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トラベル ■第2689号《2013年1月26日(土)発行》  
 

JTBが経営ビジョン発表、2020年に取扱額2兆円
経営ビジョンを発表する田川社長

 JTBの田川博己社長は17日、グループ全体で20年に取扱額2兆円、営業利益400億円を目標とする経営ビジョンを発表した。「アジア市場における圧倒的ナンバーワンポジションを確立し、長期的・安定的な成長を可能とする基盤を完成させる」を基本戦略とする。宿泊販売4千億円を達成するため、4月に国内商品事業部の一元化を図ることも明らかにした。

 東京都内で開いた「2013年新春経営講演会」の中で発表した。昨年3月に創立100周年を迎え、次の100年に向けて進化するための長期的なビジョンで、「主戦場をグローバル、特にアジアに置いて、日本でやってきたビジネスモデルを一部変更しながら世界に広めていきたい」と田川社長。加えて、「国内市場の掘り起こしも大事だ。新しいマーケットをいかに創り出すか、新しい領域にいかに乗り出すか、についてもしっかり具体的に展開をしていきたい」と意欲を示した。

 2020年ビジョンを具現化するため、グループ経営の基本方針(1)次の100年に向けた経営基盤の強化(2)グループシナジー最大化による交流文化事業の完成(3)需要創造とシェア拡大による成長への転換(4)ミッション経営の徹底—を策定。なかでも持続的成長の幹と位置づける交流文化事業について田川社長は、「地域に眠っている伝統文化という宝を、あるいは生活文化という現実を見据えながら新しい価値として高度化することが最も重要」として、全国の自治体やJTB旅ホ連との連携を引き続き強化することを強調した。

 ビジョン遂行の第一歩として、13年度から3カ年の次期中期経営計画「『パーフェクトモーメンツ オールウェイズ』ロード トゥ グローバルビジョン2020」を実施する。4つの事業領域(1)国内個人事業(2)国内法人事業(3)グローバル個人事業(4)グローバル法人事業—を定義。国内個人事業ではシニア層・富裕層戦略をさらに強化し、国内法人事業では地域経済の活性化に貢献する DMC(デスティネーション・マネジメント・カンパニー)戦略を一層推進するなどして、取扱額で1兆7500億円、営業利益で200億円を目指す。

 現在、各地域事業会社が抱える国内商品事業部は、4月に国内商品事業本部をグループ本社内に設置して一元化。商品力強化とグループ全体最適を追求する。国内旅行の活性化を推進するためだが、「最大の目的は宿泊増売。4千億円の早期達成を目指す」と田川社長。



近鉄、KNT−CTHD株の一部を政策投資銀に譲渡
 近畿日本鉄道(近鉄)と日本政策投資銀行は16日、近鉄が保有する同社連結子会社、KNT—CTホールディングス(HD)の株式の一部(株式総数の1.5%、390万2千株)を同行に譲渡したと発表した。これにより、近鉄の株式所有割合は57.0%(譲渡前58.5%)に下がるが、同社は引き続き、同HDの筆頭株主にとどまる。

 同行はホテル.旅館など観光関連事業者への投融資、観光分野に関する各種レポートの公表などを通じて、観光産業の競争力強化、地域活性化支援に取り組んできた。

 同HDは、強力な営業力と店舗網を持つ旧近畿日本ツーリスト(KNT)、メディア販売に強いクラブツーリズムの経営統合により今月1日に発足。2社が持つ経営資源の強みを最大限活用することで生まれるシナジー効果により、さらなる成長を目指している。

 同行は「わが国観光産業の競争力強化に資する」として同HD発足を高く評価。経営に関与して同HDの取り組みを支援することを通じて、国内観光産業の発展を目指すとしている。



はとバス、晴れ着で成人式

 はとバスは11日朝、入社2年目の新成人となるガイドの成人式を東京都大田区の本社で行った=写真。祝日である成人の日は業務で各自治体の式典に参加できないガイドがいるため、1962年から同社独自の式典を行ってきた。今年で52回目となる成人式には東日本大震災で大きな被害を受けた宮城、福島を含む1都14県出身の19人が晴れ着姿で式に参加した。

 新成人ガイドが入社したのは東日本大震災直後の2011年3月。福島県出身の松川陽香さんは「東北からも客さまが多く来られる。みなさまを笑顔にできるようしっかり勉強したい」と語った。

 先輩ガイドが添乗するバスに「お客さま」として乗った新成人たちは明治神宮を参拝。絵馬に「感謝を忘れない素敵な女性になれますように」「笑顔を増やしたい」など願いを書いた後、玉串奉納を済ませ、神社を後にした。

 一行は東京湾クルーズ船「シンフォニー」に移動し、新成人以外の同期と合流。祝賀パーティーで新成人ガイドたちは、第1回式典から伝統行事として歌われている、二代目コロムビア・ローズさんの「二十歳」を熱唱した。



全日空、「八重の桜」ラッピングジェット就航、各地で福島PR
セレモニーには八重役を演じる綾瀬さんも出席

 全日本空輸は14日、NHK大河ドラマ「八重の桜」の出演者らが塗装された特別ジェットを公開し、羽田空港で就航セレモニーを開催した。主役の新島八重を演じる綾瀬はるかさんが出席し、「力強く生きた八重や会津の皆さんの精神が伝わって、福島をはじめ全国の方がまた明日からがんばろうという力になれれば」と語り、塗装機にも乗りたいと笑顔を見せた。

 特別塗装機体のボーイング767には綾瀬さんのほか、西島秀俊さん、長谷川博己さん、西田敏行さんの写真がラッピングデザインされた。ドラマの放送と合わせて年末まで国内各地を就航し、福島県が舞台となる「八重の桜」を就航地でアピールすることで、震災からの復興を応援する。

 セレモニーには内堀雅雄福島県副知事、西村健全日空執行役員、上滝賢二日本放送協会理事らが出席。

 相馬市出身の小田泰秀機長と浪江町出身の客室乗務員、森美奈子さんが「福島の美しい風景、八重が話す会津弁が懐かしい。ラッピングジェットでぜひ福島を訪れて欲しい」と語った。



主要旅行業58社11月実績

 観光庁が16日に発表した2012年11月の主要旅行業58社の旅行取り扱い状況(速報)は、総取扱額が5507億4408万円で、前年同月比1.0%増、前々年同月比では3.1%増だった。内訳は、国内旅行が前年同月比2.7%増の3614億6633万円、海外旅行が2.5%減の1829億8129万円、外国人旅行が13.0%増の62億9646万円。

 分野別に前々年同月比を見ると、国内旅行は4.1%増、海外旅行は1.5%増、外国人旅行は11.1%減。国内旅行は、3カ月ぶりの増加。

 58社中、取扱額の合計が前年を超えたのは30社。国内旅行で前年を超えたのは54社中、36社。

 募集型企画旅行の総取扱額の前年同月比は2.1%増の1373億3395万円だった。国内旅行は5.9%増の818億7075万円、海外旅行は3.0%減の552億4567万円、外国人旅行は6.5%減の2億1753万円。前々年同月比は、国内旅行が5.9%増、海外旅行が3.9%増、外国人旅行が26.5%減で、合計で5.0%増加。

 募集型企画旅行の総取扱人数は前年同月比1.9%増の368万4359人。内訳は国内旅行が3.2%増の334万6988人、海外旅行が10.5%減の32万6042人、外国人旅行が6.7%増の1万1329人。前々年同月比は国内旅行が1.2%増、海外旅行が2.3%減、外国人旅行が23.7%減、合計では0.8%増だった。



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