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ビジネス ■第2665号《2012年7月21日(土)発行》
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リョケン、おごと温泉でセミナー開催、湯元舘・針谷会長が講演
講演する針谷会長
旅館・ホテルのコンサルティングを手がけるリョケン(静岡県熱海市)による旅館大学セミナーが10、11日、滋賀県・おごと温泉の湯元舘で開かれ、旅館の経営者や管理職など約170人が参加した。旅館経営の収益の確保・向上策をテーマに、湯元舘の針谷了会長らが講師を務めた。針谷会長は、安定的な収益を実現するポイントの1つとして「旅館経営を科学すること」を挙げ、部門別損益や投資回収率(ROI)などの正確な把握が重要と指摘した。
針谷会長は、1976年に実質的な経営責任者に就任。危機的状況にあった経営を再建し、同業態の旅館の平均値を上回る高い償却前営業利益(GOP)率を上げるなど安定的な収益を維持している。グループには湯元舘(73室)、その隣接地に湯の宿木もれび(20室)、京都・東山に京小宿八坂ゆとね(7室)がある。
講演で針谷会長は、旅館経営を“科学”する必要性について、「今の旅館業界に非常に不足している。どんぶり勘定で対策が打てるわけがない」として、(1)部門別決算を正確に算出する(2)損益計算書だけでなく、賃借対照表も重視する(3)GOPだけでなく、ROIも重視する──などをポイントに挙げた。ROIの重視では食器洗浄機の導入を事例に、費用対効果や業務改善の効果を検証する手法を説明した。
一方で、モットーとする「全社員経営」については、「社員は会社に貢献したいと思っている。会社がその機会を与えていないだけ」と指摘。特典を与えて社員に提出を促す「改善メモ」、全従業員が出席して毎年行う「経営方針発表会」など、限られた人材を生かす仕組みを紹介した。
針谷会長に続いて、湯元舘の椿宏社長も「部門間の協力による業務改善」と題して講演した。客室係や客室サービス係、配膳・食器係などの業務量のムラを改善し、宿泊客の出迎え、見送りを充実させた事例などを詳細に説明した。
湯元舘の経営改善に協力してきたリョケンの木村臣男社長は、「GOPやROIを重視した商品づくり、スタッフ全員の意思統一への取り組みなど、会長、社長、幹部社員をはじめ全スタッフの努力の結果が今の業績に表れている」と評価。参加者に向けて「厳しい時代、環境の中、旅館経営の方向性は1つではないが、多くの旅館には改善、改革の継続が求められ、経営を革新できるかが問われている」と指摘した。
企業の節電意識、2割が10%以上削減
帝国データバンクはこのほど、夏季の電力使用量削減に関する企業の意識調査を行った。この夏、節電を実施するとした企業は回答全体の7割に達し、約2割が電力使用量を10%以上削減するとした。具体的な節電内容は、空調温度の設定変更や、LED照明の導入、営業時間の短縮を挙げる声が多かった。
今夏に節電を実施する(予定、検討を含む)企業は回答1万589社中、7504社で、全体の70.9%。一方、実施しない(同)企業は1395社、同13.2%だった。実施するとした企業は全国10地域すべてで6割を超え、節電のムーブメントが全国的に拡大している。
節電を実施する企業に電力使用の削減量を聞いたところ、猛暑だった2010年と比べて10%未満が40.3%と最も多かった。このほか、10%以上15%未満が14.9%、15%以上25%未満が3.7%、25%以上が0.8%。10%以上の削減を考えている企業が19.5%に及んでいる。
昨年、計画停電を経験した南関東は78.4%が節電を予定。また10%以上の削減を見込む企業が28.3%で、10地域中で最も高かった。
節電を行うとした企業に具体的な内容を聞いたところ(複数回答)、「空調などの温度設定の見直し」が92.5%と、ほとんどの企業が挙げた。
次いで、「消費電力の少ない製品.設備の導入(LEDなど)」38.0%、「稼働.営業時間の短縮」11.0%、「夏季休暇の増加」6.8%、「電力需要の少ない曜日に操業」3.5%、「自家発電の設置または増加」3.4%、「サマータイムの導入」3.4%、「電力需要の少ない夜間操業の増加」3.2%など。
ほかに「自販機の撤去などで待機電力を削減」「照明などを間引き、温水便座の停止、LED照明など、少しでも節電を心がけている」「電力使用量デマンド装置を設置して、毎日管理している」などがあった。
節電をしない企業にしない理由も聞いたところ、「節電が不可能な設備.業態だから」が回答1395社中、401社、回答率28.7%と最も多かった。
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