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インバウンド ■第2662号《2012年6月30日(土)発行》
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5月の訪日外客、10年比で7%減少
日本政府観光局(JNTO)が22日に発表した今年5月の訪日外客数は、66万9千人で東日本大震災、原発事故の発生前の一昨年の同じ月と比べて7.3%の減少だった。中国は5月として過去最高を記録し、台湾も回復が目立った。しかし、韓国やフランス、ドイツは、放射能汚染への不安に加え、円高などがマイナス要因となり、前々年同月比で2割を超える減少率だった。
今年に入ってからの前々年同月との比較は、1月が6.9%増、2月が17.6%減、3月が4.4%減、4月が0.9%減で推移。1月のプラス、2月の大幅なマイナスは、東アジアが旅行シーズンを迎える旧正月の該当月の移動が要因。1〜5月累計では前々年同期比4.6%減の336万1千人となった。
5月の外客数を市場別にみると、中国が前々年同月比で0.7%増の11万3千人で過去最高だった。個人観光査証(ビザ)の発給要件の緩和、沖縄数次ビザの発給などで個人旅行者が増加。5月下旬には大型クルーズ船も寄港した。1〜5月累計では61万4千人で、前々年同期比で2.3%の増加となった。
台湾は前々年同月比6.1%増の12万1千人となり、08年に次ぐ過去2番目の実績だった。日台間のオープンスカイ協定の締結で航空座席の供給量が増加した影響で訪日需要が喚起されたとみられる。JNTOでは、東北地方への旅行は依然として厳しいとしながらも、「個人旅行の増加のほか、首都圏への団体旅行需要も回復に向けて一定の兆しが見えてきている」と指摘した。
米国はほぼ震災前の水準に回復した。同0.4%減の6万5千人。円高はマイナス要因だが、訪日旅行を検討する動きが増えたという。成田〜ボストン線の新規就航も需要喚起につながった。
タイや東南アジアの新興国は5月として過去最高を記録。タイは同41.1%増の2万4千人で、伸び率の大きさは10年5月にバンコクでデモなどの騒乱があったため。マレーシアは同23.9%増の1万3千人、インドネシアは同39.0%増の7100人だった。
一方、韓国は15万7千人で同21.9%の減少。日本にとって最大の訪日市場であるが、震災に伴う落ち込みからの回復が遅れている。韓国に対しては人気ブログの開設者の招請や各種プロモーションを展開しているが、放射能汚染による食の安全への懸念、円高による旅行の割高感が根強い。
このほかフランスが同27.0%減の1万人、ドイツが同21.4%減の9千人、豪州が同9.7%減の1万3千人など。
出国日本人数は 過去最高を記録
5月の出国日本人数は前年同月比22.7%増の141万4千人だった。5月としては過去最高を記録した。前年同月に対しては昨年7月以降、11カ月連続のプラス。一昨年の5月との比較では12.0%の増加だった。
JTBGMT、エイティーシーを吸収合併
JTBの訪日インバウンド事業で、欧米市場を主とするJTBグローバルマーケティング&トラベル(GMT)は7月1日、アジア市場中心のJTBエイティーシーを吸収合併する。分散していた機能を集約し、成長が見込まれるアジア市場を強化し、全市場の総合的な事業推進体制を築く。
海外のランドオペレーターやDMCが日本に進出し、競争が激化するなか、リソースの成長分野へのシフトと経営の効率化を図り、取り扱いの拡大を狙う。
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