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ビジネス ■第2669号《2012年8月18日(土)発行》

 
 

7月の全国企業景気DI、3カ月ぶりに改善
 帝国データバンクはこのほど、全国企業の景気動向調査の今年7月調査分を公表した。同月の景気DI(0〜100、50が判断の分かれ目)は前月比0.3ポイント増の37.9で、3カ月ぶりに改善した。復興需要の拡大で、東北地方で過去最高を更新したほか、建設などの業界で回復を持続した。ただ、「国内景気は復興需要頼みの傾向を強めており、踊り場局面が続く」(帝国データ)状況だ。

 調査は全国企業2万3099社に実施。このうち1万637社から回答を得た。

 DIを10の地域別にみると、東北、東海など7地域が改善し、近畿、中国、四国の3地域が悪化した。

 東北は前月比1.6ポイント増の44.9。3カ月ぶりに改善し、過去最高を更新。11カ月連続で全国10地域の最高となった。

 復興需要の拡大で、域内の建設業が同2.4ポイント増、53.5と、2カ月連続で改善。過去最高を更新した。これまで全国水準以上を続けた製造業、小売業も大きく改善した。

 県別では、宮城県が同1.6ポイント増の54.5。47都道府県中で、12カ月連続でトップを維持するとともに、8カ月連続で唯一の50ポイント台となった。福島県は同0.5ポイント増の46.4で、全国2位。岩手県は同2.1ポイント増の45.6で、同4位。被災地域が上位を占める傾向が続いている。

 さらに、日本海側の山形県が同3.0ポイント増の39.3(全国10位)、秋田県が同2.5ポイント増の37.7(同16位)と、復興需要が東北全体を底上げする傾向が表れた。

 10の業界別では、サービス、建設、小売など7業界が改善し、製造が前月並み、農・林・水産、金融の2業界が悪化した。

 サービスは前月比0.1ポイント増の42.0。10業界中で最も高い値。このうち旅館・ホテルは同0.7ポイント増の42.4。2カ月連続で改善した。

 建設は同1.0ポイント増の37.2。復興需要で宮城や福島で大きく改善した。ただ、復興需要のない西日本では回復の遅れが続いた。

 小売は同0.2ポイント増の38.3。2カ月ぶりに改善したが、「消費マインドの伸び悩みで需要に力強さがなく、今年春先の水準にとどまっている」。

 製造は前月と同水準の37.0。復興需要の本格化で東日本を中心に底上げされ、猛暑予想による関連製品の生産拡大も好材料となった。ただ、内需が弱く、外需も停滞していることから、全体として生産や出荷活動に回復がみられなかった。



個人企業の業況判断、宿泊・飲食業も改善
 総務省はこのほど、個人企業経済調査(動向編)の今年4〜6月期結果(速報)を公表した。同期の個人企業(個人経営の事業所)の業況判断DI(よいとする事業所の割合から悪いとする事業所の割合を引いた値)はマイナス68.4で、前期(今年1〜3月期)から2.7ポイント改善した。産業別では、宿泊業・飲食サービス業がマイナス72.7で、同2.0ポイント改善した。

 産業別ではほかに、製造業がマイナス57.9で、同5.4ポイント改善。卸売業・小売業がマイナス70.1で、同横ばい。サービス業(普通洗濯業、理容業、美容業、自動車整備業など)がマイナス66.3で、同7.3ポイント改善。

 来期(今年7〜9月期)の見通しは、全産業がマイナス66.6で、今期比1.8ポイント改善の見通し。

 産業別では、宿泊業・飲食サービス業がマイナス67.9で、同4.8ポイント改善。

 卸売業・小売業も同2.8ポイント増のマイナス67.3と、改善の見通し。ただ、製造業はマイナス58.9、サービス業はマイナス68.0と、今期からそれぞれ1.0ポイント、1.7ポイント悪化の見通し。




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