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観光行政 ■第2679号《2012年11月3日(土)発行》    
 

11年の余暇市場規模は65兆円、縮小傾向に歯止めかからず

 日本生産性本部は10月29日、「レジャー白書2012」を発表した。白書によると、11年の余暇市場規模は前年比4.5%減の64兆9410億円にとどまった。「東日本大震災と福島第1原発事故の影響で、年前半は余暇に対する自粛ムードが広がり、後半は回復したが、落ち込みをカバーするまでには至らなかった」と白書。観光・行楽部門は同3.2%減の9兆2200億円となり、依然として縮小傾向が続いている。

 余暇市場規模は1996年にピーク(90兆9070億円)となった以降は下り坂となり、11年は89年(平成元年、66兆4290億円)の水準を下回った。

 観光・行楽部門では、東京ディズニーランドやUSJなど遊園地・テーマパークの大手が堅調。水族館や民間ミュージアム、プラネタリウムなどインドア施設も人気だった。「旅館・ホテルの売り上げは微減、旅行業取扱額では国内旅行は落ちたが、海外は横ばいを維持した」と白書は指摘する。

 一方、余暇活動の参加人口も縮小気味で、全91種目のうち78種目で前年を下回った。

 2年連続で1位だった「ドライブ」は高速道料金の休日1千円や無料化実験の終了に伴って、930万人減の5360万人となり、11年は3位に低下。代わって「国内観光旅行」(避暑、避寒、温泉など)が5580万人で2位から1位に返り咲いた。「外食」も5370万人で3位から2位に浮上。

 「節電対応のため夏期休業期間を延ばす企業が増えたが、それを背景に旅行の参加人口が堅調だった。『帰省旅行』も圏外から19位(2380万人)に順位を上げた」と白書。

 参加人口を増やしたのは器具を使わない「体操」(50万人増の2710万人)や「ジョギング、マラソン」(20万人増の2590万人)で、圏外からそれぞれ15位、17位に入った。健康志向の高まりが背景にあると見られる。

 国内観光旅行は参加希望率でも1位(79.5%)となり、2位のドライブ(59.2%)、3位の海外旅行(53.1%)を大きく引き離している。男女別でも1位に。国内旅行市場は活況とはいえない状況だが、潜在力はあるだけに、どう出かけさせるか、観光業界の腕の見せどころといえそうだ。



厚労省の生活衛生功労者表彰、旅館・ホテルから35人
旅館・ホテル関係者の記念撮影

 厚生労働省と全国生活衛生同業組合中央会は10月26日、東京のホテルニューオータニで今年度の生活衛生功労者表彰式を開いた。生活衛生16業種から、厚生労働大臣表彰153人、中央会理事長表彰183人の計336人が受賞。旅館・ホテルからは大臣表彰16人、理事長表彰19人の計35人が晴れの栄誉を受けた。

 式典で厚生労働省の矢島鉄也・健康局長が三井辨雄大臣の祝辞を代読。「皆さまは業界の指導者として、生活衛生関係営業の衛生水準の向上、経営の健全化を通して業界の発展に多大な貢献をされた。この功績は日頃からの並々ならぬ努力の賜物で、心から敬意と謝意を表したい。今後も一層のご活躍を」と述べた。中央会の大森利夫理事長もあいさつした。

 受賞者代表は「図らずも表彰を受けて身に余る光栄。きょうの感激で心新たに、生衛業の発展向上に努める覚悟だ」と謝辞を述べた。

 旅館・ホテル業の受賞者は次の通り(敬称略)。

【大臣表彰】
 花田忠利(北海道組合常務理事、秋田屋旅館)▽蝦名幸一(青森県組合常務理事、椿館)▽佐藤勘三郎(宮城県組合理事長、全旅連副会長、伝承千年の宿佐勘)▽大倉隆(埼玉県組合常務理事、ホテルルシール)▽鴇田邦朗(千葉県組合専務理事、亀山温泉ホテル)▽工藤勇治(東京都組合理事、ホテルヴィラホワイト)▽野澤幸司(新潟県組合理事長、全旅連常務理事、ホテル小柳)▽安藤精孝(石川県組合理事長、かなや)▽加藤貢(岐阜県組合元副理事長、鷹乃湯)▽住吉人(岐阜県組合副理事長、高山観光ホテル)▽渡邊恭宏(静岡県組合副理事長、ホテルニューセントラル)▽中村智(愛知県組合副理事長、活魚の美舟)▽田中秀樹(兵庫県組合副理事長、城崎観光ホテル東山荘)▽江口恭俊(福岡県組合副理事長、ビジネスホテルエルカーサ南福岡)▽工藤和廣(大分県組合理事、もみ志や)▽町田昭(鹿児島県組合理事、ホテル満秀)

【理事長表彰】
 高田進(北海道組合常務理事、ホテルローレル)▽田尻健司(栃木県組合副理事長、グランドホテル静風)▽田村亮一(群馬県組合元常務理事、四万やまぐち館)▽相川照男(埼玉県組合常務理事、ホテル王将)▽佐久間克文(東京都組合副理事長、芝大門ホテル)▽林茂樹(東京都組合副理事長、ホテルニュー東北)▽安岡重高(神奈川県組合常務理事、有馬療養温泉旅館)▽富井松一(新潟県組合副理事長、松泉閣花月)▽小林忠行(富山県組合理事長、奥田屋)▽加藤昌利(静岡県組合副理事長、銀水荘)▽成瀬茂行(愛知県組合常任理事、さもと館)▽水谷勝彦(愛知県組合監事、ホテルオースプラザ)▽渥美公太郎(愛知県組合理事、登里公)▽小早川優(兵庫県組合常務理事、ホテル若水)▽箸尾享嗣(奈良県組合理事長、遊景の宿平城)▽尾﨑正明(香川県組合副理事長、城山温泉)▽宮村耕資(高知県組合副理事長、ホテル南水)▽藤本正孝(高知県組合理事長、城西館)▽高柳貴裕(宮崎県組合元常務理事、青島観光ホテル)



観光庁、若者旅行推進のキャッチフレーズを決定
 観光庁は10月23日、若者の旅行を活性化させる表彰制度のキャッチフレーズを「今しかできない旅がある」に決めたと発表した。キャッチフレーズを使った表彰制度の取り組みの募集は12月に始める予定。

 若者の旅行離れが指摘される中、観光庁は、若者の旅行市場の拡大に向けて対策を検討。その一環で「若者旅行を応援する観光庁長官賞」という表彰制度を設けた。

 表彰制度をPRするため、若者が旅行に出かけたくなるようなキャッチフレーズを一般から公募した。応募は267件に上り、東京都在住の男性の作品が採用された。



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