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トラベル ■第2669号《2012年8月18日(土)発行》
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近畿日本ツーリストとクラブツーリズムが経営統合へ
会見後握手する(左から)クラツーの岡本社長、近ツーの吉川社長、近鉄の戸川副社長
近畿日本鉄道(近鉄、大阪市)と近畿日本ツーリスト(近ツー、東京都千代田区)、クラブツーリズム(クラツー、東京都新宿区)は10日、シェラトン都ホテル東京(東京都港区)で記者会見を開き、近ツーとクラツーを来年1月1日付けで経営統合し、近ツーを持ち株会社と事業会社に分割、持ち株会社「KNT—CTホールディングス」を設立すると発表した。新会社社長には近鉄の戸川和良副社長、会長には近ツーの吉川勝久社長が就任する。また、クラツーの岡本邦夫社長も代表取締役として新会社の経営に参画する。
新会社は近鉄が60%近い株式を所有する連結子会社となる。経営統合に伴い、クラツーの普通株式1株に対し、近ツーの普通株式8500株を割り当てる株式交換を実施する。統合により、旅行取扱高は5千億円を超え、JTBに次いで業界2位となる。
新会社の傘下に100%子会社として、団体旅行を所管する「KNT団体」、個人旅行の「KNT個人」、メディア型旅行事業を展開する「クラブツーリズム」を配置する。さらに、店舗運営の「KNTツーリスト」をKNT個人の子会社とし、残り30数社ある近ツーの子会社は新会社の傘下に置く。
KNT団体の社長には、近ツーの小川亘常務が、KNT個人とクラブツーリズム社長には、岡本邦夫クラツー社長が就任する。
統合を円滑に進めるため、戸川副社長を委員長とする「統合準備委員会」を設置する。
統合による新たなビジネスモデル構築やコスト削減などに取り組み、5年後の統合効果見込み(営業利益への影響)として42億円を見込んでいる。
吉川社長は統合の目的について、「近ツーの持つ営業力や国内外の拠点、クラツーの会員組織や企画力といった両社の強みを最大限活用することで生まれる統合シナジー(相乗効果)により、他社にないビジネスモデルを作る」と語った。
近ツーは旅行市場の縮小を受けて店舗閉鎖や人員削減を進め、黒字転換を果たしたが、売上高は減収傾向にあるなど苦戦が続いている。クラツーは2004年、近ツーから事業譲渡を受けて新会社として設立。中高年層に強みを持つメディア型旅行事業会社として成長した。
今回の経営統合について、近畿日本ツーリスト協定旅館ホテル連盟の西野目信雄会長は「元々は同じ会社。時代も変わってきて、近鉄として旅行事業を統合しようという流れであり、当然の動きだ。また、岡本さんがKNT個人の社長になられるので大いに期待している。近旅連とクラブツーリズムパートナーズ会との関係については、これから話し合いが始まると思う」とコメントした。
また、クラブツーリズムパートナーズ会の鳥谷部徹雄会長は「いずれそうなる(経営統合)とは予想していた。会社やパートナーズ会はうまくいっているので今まで通りの体制でやってほしい。新会社には成績、結果を上げてもらうこと。会員にプラスになるようにしてもらいたい」と述べた。
主要旅行業58社の6月実績
観光庁が7日に発表した今年6月の主要旅行業58社の旅行取り扱い状況(速報)は、総取扱額が5048億5623万円で、前年同月比14.3%増、前々年同月比1.5%増だった。内訳は、国内旅行が前年同月比10.6%増の3034億9288万円、海外旅行が同19.4%増の1965億787万円、外国人旅行は同91.6%増の48億5548万円。
分野別に前々年同月比を見ると、国内旅行は0.6%減、海外旅行が同5.5%増、外国人旅行が同11.2%減。
58社中、取扱額の合計が前年を超えたのは51社だった。
募集型企画旅行の取り扱い状況は、総取扱額が前年同月比18.0%増の1169億3398万円だった。このうち国内旅行は14.8%増の596億5324万円、海外旅行は同21.3%増の570億3310万円、外国人旅行は同126.9%増の2億4763万円。前々年同月比は国内旅行が21.7%増、海外旅行が同45.1%増、外国人旅行が同25.9%減で、合計では31.9%の増加だった。
募集型企画旅行の総取扱人数は、前年同月比13.3%増の266万5147人。内訳は国内旅行が同12.3%増の234万621人、海外旅行が同19.1%増の31万2380人、外国人旅行が同141.1%増の1万2146人。前々年同月比は国内旅行が5.7%減、海外旅行が0.4%増、外国人旅行が21.3%減、合計では5.1%減だった。
JTBがハチロクで巡る北海道ツアーを発売
JTBは6日、人気のスポーツカー「TOYOTA86(ハチロク)」をレンタカーで利用できる北海道のツアーを発売した。人気の新型モデルで、レイトサマーから初秋の北海道を自由なルートで楽しめる。
TOYOTA86は1980年代に注目を集めた車種の新型モデルで、4月の発売以来、納車に5カ月以上待つほどの人気となっている。かつてこの車種を所有していた、あるいは憧れていた40〜60歳代の男性をターゲットにした。
往復の航空券と宿泊、レンタカーをセットにした1泊2日、または2泊3日のプラン。9月1日〜10月31日の設定。宿泊は札幌、札幌近郊の8ホテルから選ぶ。
JR西日本、新幹線で岡山〜熊本の相互誘客促進
JR西日本は11日から12月末まで「新幹線で行こう岡山・熊本キャンペーン」を実施する。直通運転が行われている山陽・九州新幹線区間の岡山と熊本で相互に誘客を行う珍しいキャンペーン。
キャンペーンでは、岡山エリア発の旅行客は熊本エリアの観光施設に設置してあるスタンプを集める。逆に熊本発の旅行客は岡山エリアの観光施設のスタンプを手に入れる。集めたスタンプの数に応じてご当地グッズが当たる。
スタンプ設置箇所は、岡山エリアが岡山城、岡山後楽園、大原美術館、備前焼伝統産業会館。熊本エリアは熊本城、水前寺成趣園、熊本県立美術館、阿蘇火山博物館。
賞品は、熊本エリアのスタンプ3個賞として 熊本特産デコポン、スタンプ2個賞として苺ジャムなどの「阿蘇大自然のめぐみセット」。
岡山エリアのスタンプ3個賞が「フルーツコンポート2個入り」、スタンプ2個賞は「備前焼一口マグカップ」。
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