泉、アウトドア体験、食といった滞在中の過ごし方も提案している。
地域は「さっぽろ広域圏」「阿寒湖温泉」「網走」など32カ所設定。受け入れ人数は地域によって異なるが、すでに受け入れを終了した地域も少なくない。「初日(1日)の段階で500〜600件の応募があり、遠くは沖縄からもあった」という。状況により、10月末まで期間を延長する場合もある。
映画「黒部の太陽」、44年ぶりに長野県大町市で上映
映画「黒部の太陽」のポスター(提供・石原プロモーション)
石原裕次郎や三船俊郎が主演し、黒部ダム建設の苦労を描いた映画「黒部の太陽」が9月から、舞台となった長野県大町市で上映される。これに合わせ、くろよん50周年記念事業実行委員会(会長・牛越徹市長)は、1人でも多くの人に観てもらいたいと、観賞チケットと市エリアの宿泊、黒部ダムの見学をセットにした旅行商品の造成、販売を旅行会社に呼びかけている。
この映画は1968年公開され、そのスケールの大きさから空前の大ヒットとなった。「映画は大きなスクリーンで観てほしい」という裕次郎さんの希望もあり、ビデオ化されていない。今回、裕次郎さん没後25年、原作者生誕100周年の節目に、この映画(完全版、上映時間3時間15分)が44年の時を経て蘇ることになった。
同実行委は石原プロモーション、チャンネル銀河などの協力を得て、2013年の「黒部ダム完成50年記念プレキャンペーン」の一環として、市文化会館で上演する。収益の一部は東日本大震災の義援金に充てる。
上映日は9月11、12、14、16、21、26、27日。チケット代は通常1千円だが、造成にあたっては販売手数料(15%)を実行委が負担する。また、添乗員(1ツアーに1人)のチケット代は無料で、当日専用チケットを渡す。「旅行商品用配券数は1日当たり800席を予定している」と実行委。
このほか、アルペンルートは2割引き、「黒部の太陽」のポスターやダム建設当時の写真も宣伝素材として提供する。
条件は市エリアの宿泊(1泊以上)と、ダムの見学(関電トンネルトロリーバス往復、または通り抜け)を組み込むこと。トロリーバス往復利用の団体ツアー(添乗員同行)に限り、ダム特別ガイドを無料で付ける。
専用申込書に必要事項を記入しファクスで送る。申し込み受付は7月10日。問い合わせは実行委(TEL0261・23・5633、ファクス0261・23・3378)。
東北観光推進機構がウェブサイト刷新、宿泊予約機能搭載
新サイトのトップ画面
東北観光推進機構は同機構運営の東北地方の観光ポータルサイトを一新し、1日から日本語版と海外4言語版からオープンした。東北の観光情報を機能的、魅力的に整理して掲載したほか、東北の旅館・ホテルの検索・予約機能を備えるなど、東北の観光情報の入手から旅の予約までをワンストップで行えるよう、利用者目線でリニューアル。新サイトを通して東北の観光の魅力を再発見してもらい、2度3度と来訪してもらいたい考えだ。
リニューアルしたポータルサイトの名称は「旅*東北」。4月1日に日本語版のみ先行稼働し、6月1日に英語、中国語簡体字、繁体字、韓国語についてもオープンした。
旅*東北では、広い東北をどう回ればいいのかを具体的に情報化して提案するため、ダイヤモンド・ビッグ「地球の歩き方」と連携し温泉や歴史など6つのテーマごとのモデルコース「2泊3日で回る東北観光モデルコース」を提案するほか、各県の観光スポット情報も紹介。特に食情報については、口コミサイト「食べログ」と連携して、各地の飲食店情報などを提供する。またコンテンツ管理システムを導入することで、スポット情報の更新などを同機構が素早く行えるようにした。
各種交通機関の予約サイトへのリンクを充実させた上、宿泊施設比較&検索サービス「旅くら」、訪日外客向け多言語宿泊予約サービス「JAPANiCAN」を搭載し、国内客、訪日客双方の宿泊予約需要にも対応。「サイト閲覧者に実際に東北に来てもらうための仕組みを整えた」と同機構。
ページ上部に配した旅*東北のロゴは、緑豊かな東北をイメージ。「旅」「東北」の文字の間のマークは、新潟を含む東北7県をイメージさせる7枚の花びらを持つサクラソウ科の植物「陸奥小桜(みちのくこざくら)」を基にしている。
同機構では今年2期目を迎える中期計画の中で12年度のサイト利用目標を100万ページビューとしている。今回のリニューアルで東北観光の魅力発信のポータルサイトとしての機能を強化し、利用拡大と東北への観光客の増加を目指す。
山形の旅館若手有志、横浜で観光PR
PR隊のメンバーら
「つばさ」に乗って、山形に。山形新幹線の一部列車が通常の半額の料金で乗車できることを多くの人に知ってもらおうと2日、山形県内の旅館関係者などの若手有志でつくるPR隊が横浜タカシマヤ(神奈川県横浜市)で観光PRを行った。浴衣姿のメンバーらは花笠のペーパークラフトなどを道行く人に配布するなどして、山形への来訪を呼び掛けた。
企画したのは、変若水の湯つたや(同県西川町・月山志津温泉)の志田美穂子さん。つばさが7月に開業20周年を迎えるのに合わせ、JR東日本が7月1〜22日に運行する一部列車の乗車料金を半額にするが、首都圏などの利用者に十分に知られていないとして有志によるPRを発案。
西川町も参加する「めでためでた 花のやまがた観光圏」に参加している山形市が横浜タカシマヤで「第11回紅花の山形路 物産と観光展」を開いていることから、同市などの理解、協力を得て、物産展のイベントでのPRが実現した。
PRは物産展に合わせて行った、東北芸術工科大学による和太鼓演奏イベントの前に実施。志田さんら月山志津温泉の関係者のほか、同じく月山に近い肘折温泉の旅館関係者ら10人が浴衣にハッピの姿で登場し、「山形は山菜などがおいしい季節を迎えた。7月にはつばさが半額になるので、2度3度と来て、山形を楽しんでください」などとアピールした。
またメンバーらは太鼓を鑑賞する人に、花笠のペーパークラフトや粗品の引き換え券、物産展のチラシなどを配布しながら、つばさを使っての山形への観光を呼び掛けていた。
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