日本旅行協定旅館ホテル連盟(日旅連、根津文博会長=北海道・御園ホテル)は5、6月、中国の旅行会社の招へい事業を行った。北海道と東北・新潟・長野の2コースでそれぞれ「ハネムーナー」「インセンティブ旅行」の誘致を目的に実施。日本へのアウトバウンドを手掛ける中国の旅行会社に観光地を視察してもらい、日本の魅力をアピールした。
事業は昨年予定していたが、東日本大震災の影響で今年に延期した。
北海道支部連合会によるハネムーナー誘致の北海道コースは5月22〜26日に実施。中国から上海の旅行会社とウエディング情報誌の記者、日本から日旅連会員、日本旅行社員、地元行政が参加した。
中国からの参加者は上海から新千歳入りし、札幌の北海道神宮、ローズガーデンクライスト教会など結婚式場を見学。その後、富良野、美瑛、層雲峡、網走、阿寒湖、池田、帯広など道内の観光地を回った。道東では中国で大ヒットした北海道を舞台にした映画「非誠勿擾」のロケ地巡りも行った。
東北・新潟・長野各支部連合会によるインセンティブ旅行誘致コースは6月11〜15日に実施。中国から旅行会社のMICE部門の商品造成担当者が参加した。上海から新潟入りした一行は蔵王、松島、平泉など東北の観光地と長野の善光寺、地獄谷野猿公苑、新潟の田中角栄記念館、弥彦神社などを見学。蔵王、花巻、湯田中、弥彦の各宿泊地で日旅連会員らとの意見交換会を行った。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
日旅連の根津文博会長は今回の招へい事業に関し、次のように述べている。
昨年は震災のため1年空いてしまいましたが、5月から6月にかけて、上海の関係者に東北、新潟、長野および北海道にお越し頂き、5日間の行程で現場の担当者の皆さんと誘客について、意見交換会を行いました。
東北ではマルチビザの周知、買い物に関する魅力付け、東京とのコースの組み合わせなど要望があったようです。北海道は従来からホワイトウエディングの可能性について模索していましたので、フォトウエディングをテーマに、エージェントのみならず、雑誌などの関係者に対し、結婚式に関するマーケットへの訴求を行いました。震災の報道で日本の文化や人々の暮らしぶり、美しい田園風景などが中国にも紹介されていると思われますので、予算の関係上あまり大規模な招へいはできませんが、各地で有効と思われる素材の紹介を継続することこそがインバウンド招へいの鍵となると思います。