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地域観光 ■第2664号《2012年7月14日(土)発行》
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北海道DC開幕、新しい発見の旅を提案
高橋知事と北海道おもてなしキャラバン隊の任命を受けた道内各地のゆるキャラ
北海道観光を全国に集中的に売り込む北海道デスティネーションキャンペーン(DC)が1日に始まった。北海道、北海道観光振興機構、JR北海道などで構成する実行委員会の主催。期間は9月30日まで。地元の食や体験プログラムを生かした「北海道にしかない、新しい発見の旅」を提案し、集客の増加を目指す。
1日、札幌駅西コンコースで行われたオープニングセレモニーでは、実行委員長の高橋はるみ北海道知事が「魅力いっぱいの北海道を全国にPRし、たくさんの観光客に来てもらいたい。ここでしかできない食や体験を楽しんでもらおう」とあいさつした。実行委員会の構成団体の代表らとテープカットも行った。
セレモニーには、北海道DCのイメージキャラクター、エゾナキウサギをモチーフにした「キュンちゃん」のほか、道内各地のご当地キャラクターが勢ぞろい。函館のイカール星人、富良野のへそ丸君、ニセコのニッキーなどが集合し、高橋知事から北海道おもてなしキャラバン隊の任命を受けた。キャラバン隊は各地のイベントに出かけて観光のPR活動を行う。
DCの期間中、実行委員会では、道内の特色ある観光スポットをウェブサイトやイベントなどを通じて集中的にアピール。オホーツク、富良野、美瑛などの6エリアでは、それぞれスタンプラリーや地元の味を楽しむツアー、イベントを満喫するツアーなどの特別企画を展開して受け入れの充実を図る。
また、旅行者が見つけたグルメや体験プログラムなどに関する観光スポットを推薦してもらう投稿企画「キュンれた〜」を実施する。最も「キュン」とする観光スポットの情報を提供した応募者3人には旅行券を贈呈。さらに応募者全員の中から抽選により道産米やオリジナルグッズをプレゼントする。
JR北海道もキャンペーンに合わせ、かつて走っていた懐かしい急行列車をはじめ、さまざまなイベント列車を運行する。DCオープニングの1日には、3泊4日で北海道を周遊しながらグルメを楽しむ「デリシャストレイン」の出発式が行われた。本州からの観光客など約110人が参加した。
ほんもの体験ネットワークが総会、15団体80人が参加
総会の様子
体験型観光の振興に取り組んでいる全国組織「全国ほんもの体験ネットワーク」(新井徳二会長)の第13回総会が7日、福井県美浜町で開かれ、全国から15団体、約80人が参加した。今年度の全国ほんもの体験フォーラムが徳島県で開催されるが、その概要などが発表された。
フォーラムは、公開パネルディスカッションや分科会、体験ツアーなどを通じて体験型観光を考えるイベント。今年度は来年3月16〜18日の3日間、徳島市の「アスティとくしま」をメーン会場に開かれる。徳島県と県観光協会と併せて、受け入れのコーディネート組織である「南阿波よくばり体験推進協議会」(海部郡牟岐町)と「そらの郷」(三好市池田町)が受け入れにあたる。徳島県でのフォーラム開催は昨年3月に予定されていたが、東日本大震災の影響で延期された経緯がある。
また、13年度のフォーラム開催地を、広島県と山口県とすることが正式決定された。同フォーラムの実行委員会事務局である広島商工会議所によると、8月か11月の開催で調整されていて、7月中旬には正式決定する予定。開催場所が2県にわたり広域になることから4日間の開催が見込まれている。
このほか、ネットワークの総合パンフレットを9月1日に発刊することが報告されたほか、新たに、沖縄県の「沖縄県体験型観光推進協議会」と福島県の「南会津農村生活体験推進協議会」のネットワーク加入が承認された。現在の加盟団体は、17団体。
今回の総会会場の美浜町は、ネットワーク会員である「はあとふる美浜ネットワーク」の主な活動拠点。同団体は、「民泊体験」や「ボート体験」、地元の特産品を使った「料理体験」などを「若狭美浜はあとふる体験」として商品化。教育旅行の昨年度実績は26校、約4千泊となっている。総会開催に併せて、提供している体験プログラムの体験会も開かれた。
東北地方の3スキー場、大阪で共同プロモーション
東北地方の安比高原スキー場(岩手県)、蔵王温泉スキー場(山形県)、アルツ磐梯スキー場(福島県)の3スキー場は9日、大阪市で、旅行会社関係者を対象にした共同プロモーションを行った。各スキー場はそれぞれの特色などのほか、今年新たに始める取り組みを紹介。参加者との意見交換なども行い、スキー修学旅行やスノースポーツ旅行などによる送客を訴えた。
大阪での3スキー場共同でのプロモーション活動は昨年に続き2回目。東日本大震災後の風評被害などの中、東北地方の中でも比較的規模の大きなスキー場が連携してPRすることで、東北地方のスキー場の多様性や魅力を強力に発信しようと実施している。
プロモーションでは風評被害などで苦戦した昨シーズンの利用状況に触れた上で、それぞれの特色と今年のセールスポイントを発表。安比高原はアイフォン、アイパッド向けに、GPS機能を使いコース内での位置情報や施設情報を提供する、日本初のゲレンデガイドアプリの提供、蔵王温泉は新たなご当地キャラクター「じゅっきー」のデビュー、アルツ磐梯は子供向けアクティビティやコンシェルジュによるプレミアムサービスなどを備えた「アルツスノーアカデミー」について紹介した。
各スキー場の発表後に行った意見交換では、出席者から仕向け地として競合する北海道に対する優位性を求める声や震災学習を実施できるか問う声などがあがった。これに対し各スキー場の代表者らは、「教育旅行でも使い勝手の良いリフト券の提案を約束する」「被災者受け入れの体験などを紹介できる」「近隣飛行場とスキー場を結ぶ送迎手段を臨機応変に用意する」と回答して、送客を積極的にサポートする姿勢をアピールした。
岡山県、都内で観光プレゼン、知事自ら説明
石井知事(中央)とご当地キャラ
岡山県は3日、東京都千代田区のホテルメトロポリタンエドモンドで「晴れの国おかやま観光プレゼンテーション」を開催。市町村、宿泊施設、運輸会社など35の企業、団体が参加した。
プレゼンでは石井正弘知事と3団体が代表して、旅行会社やマスコミ関係者らに見どころやグルメを紹介、首都圏からの誘客を促した。
石井知事は「2011年のB—1グランプリで、岡山県のB級グルメが1、2、9位と入賞したので、これからは『ご当地グルメうまい県! おかやま』をキャッチフレーズにして売り出したい」とアピールした。
直島福武美術館財団犬島グループ担当部長の笠原良二氏が「犬島アートプロジェクト」と「瀬戸内国際芸術祭2013」を、倉敷観光コンベンションビューローの田口哲男事務局長が倉敷市の「『源平合戦』古戦場めぐり」をそれぞれ紹介。
美作三湯華の会の佐々木裕子会長らは、かつて地方行政区だった「美作国」(現在の県東北部)が来年、建国1300年にあたることから、記念事業を展開することを明らかにした。
また、4月上旬に1千本の桜が咲く「津山城さくらまつり」に、湯原・奥津・湯郷温泉の宿泊客を旅館の女将が、夜桜バスで案内する企画が好評だとアピールした。
広島県、観光庁長官を表敬訪問
「看板をかけかえて」と井手長官に大型の宮島しゃもじを贈る杉原さん(写真右)
広島県が今年3月から展開している観光プロモーション「おしい広島県」で、宣伝役を務めるタレントの杉原杏璃さんが6日、観光庁の井手憲文長官を表敬訪問した。夏のキャンペーンの開始を報告するとともに、広島県の観光を盛り上げるための“要望”として観光庁に難しい注文を連発し、長官を困らせていた。
おしい広島県は、魅力的な観光資源が全国にまだまだ知られていない「おしい」状況を改善し、「おいしい」に変えようというのがコンセプト。広島県出身の杉原さんは広島県おしい委員会の“秘書”を務めている。
秘書らしいスーツ姿で長官室を訪れた杉原さんは、広島県の観光振興に関して要望。その内容は、「国民に広島観光を義務付ける広島観光義務法を制定してほしい」や「観光庁を『おしい観光庁』に改称してほしい」といったもの。杉原さんはグラビアなどでみせる笑顔をふりまき、長官に快諾をせまっていた。
夏のキャンペーンでは、東京、関西、九州で電車内に中吊り広告、駅に大型ポスターなどを掲示してPRを強化。宿泊予約サイトの楽天トラベル、じゃらんネット、一休、るるぶトラベルには広島県の特集ページを展開している。
群馬・草津温泉、“涼”アピールし集客
群馬県が7月から始めた「ググっとぐんま観光キャンペーン」に合わせ、草津町は「遊ぶ、くつろぐ、涼しい夏」をテーマに観光客を誘致する。真夏の平均気温が約18度と低いことをアピールすると共に、さまざまなイベントや体験企画を用意し、もてなす。
「町は東京スカイツリーのほぼ2倍の高さ、標高1200メートルに位置しており、涼しく、過ごしやすい高原リゾート」と草津温泉観光協会。
14日から9月23日までの14日間、「湯畑」周辺をキャンドルの灯りで飾る「夢の灯り」を実施。「キャンドルの灯りと湯煙が奏でる、美しく幻想的な光景は一見の価値あり」と勧める。
自分で摘んだ野山の草花を料理して食べる「草津味体験」や草津温泉熱湯マラソン、昆虫採集体験のほか、草津温泉感謝祭など恒例行事も盛り込み、観光客を飽きさせない。
来年春には源頼朝が入湯したと伝えられる「御座之湯」が再建され、温泉街に新たな魅力が加わる。敷地面積約1200平方メートル、2階建てで、延べ床面積約730平方メートルの規模。
14年に「湯路広場」、15年には「熱の湯」も整備される予定で、温泉街も大きく様変わりする。
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