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トラベル ■第2687号《2013年1月5日(土)発行》
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13年の国内旅行、人数は微増も節約志向 JTB調べ
JTBは12月20日、2013年の旅行市場の見通しを発表した。週末3連休が前年より3回多いなどの理由から、国内旅行人数は2億8700万人と前年比で0.3%増加する。だが、節約志向は依然強く、また国内線LCCの拡大などもあり、平均消費額は2.4%減の3万2千円と減少傾向が続くと予測する。
東京スカイツリーや東京駅舎による東京観光の人気は持続し、歌舞伎座のこけら落とし、東京ディズニーランドの開園30周年などで、首都圏への観光客がさらに増える見込み。伊勢神宮の式年遷宮や出雲大社の「本殿遷座祭」を機に伊勢方面や出雲方面への観光客も増加。大河ドラマ「八重の桜」の舞台、会津地方も注目を集めそうだ。
JR九州は10月にクルーズトレイン「ななつ星in九州」、JR東日本は冬以降に「SL銀河鉄道(仮称)」、近畿日本鉄道は3月から新型観光特急「しまかぜ」を運行。新型車両の導入に、鉄道旅行が広がるとみる。
訪日外国人数は7.9%増の890万人程度と予測。韓国が前年並み、台湾、タイ、マレーシアなどアジア諸国からの訪日が伸びると読む。
海外旅行人数は1.5%増加し過去最高の1870万人と推計。平均消費額は0.8%減となる25万円と予測する。
肥薩おれんじ鉄道、3月から観光列車運行
3月から運行する観光列車「おれんじ食堂」の外観イメージ
熊本県八代市と鹿児島県薩摩川内市を結ぶ第3セクターの肥薩おれんじ鉄道は、2013年3月24日に新しい観光列車「おれんじ食堂」の運行を開始する。運行区間は新八代・八代(熊本県)〜川内(鹿児島県)間。新八代と八代間はJR九州の路線となる。車窓からの景観、車内で提供する料理が魅力だ。
列車デザインは、九州新幹線やJR九州の観光列車を手掛けた水戸岡鋭治氏。ロビーやカフェレストランをイメージしたデザインで、車内に設けられたキッチンから沿線の特産物を使用した料理や飲み物を提供する。不知火海(熊本)や東シナ海(鹿児島)などの海沿いの区間では減速走行を行い、海岸の景色を楽しめる。
2両編成で1号車はダイニングカー。昼食や夕食のメーンディッシュは沿線の提携レストランよりデリバリーされる。2号車はリビングカーで、テーブル席や半個室20席を設けた。
金・土・日曜、祝日に運行し、春休み、ゴールデンウイーク、夏休み、冬休みは毎日運行予定。貸切運行も年間38日程度を予定している。運行本数は1日3便。運行時間は1行程が新八代〜川内で約3時間程度。
1号車(ダイニング・カー)は原則、旅行商品として「運賃、座席指定料金、飲食付」の飲食パッケージプランのみの対応で、全区間(新八代・八代〜川内)を乗車できる。パッケージ料金は大人1万2800円(小人8200円)。
2号車(リビングカー)は、乗車希望区間の所定の区間運賃に加えて座席指定料金で乗車できる。座席指定料金は大人1400円(小人700円)。また、チャーター料金は29万円から。飲食については打ち合せが必要。
クルーズ・オブ・ザ・イヤー2012、グランプリにJTB
日本外航客船協会(会長・入谷泰生日本クルーズ客船社長)はこのほど、第5回「クルーズ・オブ・ザ・イヤー2012」のグランプリに、JTBの「レジェンド・オブ・ザ・シーズで航く 横浜・神戸発着 済州島・上海クルーズ」を選んだと発表した。
同協会および日本旅行業協会の会員会社を対象に募集したところ、20点のクルーズ旅行商品の応募、推薦があり、グランプリ1点、優秀賞2点、特別賞2点を決めた。
JTBの商品は7万総トンの外国客船をチャーターし、割安感のある価格を設定した結果、「現役世代を含むあらゆる世代からの集客に成功した」と選考委員会。積極的な広告宣伝で、1700人分の客室をわずか発売1週間で完売した。クルーズ未体験者が全体の7割弱を占めたという。
「ゴールデンウイークに外国客船をチャーターするという、日本旅行業界に新たなムーブメントを起こし、新規マーケット開拓策の1つの方向性を示した」(選考委)という。
優秀賞はクルーズのゆたか倶楽部と日本クルーズ客船の「新緑の日本一周・金環日食クルーズ」に。ゆたか倶楽部については、商品ではなく、数多くのチャータークルーズをコンスタントに実施し、市場の拡大に寄与してきた同社の長年の取り組みが受賞対象となった。
日本クルーズ客船の商品は、日本では25年ぶりとなった金環日食(5月)を洋上で観測する日本一周クルーズ。「天候に左右されるだけに、この種のクルーズはリスクの伴う商品だが、最適な観測地へ移動できる船ならではの強みを生かすとともに、魅力的な日本一周クルーズを組み合わせることで他社にはないユニークなネイチャリングクルーズに仕上げた」と選考委。
特別賞は日本郵船と郵船トラベルの「飛鳥IIでつなぐ東北復興応援クルーズ」と、クラブツーリズム、クルーズワールド旅行センターの「にっぽん丸チャータークルーズ・春の東北桜クルーズ」がそれぞれ受賞した。
JR西日本、京都に鉄道博物館建設へ
JR西日本は2016年春に、京都の梅小路エリアに梅小路蒸気機関車館と一体となった新たな鉄道博物館を開設する=写真は展示のイメージパース。梅小路エリアには12年3月にオープンした京都水族館があり、既存の梅小路蒸気機関車館の入館者も5割程度増加するなど人気の観光エリアとなっている。
新鉄道博物館のコンセプトは「地域と歩む鉄道文化拠点」。「みる、触る、体験する」を重視した展示構成で、SLから新幹線まで、貴重な車両を日本最大級の収蔵車両数となる50両を展示。SL23両を1カ所に収蔵しているのは国内で梅小路だけとなる。動態保存しているSL「スチーム号」は体験乗車ができる。
JRの営業路線が隣接していることを生かし、梅小路の構内留置線を博物館内に引き込む計画もあり、実際に営業している車両を引き込んで展示することも検討されている。
引き込み線から入った館内は、車両工場をイメージしたデザイン。屋根上点検通路を設け、普段見る事のできない車両の屋根上を間近に観察することや、電気機関車を持ち上げて展示し、機関車の下部構造を見学できる。また、新幹線タイプ、在来線タイプの運転シミュレーターの設置や、ジオラマで鉄道模型運転を実施する。
事業費は約70億円。現時点で既存の梅小路蒸気機関車館と交通科学博物館(大阪市)を合わせ来館者は年間60万人。新たな鉄道博物館開業後は合計で年間80万人の来館を目指す。
日本旅行が新中計「アクティブ2016」を発表
日本旅行は12月19日、2013年度から2016年度までの新しい中期経営計画「ACTIVE2016」を発表した。「確固たる収益基盤の確立」などを狙いに、ビジネスモデルの転換など三つのメーンテーマに取り組み、計画最終年度の2016年に単体で販売高4020億円(2013年度計画値3830億円)、経常利益10億円(同8億円)を目指す。
計画の正式名称は「中期経営計画『ACTIVE2016』—ビジネスモデル転換により新たなステージへ—」。少子・高齢化や個人の価値観の多様化、インターネット社会の進展、インバウンド需要の拡大など、時代が大きな変革期にあると認識。変化に対応し、収益基盤の確立ほか、「一定水準の利益確保」「社員のモチベーション向上」を図る。
三つのメーンテーマ(基本取り組み)として(1)ビジネスモデルの転換(2)人材の活性化(3)事業基盤の強化を掲げた。
ビジネスモデルでは、近年、中核分野と位置付け強化してきた教育旅行、MICE、BTM、インバウンド、インターネット販売へのさらなるシフトを図る。また地域行政、大学、BTM取り扱い企業、女性、熟年・シニアマーケットなどを重点顧客層として、社内各分野が一体で取り組みを強化する。
人材面では、女性を中心とした新卒社員の積極的採用など人材の確保・育成や、社内コミュニケーションの充実を図る。
事業基盤の強化では、CSやコンプライアンス、リスク管理、コストの構造改革を推進する。
2016年度の数値目標はほかに、営業収益450億円(2013年度計画値420億円)、営業利益5億円(同3億円)。部門別の販売高目標は、国内旅行が2013年度計画値と同じ2360億円。このうち企画商品の赤い風船は820億円(同770億円)。
中核分野では、インターネット販売が340億円(同210億円)、BTMが500億円(同330億円)、インバウンドが250億円(同140億円)。
インターネット販売の強化に向けたシステム投資などに、各年度で10億円程度を見込む。
計画では企業ビジョンとして「感動と満足を創出する、活力ある企業グループ」、目指す姿として「お客さま、地域、社員を元気にし、株主に貢献する」とした「4つのWIN」を設定した。
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