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旅館・ホテル ■第2683号《2012年12月1日(土)発行》
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JTB旅ホ連が外客受け入れ強化、東京五輪誘致を応援
あいさつする福田会長
JTB協定旅館ホテル連盟(福田朋英会長)は11月21日、東京・日本橋のロイヤルパークホテルで2012年度第2回理事会を開き、インバウンド受け入れ事業を強化する方針を決めた。20年の東京オリンピック招致を応援する取り組みを進めるほか、中国人観光客受け入れマニュアルなど役立つツールを開発し、会員に提供していく。
東京オリンピック・パラリンピック招致を応援するため、会報誌「JTB旅ホ連ニュース」の新年号発行と併せて、招致委員会が制作したA2サイズのポスターとバッジを全会員に配布。のぼり旗も東京支部、首都圏ホテル支部と全国の支部長以上の会員に配り、各旅館・ホテルで掲出してもらうことで招致ムードを盛り上げる。配布対象外の会員にも希望者には送る。
DVDビデオなどのセット「旅館、ホテル向け中国人観光客の受入マニュアル」は、JTB旅ホ連が企画し、日本コンサルタントグループ(東京都新宿区)が制作した。実際の中国人観光客とサービス係の映像で、中国人客に心地よく宿泊してもらうための実践的なノウハウを解説している。
また、NTTドコモのスマートフォン・タブレット用アプリ「はなして翻訳サービス」の開発にも協力。同アプリは、英語、中国語、韓国語など10カ国語に対応し、対面する外国人と1台の電話を介してコミュニケーションできる機能などを備えている。
インバウンド受け入れ事業は、東北支部連合会会長の久保田浩基氏(湯の杜ホテル志戸平)が委員長を務めるインバウンド委員会が中心になって推進している。
全旅連、もてなしテーマに研修会
手話を交えた講義
全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会(全旅連、佐藤信幸会長)は11月19日、東京の海運クラブで全国47都道府県旅館ホテル組合の事務担当者研修会を開いた。「旅館・ホテルにおける接遇業務の知識・技能の向上」をテーマに、もてなしの基本と聴覚障害者への対応を専門家の講義で学んだ。
「基本編」として、有限会社フェイスアップ代表取締役の飯野智子氏が講演。旅館・ホテルの実務経験が長く、現在も北海道函館市のホテルで総支配人を務める同氏は、もてなしの概念や、旅館・ホテルが目指すべきもてなしについて解説。「サービスとは一対多数、いつでもどこでも誰に対しても行うもの。ホスピタリティとは一対一の関係性のマネジメント。人気のある旅館・ホテルは、その両方に優れている。今後、旅館・ホテルが生き延びるには、顧客との一対一の関係を大切にし、顧客との信頼関係を築くことが大事だ」と説いた。
また「聴覚障害者対応編」として、東京都杉並区聴覚障害者協会の鈴木道夫会長が手話を交えて講義した。鈴木氏は、聴覚障害にはさまざまなケースがあると指摘した上で「障害者が皆、手話を理解しているわけではない。一番安心できるのは筆談だ。旅館・ホテルにあれば嬉しいのは小さなホワイトボード、メモ代わりの付箋など」と解説。
さらに「我々は旅館・ホテルで料理の説明を受けたことがない。説明書きを見せていただけるとありがたい」と障害者に向けた旅館・ホテルのサービスの姿勢をただした。
タカミヤホテルグループ、295周年パーティーを開催
あいさつする岡崎社長
蔵王温泉の深山荘高見屋など山形県内の温泉地で旅館・ホテル8施設を運営するタカミヤホテルグループ(岡崎彌平治社長)は11月25日、「タカミヤホテルグループ295周年 庄内・米沢地区オープン記念パーティー」を、あつみ温泉高見屋別邸久遠で開いた。
県内の観光業界関係者、旅行会社、メディア関係者など130人が出席した。
佐藤嘉高・山形県観光経済交流局長は「14年4〜6月のJRデスティネーションキャンペーン(DC)に向け、6日に『山形DC推進協議会』が発足し、岡崎社長には誘客委員長をお願いした。創業295年のDNAを県内の観光の再生に役立ててほしい」と来賓あいさつで期待を込めた。
寒河江浩二・山形新聞社社長も「山形のよさを全国に発信し、東日本大震災後の風評被害を払拭してほしい」とエールを送った。
岡崎社長は「観光は地域とともに存在する。そういう思いから、震災後の昨年9月にこの庄内地区の久遠を、今年4月に米沢市小野川温泉に匠味庵山川を継承、改修し、開業した」と話し、これに応えた。
式典では、日本ホテル常務でホテルメトロポリタン総支配人の塩島賢次氏が「ホテルのホスピタリティの人材管理」と題して講演。フォーシーズンズホテル椿山荘の元総支配人だった経験も交え、フォーシーズンズホテルの黄金律「己の欲するところを他人に施せ」や、ホテルメトロポリタンの3P「ピープル(人=従業員)、プロダクト(物=商品、サービス)、プロフィット(金=売上、利益)が優先順位。逆さにしてはならない」などを紹介した。
パーティーでは「料理の鉄人」として有名な四川飯店社長・日本中国料理協会会長の陳建一氏が、米の粉豚など山形の食材を使った料理実演を実施。ヒラメの中華風刺身、豚肉の柔らか煮、麻婆豆腐などを、タカミヤホテルグループの料理長らと出席者の目の前で調理し、振る舞った。
岡崎社長は玉川学園の出身。塩島氏は玉川学園高校の先輩、陳氏は同高、同大学の同級生にあたる。
「オタク」取り込みへ東京の旅館・ホテルが研修
東京都ホテル旅館生活衛生同業組合と日本旅館協会東京都支部は11月22日、東京の全国旅館会館で秋季研修会を開いた。「外人観光客からも注目される秋葉原オタク文化とは何だろう」をテーマに、ウェブサイトの企画・制作を行う株式会社クロスブリッジの吉岡有一郎社長が講演。日本人や外国人の「オタク」を取り込むためのノウハウを伝授した。
講演では、約50万人を動員する「コミックマーケット」や、約22万人が訪れる「東京ゲームショウ」など“オタク向けイベント”について、「全国、全世界から多くの人が訪れるイベントで、見逃す手はない」と指摘。
その上で「オタクが喜ぶ旅館・ホテルのサービス」として、「オタクはノートパソコンやスマートフォンなど、小型家電を複数持ち歩く人が多い。客室に2口のコンセントだけでは充電もままならない。客室に電源タップや無線LANルーターを設置すれば喜ばれる」とした。また海外の「オタク」に自館をPRする手段として「日本のサブカルチャーを扱うサイトへのバナー広告が効果的」、日本人らに向けて「オタクのイベントに合わせて期間限定の宿泊プランを設定してはどうか」と提案した。
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