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旅館・ホテル ■第2678号《2012年10月27日(土)発行》
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日本旅館協会が設立記念式典、3400会員の力結集
日本旅館協会の役員と来賓で行った鏡割り
新法人のロゴマーク
日本観光旅館連盟と国際観光旅館連盟の合併により発足した日本旅館協会は18日、設立記念式典を東京都新宿区の京王プラザホテルで開いた。日・国観連それぞれの設立から60年余り、日観連の1989年度総会で合併が提起されてから23年、紆余曲折を経て実現した合併を祝うと同時に、厳しい経営環境にある旅館・ホテル業の発展に団結して力を尽くすことを誓い合った。
日観連と国観連は今年6月の通常総会でそれぞれに合併契約を承認。今月1日、一般社団法人として日本旅館協会が発足した。会員数は全国の旅館・ホテル3381軒。会長には佐藤義正国観連会長が就任。体制固めのため、今年度に限って置く会長代行には近兼孝休日観連会長が就いた。
記念式典で佐藤会長は、新法人発足の喜び以上に会員の団結の必要性を強調。「経済の低迷、高齢化社会の到来による需要の減退などで宿泊産業をとりまく状況は厳しい。今、求められているのは会員の力の結集。協会は会員のために有効な施策を実行する。会員は何をできるかを考えて行動する。自らの力でこの荒波を乗り切ろう」と訴えた。
両団体の合併は、旅館・ホテル業の経営環境の変化に対する時代の要請でもあった。両団体の会員数は日観連が80年に9367、国観連が81年に2383に上ったが、合併直前にはともにその半分以下になっていた。新法人は宿泊需要の創出、宿泊業の経営改善などの課題に取り組む。
記念式典で発表された新法人のロゴマークにも、宿泊業の発展への思いを込めた。中央の図形は旅館の建物を象徴し、周囲の円は国内外から投宿する旅行者を表すという。
記念式典とそれに続いて開かれた懇親会には、会員、来賓合わせて約350人が出席した。鏡割りなどが行われ、祝賀ムードにあふれたが、合併に至る道のりは順調ではなかった。2006年11月には1度は合併に基本合意しながら事実上の破談に。再び合併を目指す協議の中でも調整は難航することもあった。
合併契約の中で来年度の会長に就くことが決まっている近兼会長代行は懇親会のあいさつで、合併の実現について「紆余曲折あったが、これほどの喜びは他にない。辛抱強く取り組んだ両団体の関係者、全国の旅館・ホテルの皆さまに感謝を申し上げたい」と述べた上で、「国や地方自治体に対して発言力のあるような強い団体にし、会員が5千まで増えるようにしたい」と力を込めた。
上半期の旅館・ホテル倒産は52件、負債381億円
帝国データバンクによると、今年度上半期(4〜9月)のホテル・旅館経営業者の倒産は52件で、前年同期比28.8%(21件)減少した。前期(昨年10月〜今年3月)比も7.1%(4件)減少し、これで、2期連続で前期比減少した。負債総額は380億8300万円で、前年同期比30.7%、前期比14.7%、それぞれ減少した。
東日本大震災直後の前年同期に比べ、件数、負債総額とも大幅に減少した。
同期に10件以上の2ケタを記録したのは7、8月の2回で、前年同期の4回を下回る。
負債総額は3期連続で前期を下回った。100億円の大台を超えたのは8月の1回のみで、前年同期の3回、前期の2回を下回った。
新潟のホテル小柳、100周年の祝賀会開催
乾杯の発声
新潟県湯田上温泉のホテル小柳(野澤隆義社長)が創業100周年を迎え、18日、同ホテルで関係者を集めて記念の祝賀会を開いた。地元行政、商工会、取引先、観光、旅館関係者など、200人余りが出席した。
祝賀会で野澤社長は「本日、100周年を迎えられたのは多くのお客さま、従業員、皆さまのお力添えがあったからこそだ。御礼申し上げる」とあいさつ。
来賓から、新潟県の大野裕夫副知事、地元田上町の小日向至副町長、第四銀行の種田純夫専務が祝辞。「若いご夫妻が立派な経営者になられ、ホテルの将来は明るい」「小柳は町のかけがえのない観光の中心だ」「旅館文化がこの地に大きく花開いていることに県民として誇りに感じる」とそれぞれ述べた。また、新潟県旅館組合理事長、全旅連事業委員長などを務める野澤幸司会長、新潟女将の会の副会長を務める野澤邦子副社長の人柄をたたえる声も相次いだ。
ホテルは1912年(大正元年)、農業を営む小柳為平氏、アキ氏夫妻が「料亭小柳屋」として創業。1945年(昭和20年)、旅館業の許可を受け「割烹旅館小柳屋」と改称。以来、幾度の増改築を経て客室65室、収容350人の大型ホテルとなり、現在に至っている。現在の野澤隆義社長は昨年9月に就任。今春は女性大浴場の全面改装とバリアフリー対応の展望貸し切り風呂「百湯」の新設を行った。 新潟県湯田上温泉のホテル小柳(野澤隆義社長)が創業100周年を迎え、18日、同ホテルで関係者を集めて記念の祝賀会を開いた。地元行政、商工会、取引先、観光、旅館関係者など、200人余りが出席した。
祝賀会で野澤社長は「本日、100周年を迎えられたのは多くのお客さま、従業員、皆さまのお力添えがあったからこそだ。御礼申し上げる」とあいさつ。
来賓から、新潟県の大野裕夫副知事、地元田上町の小日向至副町長、第四銀行の種田純夫専務が祝辞。「若いご夫妻が立派な経営者になられ、ホテルの将来は明るい」「小柳は町のかけがえのない観光の中心だ」「旅館文化がこの地に大きく花開いていることに県民として誇りに感じる」とそれぞれ述べた。また、新潟県旅館組合理事長、全旅連事業委員長などを務める野澤幸司会長、新潟女将の会の副会長を務める野澤邦子副社長の人柄をたたえる声も相次いだ。
ホテルは1912年(大正元年)、農業を営む小柳為平氏、アキ氏夫妻が「料亭小柳屋」として創業。1945年(昭和20年)、旅館業の許可を受け「割烹旅館小柳屋」と改称。以来、幾度の増改築を経て客室65室、収容350人の大型ホテルとなり、現在に至っている。現在の野澤隆義社長は昨年9月に就任。今春は女性大浴場の全面改装とバリアフリー対応の展望貸し切り風呂「百湯」の新設を行った。
岐阜長良川温泉旅組、「信長御膳」を再現
十八楼が再現した「信長おもてなし御膳」
織田信長が客人をもてなすためにふるまったとされる料理を再現した「信長おもてなし御膳」の披露会が18日、岐阜県岐阜市内のホテル、旅館7館で開かれた。
地元戦国武将の信長を観光振興に生かそうと、地域活性化に取り組むぎふまちづくりセンターが、岐阜長良川温泉旅館協同組合とともに企画した。
各ホテル、旅館は4月、史料を基に172品目の料理を当時の調理方法にこだわって再現した。今回は、各館の料理長がこれらの料理を懐石風にまとめて自館で提供し、センターの会員らが試食した。
このうち、十八楼(伊藤善男社長)では、蒸し鮑(あわび)や焼き鮎など16品のおかずを中心とした懐石料理を出品した。試食には地元の公務員や銀行員ら10人が出席。「素材の良さがよくわかる」「彩りがよい」などと感想を述べていた。
披露会に立ち会った水野宏支配人は、「当時簡単に手に入った食材が現在では手に入らなかったり、逆に現在一般的な調味料が当時無いなど、再現には多くの苦労があった」と話す。
このため、各館の料理長は、当時のまま再現するのではなく、現代風にアレンジした懐石料理を生み出した。十八楼でも、「雁汁」の食材を鴨に、「雉(キジ)こくし」(キジの焼き物)を地鶏に変更、当時使われていたと思われる素焼きの食器ではなく、秋らしい彩りを考えた華やかな食器を使った。
今後は試食した人の意見を参考にして、各館が独自に商品化を目指すことにしている。
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